行雲流水の如くに

プーチンが失敗した「統帥権の独立」と言う誤解

統帥権とは国家の軍隊に対する指揮・命令の権力を言う。

日本の自衛隊の場合には、自衛隊法により内閣を代表する内閣総理大臣に与えられている。

しかし政治家は軍事のプロではないので、用兵とか作戦には通常口を出さない。

しからば政治と作戦・用兵は全く独立していれば良いかと言うとそんなことはない。

お互い他方への介入を避けながらも、尊重し合って戦争目的達成のために協力することが必要だ

 

自らを皇帝と自認するプーチンは、作戦・用兵(素人にもかかわらず)に、介入するという初歩的な間違いを起こした。

東部戦線(ドネツク方面)において絶望的な状況にある部隊に撤退ではなく「死守」を命令した。

その結果ウクライナ軍の作戦の罠にはまり(逃走経路を一部開放しておく)、その地域に殺到し殲滅されたのだ。

今回ヘルソンから比較的整斉と撤退したのはその反省があったからだろう。

それにしてもプーチンの威信が大きく傷ついたことは間違いない。

 

日本においては政治と軍隊の関係が比較的うまくいったのは、日清・日露戦争の時くらいまでだろうか。

この辺りまでは幕末の武士たちが生き残っていたので「阿吽の呼吸」で対応した。

一方、昭和年代の政治家も軍人も「統帥権」とは何ぞやと言うことを真剣に考えていない。

天皇陛下に丸投げであろう。

ましてやマスコミ界も国民も同様である。

軍備や戦争能力の客観的評価など二の次で、「神風が起こる」などとうそぶくのか関の山。

なんたる無責任!

今の日本も似たような状況ではなかろうかと大いに心配である。

 

ロシアにおいても戦前の日本で起きたような事態が発生していた。

兵隊の士気が低い分、もっと悲惨かもしれない。

ロシアは内部から崩れていくような気がする。


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