オミクロンはすでに日本上陸どころか、全国各地で市中感染を引き起こしており、予想され懸念されていた第6波はすでに発生しております。唐突に「海外からの航空機からの渡航者は入れない」、という岸田総理の発表は、第5波が沈静化して、新規感染者が激減して気が緩んだ日本人にとっては十分インパクトがありました。今度の総理は違うぞ、と思わせただけでも効果的でした。
が、すぐさま海外からの帰国者はどうするのから腰砕けになり、帰国者は自宅で自主待機というなんとも中途半端で緩やかな対策となりました。ほどなくしてアフリカ人の機内での濃厚接触者から多くの陽性者が出てきましたが、あくまで自主的に家に居ろというレベルですから、あっという間に感染者が広まりました。ただでさえ非常に感染力が強い、症状が軽い変異株なので見落としやすいのです。若い人は多少風邪っぽい症状ならおかまいなしに外出し多くの人と接触、知らないままに人にうつし、うつされた方もどこで貰ったかわからないという状況になりました。PCR検査を受けない人も多いようです。
徹底した水際作戦を行います、という総理の声明は「菜っ葉の肥やし」=かけごえばかり。更に、沖縄の米軍基地ではすでにパンデミックとなっているようです。米軍の軍属である日本人は自由に基地から出入りします。米兵だって外で飲み食いするのを我慢できるはずもなく、東京並みに感染者が増加しています。
しかし三浦瑠璃さんや一部のマスコミは、どうってことはない、せっかく経済が回り出したのに徒に規制してどうすんの?と言う論調も多かったのです。オミクロン株は恐るるにたらず、風邪のようなものだというのですが、果たしてそうだろうか、と危惧するのです。その理由は、①重症化率が低いのはワクチンの効果が残っていていくらか悪化を食い止めているに過ぎない、②若い人が年末年始に活動し健康な人が感染しているケースが多く死亡に至らないだけ、③軽症と言えど39度前後の熱が1週間近く続くので高齢者や病気持ちには致命的なダメージがある、④更にその変異株(パイπ株)が出現する可能性が高い、などがあります。
オミクロン株についてはまだわからないことがたくさんあります。はっきりしているのは、爆発的な感染力の為に世界的には過去最大の感染者増を引き起こし、あの中国ですら抑えきれないでいるということ、重症化率が低くても感染者総数が多ければ、実際の重症者は大きく増える、ということです。
政府も、早くも対策の見直しを計り、濃厚接触者・感染者でも隔離・入院しなくていいです、と方向転換しました。もはや感染拡大は避けれれないことを察知して、病院は死にそうな患者だけなんとか治療できるような体制を保とうというわけです。医療逼迫・崩壊を回避するためには感染拡大は目をつぶる、自宅で高熱に浮かされようが家族に移そうがどうぞ好きにして、という姿勢なのです。
国産ワクチン開発はどうしたの?日本の薬剤メーカーは馬鹿なの? コロナの飲み薬はどうなった? ワクチンのブースター接種のチケットはいつ届くの? いくつもの❓がついているのに、誰も明確な答えを持っていません。
さらにGotoトラベルをいつやろうかと狙っている節すらあります。国民全体が恐れ、健康被害のリスクにさらされていても、旅行業界を支援するのです。60連泊などというありえない(架空)の宿泊があったと大量に申請して数億円せしめたHISなどはどうなったんでしょうか。「あんな制度を悪用する業界はケシカラン、救済するに能わず」となんで言わないのでしょうか。ざる法を作った経産省の官僚を叱り飛ばして、二度と補助金の詐取が起きないよう喝をいれるのが政治家(政府与党)の責務であろう、と思います。
ワタシは、今月は高校生仲間との川奈ホテルでの宿泊・新春ゴルフ、飲み会を予定し寄席のチケットも買いました。来月には伊豆の旅行、3月には倅の結婚式も決まっています。これらに参加する決行するというのは「自己責任」になるのだろうか、自粛すべきなのだろうか、ワタシ達は何のために税金を払っているのだろう、これだけ情報と経験・知恵が溢れかえる時代に、無力で愚かしい日本がコロナに白旗あげて降伏しているように思えます。こんなことなら、まだ「赤旗」の方がましかもしれません。