私達家族は富山市郊外で生活をしていた。その富山市内は終戦直前の
8月2日の夜、大空襲に襲われた。
私達は富山市近くの小杉町にいた。夜半、凄まじい閃光とB29のもの凄い爆撃の音で
近くで攻撃が始っていることを知り、消灯下で恐怖に身を縮めていた。
富山市内では夜中の爆撃を知り、取り急ぎ家族で郊外等へ避難し始めた人が多かったようだ。
その最中、目の前で自分の肉親が爆撃弾を受けて亡くなるという悲惨な状況だったと
当時の体験者の著書「8月2日天まで焼けた」は語っている。
私は後、つい最近まで、この爆撃の恐怖の夢を見て目を覚まし夢だと知り
ホッとすることがある。そして、8月15日のことはしっかり覚えている。
祖母や叔母たちが慌しそうにしていて、いつもと違った家の中の雰囲気で、
母、叔母達、従兄妹達大勢、祖母宅に住んでいる親戚全員が
「天皇陛下のお言葉」が始まるからと
ラジオのある大部屋に集められて「玉音放送」を聞いたのだった。
そして、なんとなく戦争が終わると云う事を悟った。
(日本政府の降伏文書への署名は9月2日。)