バリアンの作る惚れ薬 ランギス・コレ Rungis colekを少しお勉強してみたい。
バリ島には相手の腕に塗れば自分を恋してくれるという不思議なジャムー(薬草)やオイルがあるということを以前から聞いていた。バリやジャワのバリアン(霊能者兼薬草専門家)が作る。効能が切れる前に再度塗らねばならないのが面倒だと言われている。
さてバリのことはバリ人に聞け。友人のバグースに聞いてみた。
「バグース ランギス・コレって知っている?知っていたら教えてほしい」
「体に塗ると健康によいオイルだよ」
「? なんだか誤解してないか 惚れ薬のことだよ」
「わたしの兄弟がランギス・コレを1万円で売っている」
「ランギス・コレってブラックマジックにつかうの?」
「いろいろある。体によいのもあればブラックマジックにつかうのもある」
「ますますわからん。もっとわかりやすく教えてくれないか」
「ブラックマジックにつかう場合を説明しよう。あんたが年寄りで、そのオイルを女性につけたとする。するとその女性はあんたのことを愛するようになり、いつも一緒にいたくなる。そして夜ごと夜ごとあんたを思うようになる」
「ほう!リアルな説明だ、ありがとう」
「よろこんじゃいけないよ マサオ このオイルで破産する男が多いんだ。家庭崩壊してね」
「なんで家庭崩壊して破産までするの」
「ジャワからデンパサールやサヌールのバリ人金持ち男や観光客を捕まえようとやってくる女性がいる。彼女はランギス・コレオイルをつかって男をとりこにしてジャワにつれていく。男はランギス・コレオイルでバリの家庭を忘れてしまう。結果は破産だよ。」
例によってバリ人のジャワ話は相当割り引いて聞く必要がある。バリ人にとって悪いことはすべてジャワのせいにしがちなことはすでに何回も聞いて免疫ができている。
聞いているうちにしょうしょう辟易としてきた。ジャワ人女性の悪口を聞きたかったわけではない。
「わたしのいとこも子供が二人いたんだけどジャワの女性と恋に落ち帰ってこなかった。かれはムスリムに改宗した。よくない!」
なんだか変な方向に行ってしまった。割り引いて聞かなければいけない。しかしランギス・コレの存在と効用?はわかった。