まかろんのお茶会

日々の小さなことを詩モドキにしてます。
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新作 ~ 「妖精の結婚式」 その77

2014-07-16 21:09:47 | 未完「妖精の結婚式」 2014梅雨
続きでーす。


2014年6月10日~ブログ直接投稿 「妖精の結婚式」 その77

  思い出せる辺りを 声かけて回る
  小道をそろそろと 歩いていると
  わたしを 呼びましたか・・・
  と声が 聴こえた
  庭の端の暗がりに 蒼い妖精が浮かんでた

<つづき>

よく見ると妖精は 奥の茂みに座っていた
だけど 他の草木と違って光が薄い
光に慣れた目には 黒い塊のようだった
青花さま とさやかさんは歩を踏み出した
あっ・・ と妖精は声を上げた

じゃぼん!
さやかさんはまた 足を池に踏み入れてた
よろけたところを 枝をつかんでこらえる
痛イ とつかんだ木が言った
ごめん! とさやかさんは慌てて言った

気を落ち着けて 池から上がる
パンプスとストッキングが
じゃりじゃり濡れて 気持ち悪かった
明日会社あるのに!と 心の中でわめいた
ごめんなさい・・ と妖精がか細く言った

イーエ オ気遣イナク
と さやかさんは言った
ここ 柵置くべきじゃないですか
立ち入り禁止って
ごめんなさい と妖精はまた言った

さやかさんは ため息をついた
あの・・ と言いかけ
お加減いかがですか と思わず
言葉が 口をついて出た
妖精は色がくすんで 弱々しく見えた

大丈夫よ と妖精は微笑んだ
夏至はもうすぐだもの
皆さんを たくさんもてなさなきゃね・・
そのことですけど とさやかさんは言って
あの・・これを と梅酒を差し出した


<つづく>



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