当ブログで、先崎・小浜両氏によって取り上げられた菅直人前首相が、選挙区で落選しました。しかし、比例で復活当選を果たしました。首相時代もそうでしたが、「延命」に関してよくよく悪運の強い政治家です。
比例で復活当選し、事務所で記者の質問に応じた菅直人元首相=17日、東京都府中市(荻窪佳撮影)
菅直人氏 比例復活も…選挙区で敗北、陣営沈痛
2012.12.17 03:22 [東京都] msnニュース
「ああああ…」。午後11時55分ごろ、テレビの開票速報で、東京18区の民主党前職で前首相、菅直人氏(66)の選挙区での敗北が伝えられると、東京都府中市の事務所に集まった約10人の支持者から大きなため息が漏れた。腕組みをしたまま険しい表情で開票速報を見つめていた事務所スタッフは、思わず天を仰いだ。
前回衆院選でも自民党の海部俊樹元首相が落選したが、菅氏は前首相だけに重みが違う。民主党政権下の首相として、鳩山由紀夫氏(65)とともに民主党の評判を下げた「張本人」という批判が出ていた菅氏の選挙区での敗北は、民主党惨敗の象徴ともいえる。
(中略)
選挙区敗北の報を受け、報道陣が慌ただしく菅氏の所在を確認する。秘書を通じて「比例の結果が判明するまで事務所には来ないそうです!」と伝えられ、陣営関係者も「全部分かるまで何も言えない」と顔の前で手を横に振った。菅氏は結局、比例での復活を果たした。
民主党への逆風で、10回連続当選し、圧倒的な強さを誇ってきた前首相も大苦戦。これまでの選挙戦では全国各地の応援に飛び回り、地元入りすることは少なかった菅氏だが、今回は、ほとんど選挙区に張り付き、1日に30回以上の演説をして回る「どぶ板」を展開。首相として陣頭指揮した福島第1原発事故の経験を強調し、ビールケースの上にも乗って「原発ゼロ」を訴え続けてきた。
だが事故対応をめぐり、複数の事故調査委員会から「過剰介入」などと批判されたこともあり、聴衆から「責任はどうなんだ」とやじを浴びせられる場面も少なくなかった。
長年のライバル、自民党の土屋正忠氏(70)には前回の衆院選で約7万5千票差の大差をつけたが、今回は及ばなかった。
陣営関係者は「今までで最も厳しい選挙戦だった」と沈痛な表情。選挙戦終盤の13日には、選挙カーの事故で菅氏が頭を負傷するというトラブルもあった。「影響はなかったのだが…」と陣営関係者は肩を落とした。
支持者の女性は「苦戦は想定内だったが、信じられない。有権者に真意がうまく伝わらなかったのだと思う」と力なく話した。
上の記事のなかの次の箇所が、「延命」をめぐる菅前総理のしぶとさをよく表していると思います。
選挙区敗北の報を受け、報道陣が慌ただしく菅氏の所在を確認する。秘書を通じて「比例の結果が判明するまで事務所には来ないそうです!」と伝えられ、陣営関係者も「全部分かるまで何も言えない」と顔の前で手を横に振った。菅氏は結局、比例での復活を果たした。
選挙区敗北の意味は、菅さんの首相としてのキャリアが全否定されたということです。その段階で、彼の政治家としての生命は断たれたと、私は考えます。仮に、私が彼であったとしてもそう考えるでしょう。
しかし、そこを踏ん張って、意味もなく「ねばる」のが菅さんの真骨頂です。そこが菅さんの菅さんたる所以なのです。自己目的的に「しぶとい」のです。「選挙区で落選したとしても比例区があるじゃないか。この際とにかくまずはなんでもいいから当選するのが大事なんだ。代議士であり続けることが大事なんだ。選挙区で当選できなかったのは、選挙民が私の真意を理解できなかっただけで、いずれ分かるときがくる。いや、分かろうが分かるまいが、そんなことは実のところ関係ない。なぜなら、私はどんなときでも『間違っていなかった』からだ。」そうでも思わなければ、「比例の結果が判明するまで事務所には来ない」などという意思決定はできないでしょう。選挙区で敗北しても「比例区があるさ」と首を長くして待っている元首相の姿は、みっともないという言葉では足りません。マトモじゃない、と思います。
前首相としてのなけなしプライドがあるのなら、選挙区での敗北が判明し次第さっさと姿を現して、「オレは政治家を辞める。比例区の当選?後進に譲るさ」とうそぶくのが筋であると私は考えます。まあ、しかし、それができるくらいなら、菅さんは菅さんじゃない、ですね。
〔続報 その1〕msnニュース
