「その身正しければ令せずして行われる」 論語・子路
為政者がその身を正しく品行が良ければ、命令しなくとも、国は立派に治まるということ。
支持率よりも不支持率のほうが高いということは、国民は菅首相を信頼していない。
コロナ対策などで失政を重ねた上に、長男絡みの「コネ・賄賂」問題が浮上した。
もはやどう取り繕っても支持率の回復は望めまい。
昨日の菅首相の「ぶら下がり会見」は、一種異様な雰囲気。
本来であれば「6府県の緊急事態解除」という前向きな発表だから、正式に記者会見をすればよかった。
ところが次のような理由で「ぶら下がり会見」で済まそうとした。
◉早すぎる解除に専門家より批判の声が上がっていた。
◉総務省接待疑惑の渦中にある司会役の山田広報官を隠したかった。
誰がこんな設定を考えたのか不明だが、捌き役がいないから、菅首相は若手記者からの矢のような質問にたじたじ。
日ごろ山田広報官から発言を指名されない記者たちが、ここぞとばかりの発言。
菅首相は段々いら立ちを深めて、最後は切れたような状態で会見を終えた。
何とも後味の悪い会見であった。
結局下手な小細工は、菅政権の傷口をさらに開き、火に油を注いだ形になった。
正直に立ち向かうことにより道は開ける。
「大巧は拙なるが如し」 老子
自然の道理にかなった真の巧みさは小細工を弄さないので、俗人には稚拙に見えるものだ。
そこから真に賢い人は、自分の才知をひけらかさないので、表面上は愚かに見えることに例える。