「選択的夫婦別姓制度」が与野党間でまとまり通常国会で可決寸前まで行ったのだが、自民党保守派の反対で見送られた。
反対する理由というのが、
「日本の伝統や家族の絆が失われる」ということらしい。
しかし夫婦同姓が法的に定められたのは、明治の初期。
それまでは庶民の大部分は名前だけで生活していた。
「××村の○○」といった感じだ。
「○○の女房の△△」で話は通じた。
95%の庶民はそんな暮らしをしていた。
たかだか150年程度の歴史を以て「日本の伝統」などと言ってもらっては困るのだ。
「男女平等ランキング」と「経済的な国際競争力ランキング」には強い相関関係があるという。
能力にふさわしい社会的地位を女性に与えない社会は、人的資源の有効利用に失敗している。
ひいては社会全体の経済的競争力が低下する。
上記二つのランキングのこのところの迷走ぶり(逆走と言ってもよい)は甚だしい。
男女平等ランキングーー2019年は121位(中国106位、韓国108位より低いのだ)
経済的な国際競争力ランキングーー2019年は30位(ちなみに2009年は17位だった)
中国や韓国叩きに精を出す前に「まず足元を固めよ!」、と言いたい。
「夫婦同姓を断じて守る」などということを、今でも声高に論じているのは日本だけだ。
自民党の女性議員にもこんな考えの人がいるというから驚きだ。
このままでは本当に日本は「ガラパゴス」になってしまう。
こんなことでまごまごしていたらそれこそ「国民総背番号制度」で無機質な数字の羅列で判別されるだろう。
今回ワクチン接種を受けたのだが、接種券に「券番号」というのがある。
時代はそろりとそちらの方向に動き始めているようだ。