いま私たちが持っているよきものを保持していこうというのが「保守主義」だ。
ところが2010年あたりからアメリカで「逆進的右派」(Regressive Right)が勃興してきた。
「今持っているよきもの」の保持では飽き足らず1920年代に戻そうという動きだ。
「社会ダ―ウイン主義」(強い者が生き残るという適者生存主義)の復活である。
この流れの中で出てきたのが前トランプ大統領だ。
バイデンがかろうじてこの流れを押しとどめた。
「逆進主義者」の反対は「進歩主義者」だが、彼らは開放性や機会の平等、寛容性を信じる。
アメリカの民主主義はしぶとく生き延びたと言えよう。
翻って日本をながめてみると、我が国の民主主義は今や風前のともしび。
保守政党と言われた自民党は、新宗教勢力の統一教会、創価学会さらには日本会議などと癒着してしまった。
そして保守政党が持っていた「倫理観」を喪失し、目的のためには手段を選ばず「票とカネ」の政党に成り下がった。
これだけ堕落した自民党に対抗する野党勢力がしっかり育ってこなければ、日本はじりじりと衰退の道を進むだろう。
野党のリーダーに求められているのは「幅広い勢力と手を握れる懐の深さ」