新自由主義に舵を切った小泉・竹中政権以降、非正規雇用の拡大により労働者の分断が顕著になった。
本来であれば連合は、「非正規雇用の拡大」などには猛烈に反対しなければならない。
ところが労使協調路線を是とする連合はこれを黙認し、日本が誇る分厚い中間層はまさに見るも無残な状態だ。
「労使協調路線」はあながち悪いことではない。
しかし労働組合のあるべき原点ーー労働者の生活を守るーーを忘れて御用組合化することは弊害の方が大きい。
大手企業の組合幹部は概して「ヒラメ族」が多い。
表では「組合員のため」と言いながら、裏でちゃっかり経営陣と握っている。
自分の昇進のためのステップに過ぎないのだ。
◉日本の場合正規雇用者は十分保護されている。問題は非正規雇用者への支援が放置されている。
連合はこの問題に腹を据えて取り組んできただろうか?
この問題については一番力を入れている共産党などとも連携ができたはずなのに、未だに犬猿の仲である。
このような不作為が「この国のかたち」を悪い方に推し進めたといえる。
◉連合のなかでも防衛産業や電力産業(原子力絡み)の組合は「トロイの木馬」ではなかろうか?
この勢力は労組であっても経済界とはほとんど同じ利害を有する。
だから表向きは労働者側に立っているように見えるが本音では経営側だ。
選挙では票の見返りに、小姑のようになんだかんだと野党側に圧力をかけるのだ。
◉連合は政治(支持政党)に口を出し過ぎる。
経団連は自民党を支持しているが、表面的にはドライな関係で表立って口出ししない。
裏ではかなり個別の要求はしているのだろうが。
政権交代のリスクを考えればベタベタした関係はとりえないだ。
一方連合はなにかと支持政党に口を出す。
相手を親身に考えて口を出すウエットな関係かと言えばそうでもない。
「トロイの木馬」になっている関係を疑わざるを得ないのではないか?