MAICOの 「 あ ら か る と 」

写真と文で綴る森羅万象と「逍遥の記(只管不歩)」など。

塩屋蜻蛉、燕小灰蝶、褄黄蝶、長実雛罌粟など

2015年04月16日 | あらかると

八重咲きの普賢像、一葉、関山、山桜系の霞桜などが、
近隣で満開になりつつある。
ということで、
朝から、団地内公園→公園墓地→国分川→国分川近隣などを回り、
大町公園を一周してきた。
秋冬や夏は2時間程度のコースであるが、
春は花や昆虫など撮るものが多く、6時間掛けて回って来た。

大町公園ではこの春初めて「塩屋蜻蛉(シオヤトンボ)」に出会った。
何度も出会うので、塩屋蜻蛉の話から。
下の写真は塩屋蜻蛉の雌で、雄には出会わなかった。


シオカラトンボに良く似ているが、翅の付け根が褐色で、
翅の先端には黄色の模様があり、シオカラトンボよりも1cm程小さい。


成虫で飛んでいるのは4~7月までで、活動期間が短い。
大町公園でも8月には見られ無くなります。
日本にしか居ないトンボで、学名は「 Orthetrum japonicum japonicum 」


今日は「褄黄蝶(ツマキチョウ)」が多く飛んでおり、
飛んでいた白蝶の半数はツマキチョウで、園内のあちこちで見られた。


公園の外では菜の花で吸蜜していた「燕小灰蝶(ツバメシジミ)」に出会っている。
これからの季節は、花も多く昆虫達の繁殖期でもあることから、
いろいろな種に出会うことだろう。


長実雛罌粟(ナガミヒナゲシ)もあちこちで開花していた。
私が子供の頃は日本には無かった種で、
1961年世田谷区で発見され、
その後沖縄と青森を除く全国(2007年調査)で野生化しているが、
環境に応じて咲くので、
下の写真のようにオオイヌノフグリよりも小さく咲いていることがある。


巻頭の長実雛罌粟の花は背丈が30cm程だったが、
花の中心に肉眼では確認できないほどの虫のようなものがついており、
1cmマクロ(CANON A650)で撮り確認すると、
花の苞葉(蕾を包んでいる葉)のようなものだった。

あちこちを回って約300コマを撮影。
昼飯は野弁でスーパーで買った「冷やし温玉うどんセット(下の写真)」。
饂飩は伸びて居て美味しくは無かったが、
寿司サンドの卵焼&サーモン、ネギトロ(各2個入り)が美味しかった。
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「光る若葉」と「春雷」と「澄んだ夜空の星とスカイツリー」

2015年04月15日 | あらかると

13、14日と雨が続き3日ぶりの晴れとなった。
芽生えてきた木々の黄緑が朝日に輝いていた(巻頭の写真・5時55分撮影)が、
やはり桜の時期や新緑の時期には朝日と青空が良く似合う。

朝から快晴に恵まれたものの、南風がやや強く、
天気予報も午後からは寒気の影響で突風や雷雨があるという。
風が強く、荒れ模様の天気が予報されているなかを、
カメラを持って外出するのは危険が伴うので、
結局は3日目のインドアな時を過ごすことになった。

風に流れる雲や新緑が面白く、
時折ベランダに出て観天望気しつつの撮影をしていたが、
今日ほどめまぐるしく変わった天気も珍しい。

「10時23分撮影」
地上は南風が強かったものの、
上空の雲は綿雲のごとくゆっくりと流れていた。


「11時20分撮影」
昼食用のおかずなどを調達するため近くのスーパーへ。
北側の空は絹雲が多く、上空も風は強そうである。


「11時28分撮影」
調理場から何気に外を眺めると、天空に虹が掛っていた。
環水平アークのようであるが、太陽の暈の一部のようでも有る。
この頃には上空の雲の流れも速くなり、天空の虹は1分後には消えてしまった。


当地の天気予報では15時には雨の予報となっていたが、
その時間帯は快晴であり、怪しげな雲が広がってきたのは17時過ぎ頃で、
下の写真は「17時14分撮影」のもの。
この後一気に雲が広がってきたのである。


「17時23分撮影」
上記の写真から僅か9分後の空である。


上空が雲で覆われ、17時40分過ぎには新たな雲が湧いてきた。
雲で覆われてしまうと写真的な面白さがなくなり、
風向きも変わりやや冷え込んできたため、
今日の撮影はこれが最後となる予定だった。


ところが18時25分ごろ突然の雷鳴が轟いた。
室内の電気を全て切り、PCも電源を落とし、
LANコードや磁気デスクのコネクターなども取り外して、
ベランダに出てみると驟雨となっていた。
強烈だった雷鳴は2回で終わってしまい、春雷らしい儚さだった。
「18時27分撮影」


約一時間後に外の様子を探ると上空はすでに晴れており、
星も見える程に空気も澄み切っていた。
「19時50分撮影」


一日中霞んでいた「東京スカイツリー」も、
雷雨で空気中の塵がなくなり、真冬のような透明感で輝いていた。
「19時51分撮影」
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ちりざくら

2015年04月14日 | あらかると

桜は咲いているときが華やかで美しいが、
「ちりざくら」も又この時期にだけ見られる「美」であると思う。

巻頭の写真は山桜系の桜なのだが、
様々な資料を紐解いてもなかなか解明が出来ない。
「兼六園熊谷」や「仙台屋」や「大山桜」にも似ているが、
花のつき方が散房花序で、若葉は山桜系の赤茶色である。

下の写真のように雌蕊が突出しているなどの特徴もあるのだが・・・


下は散った花弁の絨毯。花弁の先端よりも中心部の紅色が濃いのも特徴。
黒大蟻が闊歩していたが、花蜜の香りでも残っていたのだろうか?


