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俳句と短歌の安保法制

2015-08-07 09:07:07 | 歌う

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 8月6日朝日朝刊に金子兜太と佐佐木幸綱が笑顔で語り合っている。まるで居酒屋での二人のように見えるがお話は深刻である。朝日俳壇・歌壇へ安保法制がらみの作品の投稿が続々、自然を詠むことの多い俳句でも、社会詠が急に増えている。金子兜太は 「この夏が正念場だ、という思いが投句者にもある。兜太は意識して選んでいるそうである。

     ◉ 憲法が散華してをる揚花火  馬目 空

     ◉ 積極的従属主義や夏の陣   大井みるく

 投稿者たちは今の時代を危険だと感じ 「こらいかん」という思いをそのままぶつけている
佐佐木幸綱氏 「やむにやまれず詠む気持ち。それを歌が発散している。作者の真剣な表情を見ているような気がすると、次の3首をとりあげている。

     ◉ 憲法が守りてくれし我が人生 銃撃たざりき撃たれざりけり  松下三千男

     ◉ 「戦争に巻き込まれることあり得ない」こと起きるのが戦争なんだ  西野防人

     ◉ 戦争になぜ反対をしなかったそう賢しげに我ら言ったはず  春原正彦

 兜太は俳句は社会詠に消極的だったが、阪神淡路大震災、東日本大震災後から変わった。幸綱は投稿者の中には優れた感性を持った人がいる。次は発見のある歌である、と。

  ✿ 兵隊に取られたといひ誰ひとり取ったといはわぬ戦後なりにき  櫻田稔  

 直接的な言葉は使わなくても視野が広がる歌であると兜太は次の句を挙げている。

  ✿ 七十億の二人」と思ふ夜長かな  千葉 新一

 地球に70億人がいる中で夫婦が夜長に話しながら過ごしている。物騒な世の中になってきているから、こんな句は新鮮。幸綱はこの句は平和をうたっている。今のように「影」が濃い状態で読むと、よけいに「光」が映えますね。

     光には影が、強い光には濃い影が、猛暑の昼は日陰に救われるけれど、、。   

                           8月7日   松井多絵子