まかろんのお茶会

日々の小さなことを詩モドキにしてます。
皆さまのお茶菓子代わりに楽しんでもらえたら嬉しいです。

「月」 (# 70)

2011-09-12 21:42:57 | お茶菓詩 (読み切りサイズ♪)
お今晩は~。
今週も始まりましたね、まかろんのお茶会にようこそ!

9月になってからまだ2週間も経ってないのに、夕焼けがはっきり、
8月とは違ってきていますね。

何と言うか、凄みがある深さの朱色です。

店主が今日、てこてこと夕方に外を歩いていましたらね。
前方が見通せる道がちょうど、夕陽の方角だったらしく、
見事に染まった夕焼け雲が見えたんです。

横にたなびく先細りの雲が、夕陽に照らされて鮮やかな朱色で。
上部のほんの少しの部分だけ、横に細く、
陽が当らず墨色になってるんです。

嘘ってくらい、

紅ジャケにそっくり。

で、またてこてこと歩いておりますと、
こっちに向かって歩いてくる通行人さんたちが、
こぞって携帯を出して写真を撮るんです。

まかろんの美貌に感嘆のあまり撮らずにいられないのか、
と思いきや、
(いや、そんなこと本気で思いはしませんが)
後ろを振り返るとぽっかりと大きな満月が。

そう、仲秋の名月です。

正面が夕陽なのだから、後ろは月ですよね。
月は東に日は西に、ってやつです。

春の桜シーズンの時にもこちらで書きましたが、
この21世紀、平成の世の中、
何もかもが人工のデジタルで支配されている
ような世の中にあっても、
四季折々の花鳥風月を愛でる心は、
抜きがたく日本人の中にあるようです。

携帯のおかげで、
みんな気軽にそういう楽しみ方ができるようになったわけで、
良いものを見せてもらったな、と思いました。


さて、そういうわけで本日のお題は「月」です。
それっきゃないデショ!
なので、別のを本当は考えていたのですが、やっぱり本日はこちらを。

怪しくも美しい「月」、どうぞお楽しみ下さい。


2010年8月18日ついったー投稿 「月」

月 夜空に光を放つ月 
その光は闇を見る者を導き魅了する 
地上を這う者の一筋の希望 

けれど 月よ 月 
あなたを望む愚か者
いくら望んで手を伸ばし 
梯子を上り 塔を打ち建てても 
月はなおも遥かに遠い 

月が欲しいと泣く赤子 
人は皆 己の月を追う 
大いなる光の余光と知らず 

月よ月 惑わしの王 虚空の偽王 
地上は得られぬ栄華に飢え乾く 
狂気のサバトはいつ果てるのか 
それでも私は月を恋う 
今日も月はその秀麗な青白い顔を見せ 
叶わぬ望みを人間に与え続けている


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「ずれ」 (# 69)

2011-09-08 22:17:06 | お茶菓詩 (読み切りサイズ♪)
お今晩は~。
木曜のまかろんのお茶会です、皆さまお元気でしたか。

だいぶ涼しくなってきましたね。

朝晩ははっきり涼しいですし、
昼間も、日差しは強いけれど夏のような重苦しさはなく、
何かあっさりとした透明感が出てきました。

いよいよ秋の時期の始まりです。
変わる季節の入り口に、これから何が起こるのだろう、
何をこれから自分はできるのだろう、
自分はどう変わっていくのだろう、と思うと、ワクワクしますね。

ただまあ、前々回にも書きましたが、春・夏、と進んできたら、
秋は、ここらでちょぉーっと止まって、今までかき集めてきたものをじっくりと
見つめなおす時期って感じがします。

例えて言うなら、
バーゲンで争奪戦を繰り広げて買い集めた戦利品を、
次のバーゲン!
次のセール!
と駆け回るので忙しくて、
買ったはいいけど部屋の隅に積み上げていたのをきちんと取り出して、
ほんとにこれ必要だったのかな?
ほんとにこれ今の自分に合ってるのかな?
と整理するようなものですね。

春・夏は楽しかったですねぇ。
皆さまのバーゲン巡りは楽しかったですか?
結構、衝動買いなんかしちゃってたりして?

さあ、芳醇な季節がやってきました。
知らず知らずに溜まってきていた、心のずれをリセットしましょう。
そして、すっきりした心で今年の実りを楽しみましょう。

おっと、長話が過ぎましたね。
ではでは、本日の茶菓子、涼しくなった夜風に乗せてお届けします。
ご賞味あれ。


2010年8月29日ついったー投稿 「ずれ」

一瞬のずれが心に走った
 
胸に抱いていた思い
 
大事に思っていたもの全てが
 
無味乾燥な砂のように 口の中でざらついた
 
自分という存在の手がかりを見失って
 
世界は空白になる
 
その一瞬の白い世界の向こうには
 
何があったのだろう



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「蝉」 (# 68)

2011-09-05 21:43:10 | お茶菓詩 (読み切りサイズ♪)
お今晩は~。
皆さま、お元気ですか。

9月になりましたねぇ。
あ、いや、そのネタは先週やったよ、と言われそうですが。

でも、先週の9月1日はまだ、
8月終わっちゃったヨ?マジで!?
みたいな気分だったんですよ。

で、今日くらいになって改めて、
ああ、9月になったんだなー、って気がじわじわしています。
皆さまはいかがですか?

昼にはまだ蝉も鳴いてますけど、
朝晩はもう、秋の虫の声の合唱ですよね。

これももうじき蝉の声は絶え、
秋虫の声のみになり、そうして、秋が深まっていくんでしょうね。

そう、虫の声が綺麗です。
夏の王者だった蝉が表舞台から去るのはもうすぐです。
変わっていきます。
流れていきます。

そんな流れを、
毎日毎日の生活でついつい固まりそうな貴方に。
また、そうでない方にも。
お届けします。


2010年8月30日ついったー投稿 <変更>「蝉」

道に転がる蝉の死骸 
夏中 街に君臨してきた蝉も 
今はただのゴミに 
その道の上を人が行き交う 
向こうを歩くおじさんも 
こちらに向かうお嬢さんも 
死ねば一つの世界が終わったように 
皆が大騒ぎするだろう

どんな人も誰かが付いている 
僕らはゴミじゃない 
ゴミなんかじゃないんだ

だけど一匹の蝉と僕らとは 
何がどれだけ違うと言うんだ 
蝉高らかに歌う地上に 
散らばる人の死体死体死体 
その代わりに 蝉の死骸転がる 
平和な夏の午後 
その傍に 物言わぬ夏草が 
ひっそりと生い茂っていた



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「特別な日」 (# 67)

2011-09-01 21:46:25 | お茶菓詩 (読み切りサイズ♪)
お今晩は~。

9月です。
9月1日です。

新学期ですね~。

4月の、いかにも「新しいシーズンが始まるぞ!」という雰囲気には負けますが、
新鮮な気分がしますね。

春・夏ときて、今年も秋の季節がやってきました。

春や夏はゼロからの出発、そして成長の時期です。
秋はその前2シーズンの、行け行けどんどんの勢いをちょっと落として、
春・夏で育んだものをまとめ、膨らませ、豊かな実りを得る時期です。

新学期始まる今日、お茶会にお付き合い下さる皆さまに。
新しい季節の風を本日の茶菓子に乗せて、お送りいたします。


2010年8月25日ついったー投稿 「特別な日」

経験したことのない
 
まっさらな一日が始まる
 
光の粒がきらきらと もぎたての朝を彩る
 
今日は特別な日 毎日が特別な日
 
いつも通りの
 
何てことない
 
特別な日々



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