1980年、ぼくが学校を出て働き始めて数年後、その時は富裕層の人々は今から思うと結構大変だったのだと思う。なぜって、そのころの富裕層の方々への税金負担ってもう、とてもとても負担が重くってね、ザックリというと、ぼくの記憶では、1億稼ぐ人なら、6、7割は税金を支払っていたのではないのかなあ。( 何しろごく普通のサラリーマンで、富裕層には一度もなったことがないのでわかりませぬ、あいすみません。)噂ではそんな風でした。富裕層も、それなりに社会に大いに貢献していた時代・・・そのころ超富裕層は長者番付けなるものがマスコミを賑わし、結構それが超富裕層の方々の、いわばステータスになっていたのではないのかなあと・・・
ところがいつの間にか、マスコミの報じる情報に、「長者番付け」という情報がきっぱりと消えて、その頃から、・・・・・富裕層への減税が始まっていたのかなあ???
トリクルダウン、という言葉というのか理論というものが聞こえるようになりました。
いわく、超富裕層はお金を遣う、お金を遣うから世間にお金が廻る、お金が廻るからきっと経済的には好循環となって、貧乏人にもお金が廻ってくるようになる、という理論というか理屈だったかと思います。( もちろん、「貧乏人」などと言う語は出てきませんよ。まあ、一般大衆という風な意味ででしたか、一般大衆にもお金が廻ってくるだろう、という理屈だったかと思います。)
ところがどっこい、全然超富裕層のお金は世間に回ってこないのでは・・・という議論がこの頃、とみに言われているようなんですね。
もちろん当時から、ぼくはそう思っていましたよ。だってそうでしょ?圧倒的大多数の人々は生活にアップアップしながら生きている人々なのですから・・・
それでも多くの貧困層は真面目に税金を払い、真面目に生きてきたのでした。
ところが超富裕層の方々、・・・如何でしょう。
???
課税を逃れるために、あらゆる工夫とテクニックと、それに法的な支援?というたら間違いなんでしょうか、とにかく個人のぼくが思うには、・・・そうとしか思えないのですねえ。
つまり、「トリクルダウン」という理論は、間違っていたのではないか?という事のようなのですね。
外国に企業の籍を移して、(もちろん日本の大衆に買われるような商品やサービスを行っている企業がですよ)・・・当然、経営者として課税の一番安いところに納めたいというのでしょうから、・・・でも、そんな不自然な企業って、如何なものなんでしょう?
トリクルダウン、という理屈がまったく嘘であった、いえ、嘘というのが言いすぎでしたなら謝りますよ、でもトリクルダウンという理論はちっとも効果がなかったというのでしたなら、また1980年代の初めの頃のように、より稼げている企業にはどんどん税金をご負担願う、そのようにこれからはなるのではないのかなあと、つまり、新自由主義もハイご苦労さん、もう駄目ですよ、となることをぼくは望んでいるのかもしれません。
時は流れて、時代も流れて、やがて変わってゆくものなんですよね、きっと。
フォト・文 石郷岡まさお