日本全国の警察官の人数は約26万人だ。
なかには不祥事を起こす警官も出てくるだろう。
そういう事態を想定してどの組織も内部に監察する部隊を持っている。
問題は現場サイドでその不祥事を隠蔽しようとしたことだ。
今回の鹿児島県警の不祥事は次だ。
盗撮した警官を「泳がせる」と逮捕せずに見逃した。
この指示は野川本部長が出したのだが隠蔽が狙いだったのか。
それを許せないと感じたのか、県警の上層部(本田前生活安全部長)が外部のメディアに流した。
(少しやり方に問題があるが)
ここまでならあり得る話だ。
問題は鹿児島県警が内部通報者の割り出しにニュースサイトを運営する会社社長宅を家宅捜査したことだ。
しかもこの捜査は別事件で捜査に入っていて、本命の本田生活安全部長の通報内容を押収したのだ。
そして本田部長を逮捕したという。
このやり方は極めて危うい。
中国でなら良くある話だと思うが、早稲田大学の沢康臣教授は、
「情報源割り出しのためとも受け取れる。市民に情報を伝えるパイプを破壊する行為で、民主主義を枯れさせかねない」
立教大学の砂川浩慶教授も、
「主権者である市民に対し、情報を届けるのがメディアの役割だ。報道機関への強制捜査はあり得ない。県警は禁を破った自覚があるのか」
野川本部長は県警のトップだが、予想通り東大卒のキャリア官僚だ。
数年間傷を負わずに地方で過ごして上ばかり向いているヒラメ官僚なのであろう。
徹底した解明がなされるべきであろう。
このまま放置することは警察組織による言論弾圧になりかねない。