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ごろごろり~ん
今日の中部地方は、きのうとは一転して雨が降っています。
最後の水分を振り絞ってるのでしょうね?
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さて猫好きの人って、小さい頃から家で飼っていたりなど
ずっと猫と親しんできた場合が多いのではないでしょうか。
私の場合、うちは父の仕事の関係で転勤が多かったため、
大きなペットは禁止になっていたので猫歴はあまり長くあ
りません。
はじめての猫との出会いは14歳の頃でした。
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忘れもしないもうすぐ中3になる3月の私の誕生日の日、裏
庭で猫の鳴き声が聞こえてきました。
「ねえ、猫がないてない?」
なんだかとても興奮して3つ上の兄と探しに庭に出ました。
インコしか買ったことのなかった私たち兄妹でしたが、な
ぜかふたりとも動物好きだったのです。
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庭に出ると探す間もなく、すぐに塀の上にいる真っ黒の大
きな猫を見つけました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face_sup.gif)
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まん丸の顔をした全身ビロードのように滑らかな黒い毛の
体に、金色の目をキラリと光らせ私たちをじっとみていま
す。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/kirakira.gif)
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(逃げるかな...?)と思いながらその黒猫を抱きかかえよ
うとそっと手を伸ばすと、意外にも素直に私の腕に抱きか
かえられいい子にしているのです。
「かわいい....」
大きさからするともうすっかり大人ですが、毛艶や顔立ち
などから推測すると今のRくらいか、もっと若いくらいだ
ったと思います。ごろごろと私の胸の中で喉をならす黒猫
を、(きっと誕生日プレゼントなんだ)と思ったのでした。
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しかし、その1年後に引っ越しが決まっていたため父も母
も初め、飼うことにいい顔をしませんでした。
「こんなに人に慣れているし、誰かの飼い猫かもしれない
わよ」
確かに今考えてみても、野良猫のはずがない程キレイな毛
艶でおまけにとっても人好きでした。
そこで、帰りたい時に帰れるように、うちでは裏庭に段ボ
ールのベッドを設けて、ゴハンをあげるだけという中途半
端な半共同生活がはじまったのです。
名前は、自然に「クロ」となりました。
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クロはとても貫禄のある猫でした。
近所の猫たちの中でも親分肌のようで、たまにもの凄いけ
たたましい叫び声を上げてケンカをするのですが、いつも
ほとんど無傷。
真っ黒なのですが、脇と、胸毛と、股の部分にだけ白い毛
が生えていてこれまたセクシーな大人の色気を漂わせてい
るのです。
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![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/namida.gif)
よく野良の子猫を連れてきて、自分のベッドで寝かせたり
もしていて、周囲の猫たちからの信頼も厚かったものと思
われます。
家の駐車場に車が戻ると、いつも裏庭からクロはすぐ駆け
つけてきました。
「にゃー(おかえりー)」となきながら走るので声が揺れ
て「ウェオウェオ~」となります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face_nika.gif)
親分のくせに、人には甘えん坊でよく膝の上で寝たり、だ
っこされたまま寝たりもしていました。
また、外の変なものを食べたりもするからか、見た目によ
らずよくゲリをしていました。
その都度母は病院に連れて行ったり、ビオフェルミンを飲ま
せたり、時にはお尻から出てきたうどんのような虫を割り
箸で引っぱってとってやったりしていました。
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![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/namida.gif)
半分しか飼い主じゃない私たち家族も、そんなクロがいじ
らしく、かわいくて仕方なくなっていきました。
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そして1年が経ち、約束どおり引っ越しが近づいてきていま
した。
兄が高3で受験生だったため、父は家族より1年早く引っ越し
先に行き単身赴任をしており、兄が高校を、私が中学を卒業
するのと同時に父のところへ行くことが決まっていたのです。
新しく住む家はマンションで猫は飼えないところでした。
それに、自由猫で親分のクロが遠い他県のマンションの家
猫になれるとは到底思えません。
「連れて行ってみないと分からないよ、いい子にしてるかも
しれないしクロだって私たちと一緒にいたいよ!」私は父と
母になんとか「そうだね」と言ってもらいたくて必死でへ理
屈をこねてお願いしまいしたが、自分でも勿論分かっていた
のです。これは私のワガママで、クロにとってそれは幸せじ
ゃないということは。
特にずっと近くにいた母は実は私以上にクロに愛情を感じて
いたようです。
「もし、最後のお別れの日、クロが私たちの車を追いかけて
きたら...そしたら仕方ないから連れて行くよね?」と往生際
の悪い私が駄目もとで母に尋ねると「...その時は置いていけ
ないわね」と言ったことからも、母のクロへの愛情が伺えま
した。
ついに引っ越しの当日、クロの大好きなかまぼこを用意し、
母と兄と私は裏庭で「クロ~!」と呼びました。
いつも呼ぶとどこからともなくすぐやって来る、本当に賢
い子だったのです。
その時もすぐ私たちのところへやってきて「にゃー!」。
「クロ、今日でお別れなんだよ。元気でいてね」
私はそう言いながらも、本当は別れを決意出来ずにいました。
(きっとクロはお別れしたくない!!って追いかけてくる!!)
そう信じていたのです。
母がかまぼこの包装をとり、板がついたままクロに近づけたそ
の瞬間!!!
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/roket.gif)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/roket.gif)
クロはかまぼこをがぶっとかんで奪い取り、風のようにマッハ
で去って行きました.....。
(ク....クロのばかぁ~~~!!!!)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face_naki.gif)
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それがクロとの最後でした。
もう15年ほど前のことです。
しばらくは車が家の前を通る度に「ウェオウェオ~」となきなが
らクロがやってきていた、とお隣さんだった方から聞きました。
でもそのうち、現れなくなったということです。
外の世界に慣れた賢く慎重なクロですから、交通事故はないと
思います。きっと得意の甘えごろごろ攻撃で、次の人をとりこ
にして、新しいお家の家族になったに違いありません。
私は今もそう信じています。
私が猫好きになったきっかけは、そんなたった1年しか一緒に過
ごせなかったビロードのような真っ黒なクロのおかげなのです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face_yoka.gif)
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