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まかろんのお茶会

日々の小さなことを詩モドキにしてます。
皆さまのお茶菓子代わりに楽しんでもらえたら嬉しいです。

新作 ~ 「妖精の結婚式」 その37

2014-06-28 21:13:18 | 未完「妖精の結婚式」 2014梅雨
ども。週末ですねー。楽しんでいらっしゃいますか?
続きでーす。


2014年6月10日~ブログ直接投稿 「妖精の結婚式」 その37

  さやかさんは 庭に戻った
  少し空が 曇ってきている
  雨降るなよと 心に念じる
  もうおおまかでいいやと
  しおれた花や落ち葉を 集めて回った

<つづき>

赤い実の木が 植えられた辺りから
さらに進むと 裏に小さな空き地があった
伸びた芝生が敷かれた 丸い空間は
木に囲まれ 緑の小部屋のようだった
さやかさんは 中に足を踏み入れた

真ん中に 大きな石造りの花鉢
腹ほどの高さの 脚つきの杯のような形に
何か複雑な模様が一面 かたどられ
古代の神へ捧げる酒杯のようだった
今は花はなく ただ雑草だけが茂ってた

その向こうに 木のベンチ
雨ざらしの板が痛んで 黒ずみ
ところどころ ぼろぼろ崩れてた
さやかさんは 少し休もうと
壊れてない辺りに ちょこんと座った

休みの日の昼下がり 庭はとても静かだった
曇った空までが ゆるやかに
緑灰色の空気を 地上に沈めこんでいく
小さな空間を囲む木たちは その重い空気の中
何かを知ってるかのように 見えた

手にしたゴミ袋が 風でがさりと鳴った
さやかさんは はっとした
いけない急がなきゃと 立ち上がる
取り除くゴミはないかと 花鉢と
その足元に植わってる植物を見た

あれ?と さやかさんは首をかしげた
大きなぎざぎざの 葉を眺める
この葉っぱ・・紫陽花じゃない?
よく見慣れた 大きな葉の奥
つぼみがわずかに 縮こまっていた


<つづく>



人気ブログランキング ← 最近雨で紫陽花がまた元気になってきて、良かったですね♪
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新作 ~ 「妖精の結婚式」 その36

2014-06-27 21:30:56 | 未完「妖精の結婚式」 2014梅雨
いつも読んで下さって、ありがとうございます。

今回、いろいろ思いつき過ぎるよー。
書いても書いても終わらない・・・。

応援嬉しいです。
皆さま、ありがとね☆

続きでーす。


2014年6月10日~ブログ直接投稿 「妖精の結婚式」 その36

  当たり前だけど 庭にはトイレがない
  あってもどうせ 水が使えない
  家の勝手口はやはり 鍵がかかってた
  仕方ないと さやかさんは庭を出た
  近くのコンビニで トイレを借りよう

<つづき>

どこにでもある 普通のコンビニ
近くにあって ホントに良かった
だけどと さやかさんは店内を見回す
ここには何にも音がない
何を言ってるんだと 我に返る

店中に流れる 軽快なJ-POP
店員さんの 会計の声
音は十分にあふれてる
虫も泥もない 清潔に整えられた空間
なんてここは 楽なんだろう

さやかさんは ほぉっと息をついた
今日が終わったらと さやかさんは思った
こういう世界に戻るんだ
そして明日からまた 虫や泥の代わりに
見えない不条理を 誰かの代わりに片づける

こういう世界を 造るために

さやかさんは 頭を振った
目にしたペットボトルを レジに持ってく
考えちゃいけない そーゆーことは
今日は今日 明日は明日
ちょっと人助けをした それだけのこと

さやかさんは 庭に戻った
少し空が 曇ってきている
雨降るなよと 心に念じる
もうおおまかでいいやと
しおれた花や落ち葉を 集めて回った


<つづく>



人気ブログランキング ← いえいえ、土日はこれからですよ!
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新作 ~ 「妖精の結婚式」 その35

2014-06-27 21:22:18 | 未完「妖精の結婚式」 2014梅雨
ども、金曜ですね。

続きでーす。


2014年6月10日~ブログ直接投稿 「妖精の結婚式」 その35

  さやかさんは 曖昧に笑ってその場を離れた
  できたら見かけたくないなと
  しおれた花を また切りながら思った
  やっつけるって 殺すってことでしょ
  どうか見かけないで すみますように!

<つづき>

あのすみません と
カエルが 声をかけてきた
しばらく まだおいでですか?
さやかさんは うなずいた
そうしましたら とカエルは言った

僕はこれから 土地神さまに式開催の
挨拶に参りますので しばらく留守します
日が出てる折に伺うのを 忘れてました
カエルは 顔をしかめた
多分あいつらも 忘れてると思うんですよね

お帰りはご自由に とカエルは続けた
ただその時 僕いないかもしれないので
今のうち ご挨拶をと思いまして
あーうんできるだけいるから と
さやかさんは言った

早く行ってらっしゃい と
さやかさんは 手をひらひらさせた
はい ありがとうございます
カエルは ぴょんと近くの花から降り
すぐに 草の間に消えていった

しゃきしゃきと はさみを動かす
同じことばかりしてると 飽きてくる
落ち葉や折れた葉などを 取り除いてると
トイレに 行きたくなってきた
どうしようと さやかさんは思った

