舞姫

ひぐらし日記

WHO推奨のコロナ治療薬 価格はジェネリック薬なら400分の1に

2022-01-27 | 日記
 国境なき医師団(MSF)は、この薬の普及が特許の独占によって妨げられないよう各国政府に早急の対策を求める。

ジェネリック薬で価格はおよそ400分の1に
 WHOがこれまでに推奨した新型コロナ治療薬のなかで、トシリズマブ(※1)とサリルマブ(※2)は多くの低・中所得国で供給不足が続いている。バリシチニブは似た効果を持ち、入院患者にとって代替薬となりうる。

※1トシリズマブ(アクテムラ)IL-6(インターロイキン-6)阻害薬で抗炎症薬。
※2 サリルマブはインターロイキン6(IL-6)の活性を抑制するモノクローナル抗体で、薬価が高額にとどまっている。

 バリシチニブは、インドやバングラデシュではジェネリック薬(後発薬)が出回り、特許をもつ米製薬イーライリリーが設定している価格よりもはるかに安く手に入る。インドのメーカーが製造したバリシチニブは治療1回(※)あたり5.50米ドル(約629円)で、バングラデシュでの最安価格は6.70米ドル(約767円)。これは、イーライリリーが7月に提示した2326米ドル(約26万6187円)という法外な価格の約400分の1にあたる。
※新型コロナ患者への推奨用量は、4㎎を1日1回、14日間投与。

 多くの国では、バリシチニブが特許で独占状態にあるため、ジェネリック薬の入手を期待できない。イーライリリーは、コロナの感染拡大が深刻なブラジル、ロシア、南アフリカ、インドネシアといった国々を含む多くの地域で特許を申請または取得している。特許が与えられれば、独占は2029年まで有効で、特許期間の延長によりさらに長引く可能性もある。

 バリシチニブは、「知的所有権の貿易関連の側面に関する協定 (TRIPS協定)」の義務免除が急務であることをまた新たに示している。世界貿易機関(WTO)加盟国が、特許権を含む知的財産権の保護義務を一時的に免除されれば、新型コロナの医療ツールの生産拡大と普及を妨げる法的な壁を包括的に取り除くことができる。これは、ジェネリック医薬品の製造・供給を阻止しようとする特許や出願中の特許も対象となる。


新型コロナの治療に「抗生剤」をもっと活用してはどうか(2)

2022-01-27 | 日記
 竹森氏によれば、クラリスロマイシンをはじめとするマクロライド系抗生剤には、新型コロナウイルスに対しても以下のような作用が期待できるという。以下、引用文

①新型コロナウイルスが増殖するためには、感染した細胞の中で、自身の遺伝情報を持つタンパク質を合成する必要がある。遺伝情報の読み取りは細胞内にある“翻訳装置”のリボソームによって行われるが、クラリスロマイシンはそのリボソームに作用して、ウイルスの増殖を阻害する。

②新型コロナ肺炎の重症化を促進させるIL-6やTNF-αなどの炎症性サイトカインの放出を抑制し、過剰な免疫反応で生じるサイトカインストームを防ぐ。

③免疫反応などの生体防御機構において重要な役割を持つ肥満細胞は、体内に侵入した抗原に応答して脱顆粒を起こし、サイトカインやプロテアーゼといった炎症に関与する生理活性物質を放出する。新型コロナウイルス感染症で生じる肺の線維化はそれらの結果により起こるが、クラリスロマイシンは肥満細胞の脱顆粒を抑制する作用があるため、肺の線維化を抑制する。

④ウイルス感染を防御する抗体の機能を持つ免疫グロブリンのひとつIgAの産生を促し、ウイルスを無力化して感染を防ぐ。

⑤クラリスロマイシンは弱アルカリ性で、ウイルスに感染した細胞の中にあるトランスゴルジ網(タンパク質を加工して細胞外に排出する役割を持つ)内のpHを弱アルカリ性に変化させ、ウイルスの成熟を抑制する。

⑥ウイルスがヒトの細胞で複製される際、ウイルス側のプロテアーゼというタンパク分解酵素を利用している。クラリスロマイシンはウイルスのプロテアーゼの活性部位に結合し、プロテアーゼの活性を阻害してウイルスの増殖を防ぐ。