新作 ～ 「妖精の結婚式」 その１６

んでまた、続き。


2014年6月10日～ブログ直接投稿　「妖精の結婚式」　その１６

　　おかしくなんかないわよ！
　　さやかさんは　びしっと言った
　　アンタここに人いないって　知ってたの？！
　　妖精はまだヒーヒー　笑ってた
　　今いないってことしか　知らねーよ

＜つづき＞

あっそ　さやかさんはそっけなく言った
ぐるりと　暗い庭を改めて見回した
うっそうとした草木が　雨と闇を包んで
鮮やかな土の匂いの中　眠っていた
少しならやってもいいかな　そう言った

え？　とカエルは聞き返した
庭掃除・・あっでも　と
さやかさんは　はっとした
昼には来れないし　夜も暗くてできないや
どうしよう・・・？

昼・・ダメですか　とカエルは聞いた
うーん仕事があるからねぇ
とさやかさんは　答えた
土日なら来れるけど・・・
１日２日で　できるかなぁ？

さやかさんは　カエルを見たが
カエルも　首をひねるばかり
そういえば　とさやかさんは思いだした
その結婚式は　正確にはいつなの？
カエルは　きりっと顔を引き締めた

お日様の力が　一番強くなったときです
はい？　とさやかさんは聞き返した
だからお日様が・・と言いかけたカエルに
あーもーうるせぇっ
と妖精が　割って入った

カエル！　お前は人間のこと知らなすぎだっ
妖精はあぐらをかいて　ふんぞり返った
地味女！　お前もひとん家がどーとか
ぎゃーたら　ぬかすなっ
だからお前は　地味女なんだっ


＜つづく＞



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変更：2018年8月9日
だからお日様が・・と言いかけたカエルを　→　～カエルに

新作 ～ 「妖精の結婚式」 その１５

続きでーす。


2014年6月10日～ブログ直接投稿　「妖精の結婚式」　その１５

　　ここの人？　カエルはきょとんとした
　　ここの家の人よ　とさやかさんは言った
　　いえですから・・とカエルは言った
　　今いないんです　いなくなったんです
　　はあ？　とさやかさんは声を上げた

＜つづき＞

いなくなった手伝いの人って
ここの　人間のこと？！
はあ　とカエルは答えた
そう言いませんでしたっけ
言ってないわよ！　とさやかさんは言った

だったら　何で最初から・・・
君　理由が分からないって・・・
と思わずなじる　さやかさんに
いえ本当に分からないんです　と
カエルは急いで　真剣に言った

急に車がやってきて・・・
たくさん人間たちが　来たと思ったら
それっきり　誰も庭に来なくなって
カエルは　目をまたたいた
それって・・・とさやかさんは言った

ここの人　引っ越したんじゃない？
ヒッコシ？　とカエルは繰り返した
引っ越しよ　住居を移るの知らないの？
と言うさやかさんに　カエルは
え・・・　と首をかしげた

こんな立派な岩屋から　何故移るんですか
さやかさんは　ため息を吐いた
ヒーヒーヒーと　音がした
傘の柄で　妖精がじたばた笑ってた
おっ前ら・・おかし・・すぎだろ・・！

おかしくなんかないわよ！
さやかさんは　びしっと言った
アンタここに人いないって　知ってたの？！
妖精はまだヒーヒー　笑ってた
今いないってことしか　知らねーよ


＜つづく＞



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