まさおレポート

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映画「ソラリス」を観る

2021-09-05 | 映画 絵画・写真作品含む

ソラリス

「惑星ソラリス」を観たかったのだがネットを探しても見つからなかった。代わりに「ソラリス」を観ることにした。

現在なら惑星ソラリスはブラックホールとして描いたのではないか。ブラックホール理論はここ20年の間に急速に進んだがこの映画が作られた1972年はまだブラックホールは一部学者にしか知られていなかったのでアンドレイ・タルコフスキーは惑星ソラリスにブラックホールという呼称を与えなかったのではないか。そんな推測をした。


ヒッグス粒子は1964年にピーター・ヒッグスが提唱した素粒子で重力の源となる。

映画の中で「ヒッグス重力装置で地球に帰ろう」というセリフを物理学者が吐く。

この映画の原作「惑星ソラリス」は1972年の旧ソ連の映画なので1964年にピーター・ヒッグスが提唱したヒッグス粒子を時系列的には知っている。

このヒッグス粒子は標準理論に近づく偉大な発見でノーベル賞を受賞している。重力を解明することはブラックホール、時間、ワームホールなどを解明することだとするとこの作品は時空をさかのぼることをSFとしてとらえ、物語ることを試みたものだと理解した。


ただし、作者アンドレイ・タルコフスキーはSFを描くことではなく、ヒッグス粒子の解明で可能になると想像する時空の往還を描き、それによって人はどのような葛藤を持つことになるのか、人間の自我とは何かを描きたかった。


そしてこのテーマは巨大であり、自我を亡くした主人公ジョージ・クルーニーが不安と苦悩に終始するという映画になってしまった。

クリスはステーションから脱出せずにソラリスに飲み込まれクリスであってクリスでないものはレイアであってレイアではないものとソラリスで地球の夢を見続ける。


輪廻転生と救済をSFとして描くとあるいはこの映画のようになるのかもしれない。


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