田中龍作というフリーのジャーナリストがいる。
ウクライナの首都キエフにとどまり、身の危険を冒しながら連日キエフの状況を発信している。
3月8日、「写真が証明する~まだ首都は落ちていない」(田中龍作ジャーナル)
一部抜粋すると、
「タワマンはじめ高層ビルは、全く無傷だ。中・低層の建物も同様である。キエフ中心部の郊外は、目で見る限り爆撃に遭っていないようだ。
ロシア軍の無差別爆撃に晒されているのは、20~30㎞先とみられる。
郊外というより近郊である。
高台から見る限り、ドニエプル河に架かる橋はいずれも落とされていない。
めっきり少なくなった車は、心持ち早いスピードで橋を渡りきっていた。
橋から大統領府などのある国家中枢まで車で5~6分の近さだ。
ロシア軍が迫って来れば、ウクライナ軍は橋を落とすだろう。
この時、初めてキエフはロシア軍に包囲されたことになる。
戦争の第2幕が上がる」
何とも臨場感のある、それでいて的確な状況把握である。
私はここに「ジャーナリストとしての魂」を見出した。
ニューヨーク・タイムズの東京支局長だったマーティン・ファクラーが新人記者のころ、先輩が教えてくれた言葉を今も大事にしているという。
Agood journalist needs a sense of moral outrage
良いジャーナリストには正義感(悪に対する人間的な怒り)が必要だ