世界経済の不安定化、所得や富の格差、地球環境破壊などの弊害が顕著になり、このまま進めば人間社会そのものが崩壊する。
トランプ大統領の出現はこの崩壊の過程を早める動きになるだろう。
アメリカ経済は順調のように思われているが、極めて危うい状況にあると認識しておいた方が良い。
2018年の経常収支は4885億ドル(約54兆円)の赤字となり、1兆ドル規模の財政赤字とともに「双子の赤字」が再燃するのだ。
「アメリカファースト」と称して世界中を相手に貿易戦争を仕掛けているが、一向に貿易赤字は減らない。
財政赤字の方は、法人や個人に対して大盤振る舞いの減税をする一方で国防費を前年比7兆円も増やしている。
FRB(米連邦準備理事会)はこのような状況で本来ならば利上げに動きたいのだが、トランプは解任をほのめかしてFRBのパウエル議長に利下げの圧力をかけている。
喜んでいるのはウォール街で、株価が過去最高になったという。
しかしまさにこれぞ「砂上の楼閣」、薪の上にガソリンをばら蒔いてトランプゲームにいそしんでいる図式だ。
日本は今立ち止まれば、日本の社会が大事に育ててきた「社会的価値」を維持することが出来るだろう。
「アメリカ後追い型」で「弱者切り捨て型」のアベノミクスなどは、早く潰すことが必要だ。
北海道・東北を中心にスーパーマーケットなどを展開する流通グループがある。
アークスという会社で社長は84歳の横山清氏だ。7月14日北海道新聞 「志を一つに大きな夢を」
「株式会社と協同組合を足して二で割るような経営がいいと思っています。近年、生産性が重要視されていますが、そればかりに目線が行ってしまうと、一番大事な顧客、あるいは人間に対する基本的な考えが損なわれてしまう。小売業だけのことではありませんが、最終的にはお客様が第一。そのためには従業員との関係が大切です。グループの仲間入りした会社で労働組合がないところには、組合を作ってもらうようにしています。経営側が縦糸なら、労組やそれに準じる組織は横糸。織りなす「あや」が経営を向上させていくのではないでしょうか」
この考え方の中に、「日本型資本主義」の神髄が現れている。
株主第一で勝者総取りのアメリカ型資本主義とは大きな違いがある。
経済学者の宇沢弘文氏は「経済学は人びとを幸福にできるか」という命題に取り組んでいたが、目指す方向は似ている気がするのだ。
宇沢は市場原理主義を旨とする主流派経済学に敗れたが、再び脚光を浴びる日が来るような気がするのだ。
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