「前首相、選挙区で落選確実」というテレビ速報から、約3時間後の17日午前3時ごろ、東京18区の菅直人氏の「比例で復活当選」の速報がテレビで流れると、東京都府中市の事務所では、約10人の支持者から静かな拍手が起こり、安堵の空気が広がった。
間もなく姿を見せた菅氏は、支持者に拍手で迎えられ、笑顔を見せたものの、選挙区での11回連続当選を阻まれただけに「今回の選挙戦を支えてくださった皆さんに、心からお礼申し上げます」と切り出した支持者へのあいさつでは終始、表情をこわばらせ、言葉にも力がなかった。
「残念ながら選挙区では勝ち上がることができなかったが、比例の最後の最後で議席をいただいたのは、全国の『原発ゼロをぜひ実現してくれ』と言う皆さんのある意味では執念」と、強調した。
前回衆院選では自民党だった首相経験者の海部俊樹氏が落選したが、菅氏は前首相だけに重みが違う。民主党政権下の首相として、鳩山由紀夫氏とともに民主党の評判を下げた「張本人」という批判が出ていた菅氏の選挙区での敗北は、民主党惨敗の象徴ともいえる。菅氏は眉間にしわを寄せた厳しい表情で「私にいろいろな点で不十分さがあったからだと思う」と述べた。
「比例の最後の最後で議席をいただいたのは、全国の『原発ゼロをぜひ実現してくれ』と言う皆さんのある意味では執念」。うん、さすがは菅さん。自分で自分をフォローする達人です。このセリフを吐くとき、彼は密かに思っていますよ、「オレは絶対に間違っていない」って。「眉間にしわを寄せた厳しい表情」。ああ、懐かしいなぁ。久々の「イラ菅」パーフォーマンスです。自分を否定する物言いにじかに接したときにせり上がってくる不快感をじっとこらえるあの表情です。気分は、悲劇のヒーロー。気難しい菅さんの取り巻きって、仏さまのような方々なのでしょうかね。
〔続報 その2〕msnニュース
民主党で「脱原発」路線を主導した菅直人前首相が「当選」を決めたのは、開票開始から7時間余りも経過した17日午前3時すぎ。選挙区で自民元職に破れ、比例代表東京ブロックの民主党枠の最終議席にようやく滑り込んだ。菅氏は都内の選挙事務所で「全国の『原発をゼロに』と考える皆さんの執念で議席を与えてもらった。大変重い1議席だ。福島第1原発事故を経験した首相として、語り部になる」と語った。
最後のセリフが聞き捨てにできません。「福島第1原発事故を経験した首相として、語り部になる」とは、何の言い草でしょうか。次に掲げるのは、阿比留瑠衣氏のブログからの孫引きです。
《菅さんは、ある時点から、反原発、脱原発に立場を変えた方が、政治家として支持が得られると考え始め、路線を変えたのではないでしょうか。もともと、確固たる信念のない政治家なのかもしれません。
市民活動家として政治の道を歩み始めましたが、自民党から政権を奪取し、権力を手中に収めた後は、消費税引き上げを主張しています。原発についても、首相に就任直後の二◯一◯年六月に閣議決定した「エネルギー基本計画」で、二◯三◯年までに14基を新増設し、発電量の五◯%を原発で賄うという方針を打ち出しました。自民党政権当時は、三◯%から四◯%でした。さらに原発の海外への輸出も、菅政権の成長戦略の一つでした。こう見ていくと、菅政権は震災が起こるまでは、長年与党だった自民党よりも、はるかに原発推進派だったのです。》(P152)
『証言 班目春樹 原子力安全委員会は何を間違えたのか?』よりhttp://abirur.iza.ne.jp/blog/entry/2938427/
この指摘一つで、菅さんの「反原発」がいかに嘘っぱちなものか、はっきりと分かります。彼は首相として、自民党による長年の原発推進を批判できた義理じゃないのです。彼は、自民党以上の「超原発推進派」だったのですから。そのことに対する反省がまったくないまま、原発事故の対応に追われる現場でヒステリックにわめき続けて関係者に散々迷惑をかけた後、いつのまにか「反原発派」に豹変して、元々反原発派であったかのように振舞っているだけなのです。私の目に、菅さんは、ボーダー・パーソナリティと映ります。
以上を踏まえたうえで、もう一度、先の言葉を引用します。
「福島第1原発事故を経験した首相として、語り部になる」
ここには、凶悪犯罪の真犯人が現場に舞い戻り、「よくあんなヒドいことができたものだ」と首を振ることで、あれは自分がやったことじゃないんだと自己暗示をかけようとする心理によく似た胡散臭さがあります。
