プリズン・ブレイク シーズン5をみた。シーズン5まで夢中でみて主人公が死んだので完結と思っていたが、なんと兄のリンカーンが棺桶を掘り返して確認してみるとなかは空っぽで、実はイエメンの刑務所に入っているというストーリーになっている。筋や感想を述べるのは他の機会に譲るとして瞳認証システムが重要なアイテムになっている。そしてこの瞳認証システムが驚くべき方法で破られる点が先端技術の紹介にもなっていて面白い。プリズン・ブレイク シーズン5までに非常に重要な設定だったタトーが今度は認証に使われるという点で脚本家のアイデアに感心した。
ざっとバイオメトリクス認証を眺めてみると次の三種類がある。
現在ある認証技術は指紋、虹彩、顔認証が主流で、スマホ決済の重要機能になってくるが完全に安全な手段などそもそも存在しないということをこの映画はサイドテーマとして描いている。
顔認証については写真を使うことで本人偽装が可能で、セキュリティが破られるために対策が求められる。指紋認証は映画では指紋採取シートを使ったものや指を切り落とすという物騒なものまであるが、「本人が寝ている間に指を当てて認証を解除」「指紋を偽装して認証を突破」といった手法を使われると完璧に防御できないようだ。
こうしたバイオメトリクス認証のなかで虹彩認証はそうした欠点がないのかなと漠然と考えていたがそうでもないらしいことをこのTVドラマは教えてくれる。(あるいは映画を面白くするためで、実際にはセキュリティーは7堅固なのかもしれないが)
虹彩認証では瞳の黒目を覆う虹彩しわで判定を行う。「専用のセンサー装置をつける必要がない」「指紋認証よりも偽装が行いにくい」メリットがある。虹彩のしわを読み取るにはカメラの解像度が要求される。
さてプリズン・ブレイク シーズン6では出だしから度々主人公マイケルの両掌に目玉がタトウされている映像が意味深に映し出される。もともとマイケルは全身のタトウに刑務所の地図を彫り込んでいるので、あれ、今度は掌にもタトーかと思う、舞台がイエメンだから邪視よけのまじないタトーかなあるいは米国ドルに描かれる目玉と関係するのかと見ている。すると最後のクライマックスでマイケルが息子を救い出すために、息子を閉じ込めた男の虹彩でしか入れない頑丈にロックされた部屋にはいるために両掌をセキュリティーカメラに向ける。なんと両掌を合わせると息子を閉じ込めた男の両目がタトーとして現れる。