「新型コロナ」対応で安倍政権が迷走している。
はっきり言えば「頭が真っ白状態」だ。
2月13日に神奈川在住の80代女性が死亡した事実に衝撃を受けたのだろう。
さらには北海道、東京、神奈川、和歌山、沖縄などで感染者が確認された。
この事実は中国滞在歴には関係なく、日本国内で二次、三次の感染が始まっていることを示している。
太平洋戦争中、ガダルカナルで日本軍とたたかった歴史家のロバート・レッキーは、
「日本兵は世界一強かった。われわれが勝利することができたのは、幸運だっただけだーー日本の戦争指導者は、世界一愚かだった。われわれが勝つことができたのは、当然だった」
今回の「新型コロナ」対応作戦において、安倍政権は我が国の優秀な官僚や民間の医療機関を使いこなせず、「戦力の逐次投入」という太平洋戦争で失敗した愚を再度演じようとしている。
第一の問題点は、中途半端な水際作戦をとったことだ。
中国全土から春節の休暇で日本全国に観光客が来ている。
武漢市がある湖北省からの入国を制限しても防ぎきれないことは当然の事だ。
対応が甘かった。
第二の問題点は、厚労省に「新型コロナ」対策の全権を与えていないことだ。
厚労省だけに任せられないということであれば、関係する外務省(中国やアメリカとの交渉)や総務省(自治体との連携)とコーワークするチームを作るべきだ。
検査体制と感染を疑われる患者の隔離体制が全くの泥縄だ。
3000人くらいの検査もできずにおたおたしていることが信じられない。
第三の問題点は、安倍晋三の頭の中は「桜を見る会」の追求から逃れることばかり。
しかも誰が見ても嘘とわかる理屈だ。真実をまともに見ないトップリーダーの下では、すべての組織が隠ぺいを図ろうとする。国民のほうを向いた真摯な対応をしなくなる。
トップリーダーの姿勢がこのような事態を招いていると言っても過言でない。
今のような状態を放置して唯々諾々と安倍晋三に従っている自民党という政党に明日はない。
なぜ自民党の中から「これは国難だ」という強い危機感が出てこないのか。
今の自民党の議員は世襲の2世・3世議員か偏差値エリートが多い。器用に泳ぐだけなのだろう。
要するに「武士の気概」が欠落している。
感染者の情報は出来る限りオープンにすべきだ。不必要な隠ぺいはしないほうが良い。
国民は賢明に行動するだろう。
その上で総力を挙げた対応が望まれるのだ。