自民党は保守、立憲民主党はリベラルという位置づけになっている。
ただこの定義には問題がある。
保守とは、伝統を尊重しつつ、問題があればそれをその都度、手直ししていく。
リベラルは、個人の自由や権利、多様性や寛容を尊重する立場だ。
一人の人間の中で、おおむね両方を包摂している場合が多いので、対立軸にするには無理がある。(政党でも同じこと)
ただリベラル派が陥りやすい傾向として「潔癖主義」がある。
原理原則にこだわって、そこから少し外れると批判する。
維新は保守とみられているが究極のリベラル派(リバタリアン)かもしれない。
野党がまとまりにくいのはこの傾向が強く出るからだ。
立憲民主党が、政権交代を目指すのであれば、
「小異を捨てて大同につく」懐の深さが求められる。
代表候補の野田佳彦が主張するのはこの点だ。
まとまって戦えば勝てるのに、バラバラで戦おうとする。
強国になった秦に対抗するためには、趙・楚・魏・斉・韓・燕の6か国がまとまらなければ勝てないのと同じこと。
今の野党の中には「鶏口となるも牛後となるなかれ」を好む党もある。
なにかとまとまることに難癖をつけたがる。
或いは与党入りを目指すところもある。
さすがに自民党の裏金問題噴出で諦めたようだが。
自民党は切れかかった賞味期限を何とか延ばそうとしている。
懸命にレッテルを貼り変えて刷新感を出そうとしているが、果たしてどうか。
再生するためには裏金議員を一掃する覚悟が必要だ。
果たして今の総裁候補にその覚悟のある候補者がいるだろうか?