まかろんのお茶会

日々の小さなことを詩モドキにしてます。
皆さまのお茶菓子代わりに楽しんでもらえたら嬉しいです。

新作 ~ 「妖精の結婚式」 その10

2014-06-14 21:37:19 | 未完「妖精の結婚式」 2014梅雨
続きでーす。


2014年6月10日~ブログ直接投稿 「妖精の結婚式」 その10

  帰ってやろうかなと さやかさんは思った
  カエル君には悪いけど これが妖精なら
  いくら困ろうと 知るもんか!
  でも・・と困った様子のカエルを眺めた
  乗りかかった船なんだよね・・・

<つづき>

そう思ったのを 見越してか
妖精は にたぁっと笑った
おい地味女 と妖精は白い花の
根元をちょっと吸って 放り投げた
手伝う気があるなら 付いてきな

妖精は 背中の薄い羽をぱたつかせ
さやかさんの傘の中に 入ってきた
そのままどこかへ 飛ぼうとして
小さな顔を ぐいとしかめた
傘の柄に飛び乗ると 口をぱくぱく動かした

こ・・さ・・れ!
え? とさやかさんは言った
・・るさ・・き・・!
あのー とカエルが言った
このうるさいのを切れと言ってます

うるさい? さやかさんは首をかしげた
雨と草木の音だけの 静かな夜だった
妖精はまた 何かをキーキー言った
持ってる袋の中と言ってます
カエルが今度は すぐに教えてくれた

袋? さやかさんはバッグを開けた
ひょっとしてと 携帯電話を出す
妖精は耳を押さえて 口を動かした
けど 何も声が聴こえなかった
見やったカエルは ケロケロと鳴いた

このまま少し いじめてやろうかなと
一瞬 さやかさんは思ったが
妖精の様子に さっさと電源を切った
何か空っぽな 落ち着かない気がした
妖精は目に見えて 元気になった


<つづく>



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変更:2018年8月9日
そのままどこかへ 飛んで → そのままどこかへ 飛ぼうとして
行こうとして 顔をしかめた → 小さな顔を ぐいとしかめた
傘の柄に乗り 口をぱくぱく動かした → 傘の柄に飛び乗ると ~
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新作 ~ 「妖精の結婚式」 その9

2014-06-14 21:32:35 | 未完「妖精の結婚式」 2014梅雨
サッカー、明日に日本の初戦らしいですね。

日曜で良かったですね!

まかろん家の辺りでも、若者がやけに集まってましたよ。
(おまわりさんも待機してましたけど・・・)

今ごろ前夜祭、とかしてるのかなぁ?

そして明日はお祝いの集まり、となると良いですね。

では続きでーす。


2014年6月10日~ブログ直接投稿 「妖精の結婚式」 その9

  ひとん家の庭 無断でうろついてたら
  おまわりさんに 捕まっちゃうよ
  そうですか? と暢気なカエル
  そうなの! とひそひそ声でさやかさん
  助けてやろっか? と横から声がした

<つづき>

カエルは ぎょっとした顔をした
さやかさんは はっと振り向いた
ぽわぁっと 小さな光が枝に点った
手のゆびほどの 大きさの男の子が
生垣の枝の間に 座っていた

ぞろり赤い上着に 緑のズボン
茶色の髪は くるくる巻いて
深いこげ茶の目は こんな小さいのに
磨いたように きらきらしていた
白い花を手に 男の子は脚を組んだ

地味な女だな と男の子は言い放った
話し声がするから どんな人間かと
思って来てみりゃ これか
さやかさんは ぽかんとした
旦那さんそれは とカエルは慌てた

あんた何 とさやかさんは言った
見て分からんのか と男の子は返した
地味女は 血のめぐりも悪いな
さやかさんは カエルの方を見た
睨みつけてたのか カエルは縮こまった

カエル君 この馬鹿は何
と さやかさんはざくっと聞いた
カエルは 申し訳なさそうに
目を しばたいた
その・・例の旦那方のお一人です

帰ってやろうかなと さやかさんは思った
カエル君には悪いけど これが妖精なら
いくら困ろうと 知るもんか!
でも・・と困った様子のカエルを眺めた
乗りかかった船なんだよね・・・


<つづく>



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コメント (2)
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