ハイジな気分( 下)

遊歩道を歩いているうちに少しずつ雲が晴れてきました。
ここに連れてきてくれたＳさんは、せっかくの絶景をIさんと私に見せたいと(・・・思ったかどうかはわかりませんが)、雲よ去れ～と拝んでいるし、Iさんはカメラマンのように高山植物や風景を写真に撮りまくり、私は足取りも軽く散歩気分・・・だったはずなんですけど、どこからこんなことになったのか・・・二人の作戦なのか(←それはナイ)・・・どうもおかしい・・・。
ハアハア息があがってきて、ヨイショっと必死で「登ってる」ような・・・。
遊歩道ってロープウェイの駅からぐるっと一周だったはずなのに、ここどこ？・・・って感じになっていて・・・、いつのまにか登山道に入っていたのでした。
全然気づかないなんて・・・ハイジ気分で浮かれていたせいでしょうか。

子どもみたいに「あと何分～？」と聞いてみたり、「頭痛い・・・軽い高山病かも」と言ってみたり、言葉少なになりながらも、励まされながらアレヨアレヨというまに山の稜線に到着。
2900ｍ位の地点まで一時間弱(もう少し短かったか？)かけて登りきっていました。
宝剣岳や駒ヶ岳の頂上までは体力(いや、気力？)的にも、装備にも無理があるので行きませんでしたが、稜線に辿り着いただけでも私にはスゴイコト。感動的でした。
100ｍ上がると気温は0.6℃下がる(Iさん談)ため更に寒い～！指先の感覚はなくなりました。
ラーメン食べたい！鍋焼きうどん食べたい！・・・と叫びながらも、作ってきたおにぎり・とうもろこし・ゆで卵にパクついたのでした。
考えてみれば、食料も水も二人に持たせてしまっていて、私は荷物も軽々だったのに、息も絶え絶えなんて情けないやら申し訳ないやら・・・。

でもここまで来てよかったなーと心底思いました。二人には感謝してます。(←ホントです)
だって、空はどんどん晴れていって、眺めは最高！空ってこんなに青いの？って思うくらい深い青だし、ここまで来たんだー！っていう何ともいえない達成感を味わうことができたのですからねー・・・。

ま、実は言うほどハードではなかったんですよ。もっと激しい山にも登ってますから・・・。(←登りきったらいきなり強気)
今回はスタートがハイキング気分だったってことと、肩かけバッグ、上着もナシで最初から気合いが入ってなかっただけだと思っています。
だから、次は(←また登る気か？)完全装備で宝剣岳の頂上を目指したいと思います(←下山後はさらに強気)。

日本にいながらアルプスの雰囲気を思う存分味わい、山岳ボランティアの方々に花のことを教えてもらって(花の名前を知ると楽しみも倍増)、山は良いナー・・・と思いました。