私見によれば、菅直人は日本憲政史上最低の首相です。
比例で復活当選し、事務所で記者の質問に応じた菅直人元首相=17日、東京都府中市(荻窪佳撮影)
菅直人氏 比例復活も…選挙区で敗北、陣営沈痛
2012.12.17 03:22 [東京都] msnニュース
「ああああ…」。午後11時55分ごろ、テレビの開票速報で、東京18区の民主党前職で前首相、菅直人氏(66)の選挙区での敗北が伝えられると、東京都府中市の事務所に集まった約10人の支持者から大きなため息が漏れた。腕組みをしたまま険しい表情で開票速報を見つめていた事務所スタッフは、思わず天を仰いだ。
前回衆院選でも自民党の海部俊樹元首相が落選したが、菅氏は前首相だけに重みが違う。民主党政権下の首相として、鳩山由紀夫氏(65)とともに民主党の評判を下げた「張本人」という批判が出ていた菅氏の選挙区での敗北は、民主党惨敗の象徴ともいえる。
(中略)
選挙区敗北の報を受け、報道陣が慌ただしく菅氏の所在を確認する。秘書を通じて「比例の結果が判明するまで事務所には来ないそうです!」と伝えられ、陣営関係者も「全部分かるまで何も言えない」と顔の前で手を横に振った。菅氏は結局、比例での復活を果たした。
民主党への逆風で、10回連続当選し、圧倒的な強さを誇ってきた前首相も大苦戦。これまでの選挙戦では全国各地の応援に飛び回り、地元入りすることは少なかった菅氏だが、今回は、ほとんど選挙区に張り付き、1日に30回以上の演説をして回る「どぶ板」を展開。首相として陣頭指揮した福島第1原発事故の経験を強調し、ビールケースの上にも乗って「原発ゼロ」を訴え続けてきた。
だが事故対応をめぐり、複数の事故調査委員会から「過剰介入」などと批判されたこともあり、聴衆から「責任はどうなんだ」とやじを浴びせられる場面も少なくなかった。
長年のライバル、自民党の土屋正忠氏(70)には前回の衆院選で約7万5千票差の大差をつけたが、今回は及ばなかった。
陣営関係者は「今までで最も厳しい選挙戦だった」と沈痛な表情。選挙戦終盤の13日には、選挙カーの事故で菅氏が頭を負傷するというトラブルもあった。「影響はなかったのだが…」と陣営関係者は肩を落とした。
支持者の女性は「苦戦は想定内だったが、信じられない。有権者に真意がうまく伝わらなかったのだと思う」と力なく話した。
上の記事のなかの次の箇所が、「延命」をめぐる菅前総理のしぶとさをよく表していると思います。
選挙区敗北の報を受け、報道陣が慌ただしく菅氏の所在を確認する。秘書を通じて「比例の結果が判明するまで事務所には来ないそうです!」と伝えられ、陣営関係者も「全部分かるまで何も言えない」と顔の前で手を横に振った。菅氏は結局、比例での復活を果たした。
選挙区敗北の意味は、菅さんの首相としてのキャリアが全否定されたということです。その段階で、彼の政治家としての生命は断たれたと、私は考えます。仮に、私が彼であったとしてもそう考えるでしょう。
しかし、そこを踏ん張って、意味もなく「ねばる」のが菅さんの真骨頂です。そこが菅さんの菅さんたる所以なのです。自己目的的に「しぶとい」のです。「選挙区で落選したとしても比例区があるじゃないか。この際とにかくまずはなんでもいいから当選するのが大事なんだ。代議士であり続けることが大事なんだ。選挙区で当選できなかったのは、選挙民が私の真意を理解できなかっただけで、いずれ分かるときがくる。いや、分かろうが分かるまいが、そんなことは実のところ関係ない。なぜなら、私はどんなときでも『間違っていなかった』からだ。」そうでも思わなければ、「比例の結果が判明するまで事務所には来ない」などという意思決定はできないでしょう。選挙区で敗北しても「比例区があるさ」と首を長くして待っている元首相の姿は、みっともないという言葉では足りません。マトモじゃない、と思います。
前首相としてのなけなしプライドがあるのなら、選挙区での敗北が判明し次第さっさと姿を現して、「オレは政治家を辞める。比例区の当選?後進に譲るさ」とうそぶくのが筋であると私は考えます。まあ、しかし、それができるくらいなら、菅さんは菅さんじゃない、ですね。
〔続報 その1〕msnニュース
「前首相、選挙区で落選確実」というテレビ速報から、約3時間後の17日午前3時ごろ、東京18区の菅直人氏の「比例で復活当選」の速報がテレビで流れると、東京都府中市の事務所では、約10人の支持者から静かな拍手が起こり、安堵の空気が広がった。
