ただ背景として写った人、少し話をした人、いつも話をした人と旅での付き合いは濃淡さまざまだが、印象の濃淡とは別に大いなる縁があってのことだろうと、13年前に撮った写真を見ながら思う。いままで背景として写った人、少し話をした人は掲載対象にしてこなかったが思うところあってこうした人々を眺め返してみたい。3万枚の写真から拾い集めたので旅先はまとまっていない。
ジェラートに関心を示す観光客たちがカフェのなかを覗き込んでいる午後のひととき。
赤い靴に真っ白のパンツ、そして赤いサマーセーターで黒のカバンをショルダーがけした男はこれからフニクリ・フニクラに登る。
若い女性の視点はおそらくレストランに向かっている。
両親に連れられて来たが途中で疲れて休んでいるのか。いやそうではなくなにかを地面にみつけ凝視している坊や。
ウェイターとなにやら楽しそうな私は一体なにを話していたのだろう、全く思い出せない。料理の話ではこんなに笑顔をみせない、ウェイターがなにか気の利いたジョークを言ったのだろうか。ウェイターの手の形が電話のようにも見える。
i am fortunatoと書かれた黄色のTシャツを着た高校生の笑顔。fortunatoはこの子の名前かな。
高校生の集団の横に真っ黒に日焼けした中年のイタリア人。
建物と道幅がアンバランスだがこれがイタリアらしさを感じさせる。