下記の桜も不思議な桜で、花のつき方が大島桜のように散房花序で、
若葉も青いことから大島桜であろうと思って撮ったのだが、
小花柄には開出毛があり、大島桜ではなかった。
染井吉野かと思えば、染井吉野は散形状の花のつき方なので、
それにも当てはまらないことになるのだが・・・・「薄毛大島」かも?
で・・・・
これ以上探っても迷宮に迷い込むだけなので、
「自然交配で生まれた名の無い桜」ということに結論付けるしかないのである。


この桜の近くには畑があり、「ちりざくら」は畝と畝の窪みを埋めていたが、
ちり桜の一枚が偶然に写真右上に写り込んだ。
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冬から解き放たれたものたちと新生

2015年04月13日 | あらかると

柿本人麻呂の歌に、
「春は萌え夏は緑に 紅の斑に見える秋の山かも」
があるように、古から「春の萌え」は日本人の心を癒してきた。

染井吉野が殆ど散って葉桜となり、
冬の間裸木だった落葉樹が萌え始め、
木々の下草や野原の雑草も伸びはじめてきた。

草木は花を咲かせ、その花には様々な生物たちが集まって来るが、
人の目に優しい萌えは、昆虫達にとっては命を繋ぐ萌えなのである。


巻頭の写真は、ある柿畑の下草を撮ったものだが、
黄色でハート型の花弁が特徴のヘビイチゴの花、
青いオオイヌノフグリの花や白く小さなノミノフスマ、
紫色のカキドオシ、姫踊子草、カラスノエンドウの蔓などが、
まるで植物の多様性を証明するかのようにひしめき合っている。

撮った時は気づかなかったが、
ヘビイチゴの花弁には飛蝗の新生幼虫が止まっていた。


春の草木の花蜜や柔らかな葉や花は虫たちの食料でもある。
オオイヌノフグリの花に乗って採餌しているのは、
体長が1cmにも満たない「モモブトカミキリモドキ」で、
後ろ足が極端に太いことからこの名前がある。


蒲公英には花虻仲間では最も小さい「キタヒメヒラタアブ」が採餌中だった。


山桜の周りには、陽炎のように弱々しく、
後ろ足の異常に長い、黒い昆虫が風に煽られながら飛んでいた。
1時間以上調べたが名前を知るまでには至らなかった。


オオイヌノフグリで吸蜜をしている小さなシジミチョウの仲間「ヤマトシジミ」。


日向で寛ぐ(?)ベニシジミ。


昨日の近隣ポタリングでは、晴れたために様々な昆虫を目撃しているが、
これからは更に様々な虫たちに遭遇することだろう。

現役時代、昆虫などには全く興味がなく、
モンシロチョウの小さな青虫さえ嫌いだったが、
四季折々に野に遊んでいると、
人も虫も「今を生きている」ことに変わりはなく、
時折見せ付けられる動植物の「凄すぎる世界」が面白いと思うようになった。
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ツマキチョウの雌雄とその子

2015年04月12日 | あらかると

やはり盛春は快晴がいい。

朝から晴れ模様だったので近隣をポタリング。
とある中学校校門近くの花壇で「ツマキチョウ」を発見。


最初のうちはなかなか近付いて来なかったが、
流石に2日も雨が降ると蝶も腹が減っているのであろう、
飛び立っても直ぐに戻ってきて吸蜜をしている。

私に警戒しているようだったが、やがて近付いてきて、
何とか撮れる距離の野の花に止まり、花から花へと吸蜜を続けていた。


ナズナの花から、


蒲公英の花へ、


ビオラの花から(保護色になっているので見つけにくいかも)、


三色スミレへと、吸蜜に夢中である。


吸蜜に夢中のときは多少近付いても逃げることはないが、
折角のチャンスなので、望遠+連写(秒12コマ)でやや遠目から狙い、
気がつくと、150コマ近く撮っていた。
以前に、寒桜に飛来する目白を撮っていた人が一日2000コマから2500コマを撮ると言っていたが、
連写撮影ではあり得ることなのだと実感した。

下の写真は雌のツマキチョウで、時々雄に追尾されていたが、
雌は恐らく産卵中だったようで、雄を受け入れることはなかった。


巻頭の写真は蒲公英の蜜を吸っている最中で、
蝶の右後にはヒメオドリコソウ、左下にはオオイヌノフグリが咲いている。
また、
撮っていたときは全く気づかなかったが、
上部中央近くにはツマキチョウの幼虫が写っていた。
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