この数日、北海道は春到来を思わせるような陽気だ。
でもあたりを見回しても春らしいものは何もない。
森進一の「襟裳岬」が、つい口から出てくる。
北の街ではもう 悲しみを暖炉で
燃やし始めてるらしい
わけのわからないことで
悩んでいるうち 老いぼれてしまうから
拾い集めて 温めあおう
襟裳の春は 何もない春です
白樺
白樺が新葉をつける頃が待ち遠しい。
「襟裳岬」の作詞者は岡本おさみ。
作詞の経過を次のように述べている。
「あまりの寒さに近くの民家を訪ねたところ、老夫婦が快く迎え入れてくれて、
”何もないんですが”お茶でもいかがですか”と温かいお茶を飲ませてくれたんです。
冷えきった身体に流し込んだお茶は飛び切り美味かった。
”何もないんですが---”という温かくて素朴な人情に”これだ”と閃いたんです」
この歌を作曲したのは吉田拓郎、歌ったのは森進一。
1974年(昭和49年)に発売されたが、当時二人ともいわれのないスキャンダルの渦中にあった。
そんな時に、「何もない」ということが、”いかに大切なことだろうか”ということを悟ったのではなかろうか。
累計で100万枚のレコード売り上げを記録した。