「温故知新」という言葉がある。
ふるきを温めて新しきを知る、という意味だ。
平成もそうだったが令和の世も何となく閉塞感に満ち溢れている。
流れている雲の隙間から青い空が見えているのだが突き破れない。
明治の時代までさかのぼって明治人の気概を学んでみたいと思う。
丸屋武士著「嘉納治五郎と安部磯雄」によれば、
「他者(外国人等)が自分たちより優れていることを認めたがらない内向きでひ弱な精神構造」を克服するには、嘉納治五郎、安部磯雄のように、「常に世界に目を向け、世界に心を開いていく」態度が不可欠であり、「世界に心を開く」ためには、「虚心坦懐」に諸外国との交流を深めることが求められよう。
明治の時代には「武士道精神」が残っていた。
その根底にあるのは「選ばれたものとしての矜持」である。
今の時代、武士に匹敵するのは政治家だと思うが、裏金つくりや不倫をしても恬として恥じない輩が多すぎる。
「日本海海戦」明治38年(1905年)で勝利した東郷平八郎が、「連合艦隊」の戦時編成を解いた時の「連合艦隊解散の辞」が素晴らしい。起草したのは秋山真之(作戦主任参謀)と言われている。
現代語訳を一部抜粋した。
神は平素ひたすら鍛錬に努め、戦う前に既に戦勝を約束された者に勝利の栄冠を授けると同時に、一勝に満足し太平に安閑としている者からは、ただちにその栄冠を取り上げてしまうであろう。
昔のことわざにも教えている「勝って兜のを締めよ」と。