四国を縦断する国道439号。
徳島市から高知県四万十市までの348.9 kmのうち、
その大半がすれ違い困難な悪路であることから、酷道とも呼ばれている。
過酷な山中を走る439は、昼間でも通行車両は少なく、
ましてや、真っ暗闇と化す夜間に、439を走る車はほとんどいない。
高知県高岡郡内のとある439。
周囲には人家はない。
街灯もない。
車は一台も通らない。
その車の代わりに、
無数のヒメボタルたちが、
国道の上を自由気ままに飛び回っていた。
ヒメボタルが飛び交う森は、全国にもたくさんあるが、
ヒメボタルが乱舞する国道は、全国的にもそうはない。
ホタル国道439号と名付けようと思う。