日毎の糧

聖書全巻を朝ごとに1章づつ通読し、学び、黙想しそこから与えられた霊想録である。

人間に従うよりも、神に従わなくてはなりません

2015-09-26 | Weblog
  使徒言行録5章 

  29節「ペトロとほかの使徒たちは答えた。『人間に従うよりも、神に従わなくてはなりません』」(新共同訳)

  1節「ところが、アナニアという男は、妻のサフィラと相談して土地を売り」小見出し『アナニアとサフィラ』。これは4章終わりにあるバルナバの真似をしたものと思われる。二人はその代金の中からごまかして一部を持って来て使徒たちの足もとに置いた(2節・4章35節see)。ペトロはアナニアの心にサタンが働き、聖霊を欺いて何故代金をごまかしたのか。人を欺いたのでなく、神を欺いたのだとたたみ掛けるように牽制した。代金を彼がどう欺いたのか、前例のバルナバと違い一部を持って来て全部と偽ったと思われる(3~4節)。献金は献身の証しで多少を問わない。
  5節「この言葉を聞くと、アナニアは倒れて息が絶えた。そのことを耳にした人々は皆、非常に恐れた」。三時間後、アナニアの妻サフィラが夫の死を知らずにペトロに会った。彼は土地の値段を問い質すと、そうですと答えると、「二人で示し合わせて主の霊を試すとは何としたことか」と告げ彼女も倒れ、息が絶えた(6~10節)。ここで問われるのは、教会全体が聖霊の働きにより、心も思いも一つになることである(11節、2章44、4章32節see)。
 12節「使徒たちの手によって、多くのしるしと不思議な業とが民衆の間で行われた。一同は心を一つにしてソロモンの回廊に集まっていたが」小見出し『使徒たち、多くに奇跡を行う』。あえて仲間に加わろうとしなかったが、称賛していた。しかし主を信じる者の数は益々増えた(13~14節)。またペトロの周囲に病人や汚れた霊に悩まされていた人々が集まり、みな癒してもらった(15~16節)。
  17節「そこで、大祭司とその仲間のサドカイ派の人々は皆立ち上がり、ねたみに燃えて」。使徒たちを捕えて、公に牢に入れた。ところが主の天使が夜中に牢の戸を開けて使徒たちを外に出して(18~19節)、行って神殿の境内に立ち、この命の言葉を残らず民衆に告げなさいと言われた。そこで使徒たちは夜明けごろ境内に入って教え始めた(20~21節)。「命の言葉」とはイエスの復活に関する教えであり、復活を認めないサドカイ派に対する挑戦である。語り始める大胆かつ受難を恐れない態度は、主の天使から解放された時の言葉に応答する誠実さにほかならない。大祭司たちやサドカイ派の仲間らは最高法院での審問を開始するため、早速イスラエルの子らの全長老会全体を召集し、人を牢に差し向けるが、牢には鍵がかかっていたのに、使徒たちの姿が見えないので周章狼狽する(22~23節)。境内で民に教えているとの報告を受け再逮捕した。使徒たちは無抵抗であった。
  27節「彼らが使徒たちを引いて来て最高法院の中に立たせると、大祭司が尋問した」。あの名によって教えてはならないと、厳しく命じた筈だ。「あの男の血を流した責任」を我々に負わせようとしている(28節)。これはイエスの十字架を指す。これに使徒たちは「人間に従うよりも、神に従わなくてはなりません」と答えた(29節)。そして「わたし達の先祖の神は、あなたがたが木につけて殺したイエスを復活させられた」と告げた(30節)。「わたし達」、「あなた方」との弁明には法廷の議員を巻き込んだ内容である。裁く側も神の法廷に引き出されている。これを聞いた者たちは激しく怒り使徒たちを殺そうと考えた(33節)。その時ファリサイ派で律法の教師ガマリエルが議場に立ち、使徒たちを外に出すよう命じた(34節)
  38節「そこで今、申し上げたい。あの者たちから手を引きなさい。ほうっておくがよい。あの計画や行動が人間から出たものなら、自滅するだろうし」。神から出たものであれば滅ぼすことは出来ず、神に逆らう者となると忠告した(39節)。使徒たちはイエスの名の為に辱めほどの者とされたことを喜んだ(41節)。