田川水泡、遠藤周作、森村誠一、赤川次郎、片岡義男、みつはしちかこ、赤瀬川原平が住んだ玉川学園。町田市は遠藤周作の死後に寄贈された蔵書などを収めるためにことばらんどを創設したとか。
2階には生原稿が展示されていた。編集者泣かせの字も多いがそれぞれに味わいのある字だ。正岡子規の字が特に良い。
谷川俊太郎 かなしみ
赤川次郎 展示品
丹羽文雄 親鸞
草野心平 吉野秀雄夫妻のこと
壷井栄 . . . 本文を読む
宮沢賢治は獣や家畜は当然で草木の命さえ食わねば一時も生きていけない人間の業を深く感じていたに違いない。
「わが身を省みると、山猫がハンターに注文し、食べようとしているさまは、私たち人間が、日々、台所のまな板の上で、生き物を料理し、食べている姿と同じです。」これは私自身も若い時に考えた課題で、一時菜食主義になったこともある。しかし生きていくうちにそうしたナイーブさは姿を消した。
「賢治は小説がか . . . 本文を読む
植島 啓司, 伊藤 俊治の共感のレッスン 超情報化社会を生きる。メモ
人間にとって根源的なセラピーは生まれ変わる、生まれなおすという動機づけではないでしょうか。
「ギリシャの夏」ジャック・ラカリエール「何度も生まれなおすことができるものが真の旅人だ」
移動、旅、転生は一体。
アピチャッポン:そうですね。ただ、その時代は調べる取っ掛かりにはなるかもしれませんけど、私自身がアプローチするものは . . . 本文を読む
映画「トリック」を見ていてフーディーニのエピソードが興味深かった。
フーディーニは心霊術を調査する為にアメリカの科学雑誌『サイエンティフィック・アメリカン』が学者らによる調査委員会を発足させたときにも委員として参加し、奇術師としての知識と才能を駆使して、超能力者や心霊能力者のいかさまを見破ることに貢献した。wiki
ここまではよくある話で、日本でもかつて早大の教授がサイキックハンターとして有名 . . . 本文を読む
高級な対談 植島啓司+伊藤俊治『共感のレッスン 超情報化社会を生きる』 養老孟司より
自己はいまでは当然だが、仏教ではよく無我という。確かに私は「ある」が、その中身はなにか。デカルト座標には原点がある。二本の直線がそこで交わる。原点は確かに存在するが、中身はない。点ですからね。私はそれを「空」と呼ぶことにしている。
意識の中の自分も、多分それと似たようなもの。なぜかというと、自己とはナビの矢 . . . 本文を読む
正はわたしの名の一部だがふとした疑問で調べてみると実は他国を攻める意味で上部の一は国の省略形で下部の止は足跡の象形で進むも止まるも両方に使える。この場合は進で他国に進む、つまり侵略の意味であり、中国ではそれが正義だったのだ。
では同じ止を部分に持つ武はどうか。右肩にかかっている部分はいかにも武器の象形であり、内部の止はやはり進の意だと言う。武器を持って進む兵士の姿から来た文字でやはり原義はやはり . . . 本文を読む
かつて三島由紀夫が作家は人の生活を覗き見る下種な仕事だと何かに書いていたことが記憶の片りんに残っている。出典はすっかり忘却している。ただ若い時にこの一節を読み、三島由紀夫らしい一種の皮肉かなとも、おかしなことを言うなとも思い、ずっと記憶のどこかに引っ掛かっていたものと見える。
しかしそこが小説を命がけで書いている作家の言うことだ、そのまま文章通りに読むことは愚かだろう。
つまり人の生活を覗き見 . . . 本文を読む
なかなか寝付けないときは落語を聞いてみるとよい。心地よい眠りに誘ってくれる。桂文枝の落語をyoutubeで聞いていたら大坂レジスタンスという大阪弁をテーマにした出し物があった。面白過ぎて寝付けなかったので逆効果か。
親父の話す「なにぬかしてけつかんねん」や「めっそうもない」を懐かしく思い出しながら聞いた。自身も登場人物の淀川さんのようにかつて職場で資料を収容する意味で「それ なおしといて」と標準 . . . 本文を読む
下記の引用文の「西方の偉大なリアリスト達のうちには、難行苦行の果て死に近づいて、やうやく遥かな東方を望み得た者もあつた」は一人はショーペンハウエルのことだろうか。ささやかな発見としてメモ。
私は東方の古典、とりわけ仏典を、世界最大の文学と信じてゐる。私は経典を宗教的教訓としてでなく、文学的幻想としても尊んでゐる。「東方の歌」と題する作品の構想を、私は十五年も前から心に抱いてゐて、これを白鳥の歌に . . . 本文を読む
「春と修羅 序」は解釈が難解と言われる。
わたくしといふ現象は仮定された有機交流電燈のひとつの青い照明です(あらゆる透明な幽霊の複合体)風景やみんなといっしょにせはしくせはしく明滅しながらいかにもたしかにともりつづける因果交流電燈のひとつの青い照明です(ひかりはたもち その電燈はうしなはれ)
1893年にエジソンが映写機を一般公開しフランスのリュミエール兄弟がシネマトグラフ・リ . . . 本文を読む
小林「岡さん、書いていらしたが、数学者における一という観念……」 岡「一を仮定して、一というものは定義しない。一は何であるかという問題は取り扱わない」 小林「つまり一のなかに含まれているわけですな」岡潔 小林秀雄との対談 昭和40年発刊の『人間の建設』
小林秀雄の「つまり一のなかに含まれているわけですな」は深い。含まれている身は含むものを説明 . . . 本文を読む
ショーペンハウアーの「死」への対処をネット、主としてhttp://dekansho.net/dekanshode/waw.htmから拾ってみた。ブッダの無明と涅槃に完全に通じる素晴らしい洞察の数々をメモしておきたい。
哲学が与える慰めとは、結局次のようなものである。すなわち、精神の世界が存在し、そこで我々は外界のすべての現象から離れて、それらの現象を高いところから大いなる静けさをもって、とらわれ . . . 本文を読む
2019/11/9 2019年6月15日閲覧の新しい事実により追記。
下記の新資料というよりも新閲覧により竜馬暗殺の下手人は今井信郎ということでけりがついたように思う。後は黒幕がだれであるかだが、これは解明されていない。wiki引用で[3]とあるのが2019年6月15日閲覧資料だ。司馬遼太郎説が正しかったことになるのか。
『國士列伝 奥附』「今井信郎」大坪草二郎著、東京市神田区 . . . 本文を読む
ザ・スパイ(netflix)は1960年代のイスラエルとシリア紛争を舞台に活躍するエリ・コーヘンの物語だ。ゴラン高原やガリラヤ湖など聞いたことがある地名と当時の国際情勢が興味深い。リアルなスパイを描いていて参考になり、またハリウッドのスパイものとは一線を画する視点で描いており、作者の目はニュートラルである。
この映画ではモールス通信が前面にでた演出となっている。映画の初めから終わりまでモール . . . 本文を読む
Netflix作品「天才の頭の中 ビルゲイツを解読する」を楽しんでいたら最後にビルゲイツがグレートギャツビーが好きだと述べていた。
フィッツジェラルドのグレート・ギャツビーで「ギャツビーは緑の灯火を信じていた。年を追うごとに我々の前からどんどん遠のいていく陶酔に満ちた未来を。」と緑の灯火を追いかける一人の奇特な男を描く。
作品で最後にビルゲイツはポリオ撲滅を目指したがいまだに達成していない、進 . . . 本文を読む