当たり前だけど 庭にはトイレがない
あってもどうせ 水が使えない
家の勝手口はやはり 鍵がかかってた
仕方ないと さやかさんは庭を出た
近くのコンビニで トイレを借りよう


<つづく>



人気ブログランキング ← 冷えてますよ~。
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新作 ~ 「妖精の結婚式」 その34

2014-06-26 22:06:17 | 未完「妖精の結婚式」 2014梅雨
ホント、無駄話止めなきゃ・・・。

あの、でもね。

今回のワールドカップ敗退後の記事で嬉しいのは、
あまり感情的な戦犯探しがないことです。

見た感じ、きちんとした分析ばかりだし、選手のことを取り上げるにしても、
感情的に責めるでもなく、かといって気持ち悪い持ち上げもないように見えます。

まかろんはあまりスポーツに興味はないけど、死ぬまでに
「日本!決勝進出です!」とか聞いてみたいな、と思います。

皆さまにも、勇気が宿りますように。

では、続きでーす。


2014年6月10日~ブログ直接投稿 「妖精の結婚式」 その34

  それは本当に 綺麗な木だった
  庭の周りの木ほど 大きくはなく
  すんなりした枝には いきいき緑の葉
  その間に さくらんぼのような赤い実が
  シャンデリアのように たっぷり輝いていた

<つづき>

綺麗だねー とさやかさんは歓声を上げた
お一つどうぞ とカエルは言った
ここの方も よくつまむんです
旦那方のためにと 大方残してくれますが
カエルは ふんわり遠くを見て言った

そうなんだ とさやかさんは言った
そう聞くと ただ昨日今日来て
片づけるだけの自分が つまんでいいか
気が引けたけど カエルが嬉しそうに見てるので
赤い真珠玉のようなその実を 一つ口にした

爽やかな甘みが ぷちゅっと口に広がった
美味しいね! さやかさんは思わず声上げた
カエルはますます 嬉しそうにした
いい所だねーここ さやかさんは言った
強くなってきた日ざしが 庭に射しこんでいた

頭上の赤い実が きらきらと輝いた
水をたっぷり吸った草木が 緑の香りを上げ
バラやラベンダーや 知らない花の
甘やかな また優しい香りを織りまぜていた
ハチがブゥーン・・と ゆるやかに通り過ぎた

仕事しなきゃ とさやかさんは言った
今日中に めどつけなきゃね
ああはい とカエルは言った
あの・・さっきみたいなムシ見かけたら
お願いします とカエルは頭を下げた

さやかさんは 曖昧に笑ってその場を離れた
できたら見かけたくないなと
しおれた花を また切りながら思った
やっつけるって 殺すってことでしょ
どうか見かけないで すみますように!


<つづく>



人気ブログランキング ← 祈りが届きますように。


※修正のご報告:2016年1月9日
強くなってきた日ざしが 庭に差しこんでいた → ~ 庭に射しこんでいた
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新作 ~ 「妖精の結婚式」 その33

2014-06-26 21:51:59 | 未完「妖精の結婚式」 2014梅雨
ども。

詩と関係ない話なんですけど、あのー、W杯でね。

本田選手が「この4年間は間違っていた」と言い、また
日本チームの欠点などを分析する記事とか多く出るようになって、
ほっとしてます。

今までの煽りっぷりは、なんか冷や冷やするものを感じてまして。
ついったーでも、太平洋戦争(結果:負けた)時の世論操作と似てないか、という書込みをいくつか見かけました。

でも、こういう冷静な分析記事が出るというのは、とても心強いことですね。

自分の至らない所を正視するのはすごく、すごく難しいし、
ましてや自分一人納得するでなく、チームや団体全体を変えていく、って
とても難しいことだと思うけど。

日本サッカー、頑張って。

とりあえず、詩の続きでーす。


2014年6月10日~ブログ直接投稿 「妖精の結婚式」 その33

  どうしたのカエル君
  さやかさんは 声をかけた
  カエルは はっと振り返った
  虫はそのすきに ボトッと下に落ちた
  捕まえて! とカエルは叫んだ

<つづき>

さやかさんは 慌てて根元を探した
虫は草にまぎれて 消えてしまってた
カエルが木から ため息をついた
あの・・ごめんね さやかさんは言った
いえいいです とカエルは返した

どうせ僕だけじゃ 駄目でしたから
と言うカエルは 憂鬱そうだった
あの虫何なの? とさやかさんは聞いた
分かりません とカエルは答えた
最近急に現れて あちこち木をかじるんです

あらら とさやかさんは言った
あのムシだけじゃないんですよねぇ
と カエルは首をかしげて言った
僕はここに住んで三年ほどですが
こんなにムシを見たのは 初めてです

なんでだろ とさやかさんも首をかしげた
分かりませんがとにかく と
カエルは 幹の上で居住まいを正した
あのムシを見たら やっつけて頂けませんか
あのムシだけは 硬くて強くて難しいんです

やっつけてって・・ と
さやかさんは 眉をひそめた
お願いします とカエルは懸命に言った
今もアイツは この木をかじろうとしてて
とカエルは 貼りついた木を見上げた

それは本当に 綺麗な木だった
庭の周りの木ほど 大きくはなく
すんなりした枝には いきいき緑の葉
その間に さくらんぼのような赤い実が
シャンデリアのように たっぷり輝いていた


<つづく>



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