植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

幻の石 艾葉緑を求めて(はならない) その3

2024年01月12日 | 篆刻
数日前に二日連続で掲載した全くマニアックなお題がこれでした
無いものねだりでヤフオクでその名前を見つけると落札するよう頑張ってきた、「艾葉緑」でありますが、専門家すら実物を見たことが無いというレアな石で、紹介される写真も千差万別でありました。
おおよそ類推されるその石の客観的な条件は①月尾石の産出地から採石される ②石塊・山抗ではなく小さい自然石程度の大きさ ③色は艾の葉っぱないしは笹竹の青葉のようだが、白っぽいものもある ④半透明または亜透明でしっとりとしている、といったところでありますが、
翌日のブログで紹介した通り写真数点での共通点は少なく、どれが本物やらさっぱりわからないのであります。

そこでワタシの収蔵物緑系の石70個ばかりの中で、明らかに別物であるのをとりあえず除いてみました。
まずこれらは「西蔵石」
次にこちらが花坑石、いずれも簡単に入手できるものです
次が最も一般的な緑石「広東緑」(右半分)と雅安緑石(左の5個)

お次は半透明で薄意などの飾り彫りが美しいのが「西安緑(凍)石」
こちらの石達は、自然石形でそれなりに珍重されてきたと見え「台座」付きのものも多いのです

この下の写真の石は、下地が牛角凍などやや透明感があるものに「黒い条痕・模様」が入って緑ぽく見えているもので、竹葉の青さはなく、残念ながら艾葉緑とは程遠いというべきでしょう。

そしてヤフオクで「艾葉緑」という触れ込みで出品されていたのは少なくとも下の4つ
また、艾葉緑の別名?月尾緑という表示がなされていた手持ちの石がこれ↓
これらは、乾燥させてお灸するときの「もぐさ」の色と言えるかもしれません。
その感覚で言えばこちらの二つはまさに艾色で大変美しいのであります。

先日入手したヤフオク出品者では最も信頼がおける業者さん「天香楼」から出品されていた艾葉緑を15千円で落札したのがこの石(一番左)

これは、すでに持っている二つの石(右側)とほぼ同質の石でした。角材でこんなに大きなものが幻の石のはずもありません。

そして、結論として最も艾葉緑に近いと思われる石がこれであります。
自然石で、やんわりとした透明感で緑色が深いのです。貴重である石の証左である「薄意」が全面に施され木彫りの台座まで用意されております。これでもう満足すべきだと思います。幻の石はこれ一つで十分。

そろそろヤフオクの石集めも卒業する「潮時」にかかったかと実感している寒い朝であります。
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