今年も最後の月である12月に入って、
いよいよ今年も最後となります。
心残りの無いように、悔いのないように過ごしたいですね。
では、最後に、
“そこで、部派仏教では、これ(釈迦の説かれた成仏法)を三十七菩提分法といって、
まとめ呼びしたものの、新しい統一ある修行法を案出し、
それによって、修行するようになる。”
“それは中阿含182、パーリ中部39、馬邑大経で、
そこでは三十七菩提分法の中の修行法と関係なく、
独自の立場で、修行の発足から最後の悟りに至るまでの経過を
段階的にまとめて説かれてある。”
それを見てみると、
“(1)慙愧具足(社会に対しても、自分の内心に対しても、
恥じることを知ることであり、要するに、正しい良心を持つこと。”
(2)身行清浄(八正道の中の正業にあたる)
(3)語行清浄(正語)
(4)意行清浄(正思惟)
(5)活明清浄(八正道の正命に相当)
(6)第守護根門(感覚器官を清らかに保って、
感覚器官の認識作用に対して外境(対象)に執着せず、
放逸無慚に陥らぬようにする)
(7)於食知量(自分が食べるものの分量を知り、過食暴飲をしない)
(8)警牾精進(八正道の正精進に当たる)
瞑想するのに居眠りなどをしないで一心努力すること。
以上の八段階は瞑想定に入るのに適した心身の状態をととのえることである。
(9)正念正知具足
(10)独往厭離・五蓋遮断(瞑想に適する静かな場所で、独り住することであり
五蓋遮断は正しい瞑想に入ることを障害する五つの煩悩を捨て断ずること。
(10)でいよいよ五蓋がまったく遮断せられると、
いよいよ初禅ないし第四禅定に入ることができるのである。
宿命通や天眼通などの神通的な智慧が得られるのは、
この第四禅においてであるとされる。
第(15)の宿住隨念智から第(17)の漏尽智は「三明」と言われ、
さとりに達する直前には必ずこの三明智が得られるとされる。
”私(開祖)は以上の修行課程を、次のように編成した。”
“(1)~(12)までを解脱瞑想法(戒・定)、
(13)~(17)を求聞持聡明法(慧)の二つに分ける。”
解脱瞑想門は因縁を解脱し、業を転換させる修行門。
この門による修行により、人は自分の持つ因縁から解脱し、
業を転換させるのである。
求聞持瞑想門は、仏陀の体得された三明通を獲得し、
六神通を体得しようとする修行門である。
この門の法を修めることにより、人は人の構造を超越し、
人でいながら人の存在を超えてしまう。”
以上、簡単ながら、『人間存在の原理と方法』の概略を終えます。
開祖は、この時点で、
われわれ修行者の育成をイメージされていたのでした。
ここまでの修行の目次を頭に入れることで、
これからの具体的な修行の進行が定まるのです。