「国産ワクチンをめぐっては、国内の複数の企業が競い合っている状況です。実用化がいつになりそうかというと、『第一三共』は来年中に、『塩野義製薬』は来年3月までに、『KMバイオロジクス』は来年度中の実用化を目指しているということです」 ( by.10/18 news zero)
塩野義製薬は昨年12月に小規模な治験に着手し、今年7月下旬には、「臨床試験と並行して、今年末までに3000万人以上の生産体制を整備する」という計画を発表した。ちなみに同社は、厚生労働省から生産体制の整備について、223億円の補助を受けている。
塩野義製薬の他に、第一三共(mRNA型、厚生労働省から約60億円補助)や、KMバイオロジクス(不活化型、約61億円補助)などが、年内に最終段階の治験を始める構えを見せている。今頃になって開発のペースが上がっているのは、今年6月、政府がワクチンの研究開発や生産体制の強化に関する国家戦略を策定したことが関係している。
塩野義製薬の他に、第一三共(mRNA型、厚生労働省から約60億円補助)や、KMバイオロジクス(不活化型、約61億円補助)などが、年内に最終段階の治験を始める構えを見せている。今頃になって開発のペースが上がっているのは、今年6月、政府がワクチンの研究開発や生産体制の強化に関する国家戦略を策定したことが関係している。
世界でいち早くワクチン候補をつくり出すことに成功し、昨年6月に国産ワクチンとしては初めて、30人を対象とした臨床試験を開始していた。だが医薬品医療機器総合機構が、「効果などを評価するためには数万人規模の治験が必要」との方針を堅持したため、「小規模の治験の結果で条件付早期承認を得て、今年夏頃までにワクチンを実用化する」という戦略は破綻した。アンジェスも厚生労働省から約94億円の補助を得ているが、実用化の目途は立っていないと。
承認の条件は緩和されたものの、海外製ワクチンの有効性の高さが次の壁となって立ちはだかっている。アンジェスが開発しているワクチンの有効性は73%にとどまっており、90%以上の有効性を誇るファイザー製などと比較すれば見劣りする。このため、アンジェスはファイザー製等と同程度の効果を得ようと、8月中旬から高用量製剤を用いた初期の治験を始めたと。
塩野義製薬についても、同様の問題がある。開発中のワクチン接種による中和抗体価が十分に上がらなかったことから、ワクチン製剤を変えて初期の治験を実施することになった。完成の時期が遅れることは間違いない。