まさおレポート

ぼてじゅ ぼてっと鉄板においてじゅうと焼く

呉の中通りに「大阪風お好み焼き ぼてじゅ」と大きな看板が掛かっている。ここ呉は広島焼きの本場と言っていいのだがなぜかこの中通りにある店は大阪風と名乗り気になる店です。

私は大阪出身で連れ合いはこの呉の出、お好み焼きではいつもどちらが旨いのかで争いになり決着がつきません。一昨日はこの店に私と連れ合い、そのご両親と四人でやってきました。

「いらっしゃい」と白髪の見事な主人がテーブルにやってきた。かなりのお年と見受けられる。ひょっとして80歳くらいかな。四人とも「デラックスそば」を注文して、焼けるまで男どもは枝豆と生ビール、女性はラムネとウーロン茶を注文して待つことにした。大阪風は自分で焼くので私が経験が豊富ということになっている。全員の分まで面倒見るかと思っていると、空いているすぐ隣の席で主人が焼き始めた。そうかやはり広島、大阪風といえども手が空いているときは焼いてくれるようだ。

「この店はぼてじゅうのチェーンてんですか」と尋ねると
「あっちはぼてじゅう、うちは ぼてじゅ」と返された。
「ぼてじゅ とつけたのはうちが日本で初めてです。ぼてじゅはフランス語からとったのかとか言われますけど、ぼてっと鉄板においてじゅうと焼くからぼてじゅですは」と説明してくれる。だれもフランス語からきたと思う人はいないと思うのだが、この老主人がやや冗談ぽく、笑みを浮かべながら言うとおかしくてたまらない。全員腹を抱えて大笑いになってしまいました。

メニューをみるとゴールド五千円というのがある。えび、牛、豚、等々が入るのだがなんとゴールドも材料に入るとある。いったい何なのだ、ゴールドがお好み焼きに入るなんて」と一同の関心が集中したので、
「ご主人、このゴールドはよく出ますか」と尋ねてみた。
「38年のあいだ一回もでません」とにたりとほほえむ。そのとぼけた回答のおかしいことといったらこのうえない。ふたたび大爆笑となって腹が痛い。

「ソースはおたふくソースですか」と好奇心のでた私は次なる質問をしてみた。
「いえ、うちのは自家製です。あっちが教えてくれと研究にきましたは。」とこの道40年の貫禄をさりげなく示しながら主人は答える。手は的確に動き、大阪風お好みを仕上げている。
「このマヨネーズも自家製で、私が朝の7時から一人で作ります」

秘伝なので誰にも教えられないらしい。この呉には秘伝が多い。仮住まいのすぐ近くに「モリス」というラーメン屋がある。いつ行っても満員に近い。ここのは鶏ガラベースの透明スープで汁が最後まで飲める。周りの客もほとんどが最後まで汁を呑んでいる。大変気に入っているのだが、やはり主人が店員が帰った後に一人で仕込むのだそうな。つぎつぎとチェーン店化していく店が多い中で、こうした昔風の作り方で店数を増やしもせず、若いときから同じ味を守り、おそらく体が動かなくなるまで味を守り続けて一生を終わるのでしょうね。

東京ではなかなか味わえない練達の調理人による贅沢な味の恩恵に浴しています。

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