間もなく姿を見せた菅氏は、支持者に拍手で迎えられ、笑顔を見せたものの、選挙区での11回連続当選を阻まれただけに「今回の選挙戦を支えてくださった皆さんに、心からお礼申し上げます」と切り出した支持者へのあいさつでは終始、表情をこわばらせ、言葉にも力がなかった。
「残念ながら選挙区では勝ち上がることができなかったが、比例の最後の最後で議席をいただいたのは、全国の『原発ゼロをぜひ実現してくれ』と言う皆さんのある意味では執念」と、強調した。
前回衆院選では自民党だった首相経験者の海部俊樹氏が落選したが、菅氏は前首相だけに重みが違う。民主党政権下の首相として、鳩山由紀夫氏とともに民主党の評判を下げた「張本人」という批判が出ていた菅氏の選挙区での敗北は、民主党惨敗の象徴ともいえる。菅氏は眉間にしわを寄せた厳しい表情で「私にいろいろな点で不十分さがあったからだと思う」と述べた。
「比例の最後の最後で議席をいただいたのは、全国の『原発ゼロをぜひ実現してくれ』と言う皆さんのある意味では執念」。うん、さすがは菅さん。自分で自分をフォローする達人です。このセリフを吐くとき、彼は密かに思っていますよ、「オレは絶対に間違っていない」って。「眉間にしわを寄せた厳しい表情」。ああ、懐かしいなぁ。久々の「イラ菅」パーフォーマンスです。自分を否定する物言いにじかに接したときにせり上がってくる不快感をじっとこらえるあの表情です。気分は、悲劇のヒーロー。気難しい菅さんの取り巻きって、仏さまのような方々なのでしょうかね。
〔続報 その2〕msnニュース
民主党で「脱原発」路線を主導した菅直人前首相が「当選」を決めたのは、開票開始から7時間余りも経過した17日午前3時すぎ。選挙区で自民元職に破れ、比例代表東京ブロックの民主党枠の最終議席にようやく滑り込んだ。菅氏は都内の選挙事務所で「全国の『原発をゼロに』と考える皆さんの執念で議席を与えてもらった。大変重い1議席だ。福島第1原発事故を経験した首相として、語り部になる」と語った。
最後のセリフが聞き捨てにできません。「福島第1原発事故を経験した首相として、語り部になる」とは、何の言い草でしょうか。次に掲げるのは、阿比留瑠衣氏のブログからの孫引きです。
《菅さんは、ある時点から、反原発、脱原発に立場を変えた方が、政治家として支持が得られると考え始め、路線を変えたのではないでしょうか。もともと、確固たる信念のない政治家なのかもしれません。
市民活動家として政治の道を歩み始めましたが、自民党から政権を奪取し、権力を手中に収めた後は、消費税引き上げを主張しています。原発についても、首相に就任直後の二◯一◯年六月に閣議決定した「エネルギー基本計画」で、二◯三◯年までに14基を新増設し、発電量の五◯%を原発で賄うという方針を打ち出しました。自民党政権当時は、三◯%から四◯%でした。さらに原発の海外への輸出も、菅政権の成長戦略の一つでした。こう見ていくと、菅政権は震災が起こるまでは、長年与党だった自民党よりも、はるかに原発推進派だったのです。》(P152)
『証言 班目春樹 原子力安全委員会は何を間違えたのか?』よりhttp://abirur.iza.ne.jp/blog/entry/2938427/
この指摘一つで、菅さんの「反原発」がいかに嘘っぱちなものか、はっきりと分かります。彼は首相として、自民党による長年の原発推進を批判できた義理じゃないのです。彼は、自民党以上の「超原発推進派」だったのですから。そのことに対する反省がまったくないまま、原発事故の対応に追われる現場でヒステリックにわめき続けて関係者に散々迷惑をかけた後、いつのまにか「反原発派」に豹変して、元々反原発派であったかのように振舞っているだけなのです。私の目に、菅さんは、ボーダー・パーソナリティと映ります。
以上を踏まえたうえで、もう一度、先の言葉を引用します。
「福島第1原発事故を経験した首相として、語り部になる」
ここには、凶悪犯罪の真犯人が現場に舞い戻り、「よくあんなヒドいことができたものだ」と首を振ることで、あれは自分がやったことじゃないんだと自己暗示をかけようとする心理によく似た胡散臭さがあります。
私見によれば、菅直人は日本憲政史上最低の首相です。
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