植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、メダカと野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

これだから石印材集めはやめられない

2023年08月29日 | 篆刻
断捨離せねばと言いつつも、何故か毎日ヤフオクの石印材をチェックし、毎日数点入札しております。それが、落札にたどり着くのはせいぜい1割いくかどうか。良さそうな石を見つけると「ウオッチ」をつけ、最終日にその趨勢を見つつ適宜札を入れますが、夕方にはそこで半数以上は最高額が数万円に達していて、入札する前に諦めるというパターンが多いのです。

稀に入札がほとんどなく、これはもしかして、と自分がなんとか支払える程度(自分の値踏みの金額)を入れて、「あなたが最高入札額です」となることもありますが、だいたいにしてそれをきっかけに、時を置かずばたばたと札が入り、あっという間にワタシの入札額の倍くらいになってしまいます。そうなると、太刀打ちできません。複数のバイヤーやら専門の蒐集家が争うので、最終的には一桁違ってくることもざらであります。

先日は「丁斎」の側款入りの小さな田黄石を見つけました。日本の篆刻をする人は知らぬ人はいない「梅舒適 (バイジョテキ)」先生の雅号です。 20g足らずの亜透明な黄金色の自然石でした。薄意が施され、実際に美しい朱文の彫が入っていたのです。これは、質の高い田黄石に梅先生が彫った本物の可能性が高いと見ました。そこで思い切って上限25千円くらいの札をいれて、最高値になりました。

そこで、ワタシは結果を追いかけず、寝ることにしています。もし、自分の入札額を上回った金額が入れば、どうしても欲しい価値が高い希少品と思えばエスカレートしてもっと高い金額を指すことになります。3万円が4万円、さらに5万円と上がっていくことだってあるのです。だから、自分が入れた金額をうわまわる入札があったら競らないで諦めるとしております。結果として3万円ちょっとで他者に落札されました。あと6,7千円はらえば入手できたのに、と思うのは浅はかで、更に相手が上乗せされた可能性が強いのです。
(でも今はすごく後悔しております。もう少し頑張って起きて、もうちょっと金額を載せたら・・・・と。)

それはともかく、普段数点は大して人気がなさそうなパッとしない石印材で、ウオッチも2,3人という出品物をこまめにチェックし、埋もれたお宝・素人にはちょっと見では気づかないような佳石を狙い、廉価で落札する、これがワタシの愉しみでもねらい目でもあります。

ここ数日で落札して届いた印材であります。

まずは、龍の紐つきの未刻印で、比較的時代が新しい寿山系の石です。通常はあまり様々な色や材質が混在するものは有難がられないのですが、赤紫と黄茶色・白色の素地に一部半透明の部分もありいわゆる「巧色」寿山石で都成坑と見ました。細部まで丁寧に艶やかに磨かれた美しい石でした。印箱の様子からみても、ちゃんとした職人さんの手によって作られ、高級店で販売されて物と思われます。これが4500円はお買い得でしたね。

下の右の二つの石で3500円!!、この二本の石は「蓮の花と葉」の紐が施されている芙蓉石か桃花凍と思われます。一本1万円くらいしてもおかしくない素敵な石で、これは久々の快挙でありました。
下の左の大きめの石は石自体は割合一般的で、透明感が無い寿山石で、模様からして、獅頭石だと思いますが、いくつもの層に合わせて込み入った紐が施され、「周之江作」とありました。周先生は本場中国では大師範とされる有名な書道家さんです。その印には「緑雨」と彫られているのがなんとも素晴らしい篆刻印なのでした。
これです、いいですねー。印の彫が何とも言えない枯れた風情であります。
これがなんと4200円で落札できたのです。


下の半透明の石、左はすでに本ブログで紹介済みですが、右の薄意のある自然石形の印も、なかなか素敵に見えました。田黄石ならば軽く10万円はしそうですが、ややくすんだ黒みがかった色合いが価値を下げているのです。ワタシはこの石を含めて11本の自然石形の未刻印をまとめて5250円で落札しました。他の石はタダ同然、この石の価値だけで落札できたので、これも大変ラッキーだと思いますね。

とまぁ、1,2日に1件程度の落札なので、さほどワタシの財布も痛みません。ささやかな道楽であります。
実は昨夜は2件計4600円で、側款・刻字ありの石を落札しました。これがまた大変期待できる「水晶凍・黄芙蓉石」と思われるような石でありました。

到着が楽しみです。

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