2011年3月11日発生した東京電力福島原発事故の際の首相は、菅直人である。(民主党政権)
菅直人についてはいろいろ批判されている部分もあるが、評価すべきところもあると考える。
評価したい点は、「東電撤退」を阻止したことだ。
3月15日午前3時ころ東電・清水社長から「現場職員を福島第2原発」に退避できないか、という連絡があった。
菅直人は午前5時半東電本店に乗り込み、
「撤退したら東電は100%つぶれる」「逃げてみたって逃げ切れないぞ」などと怒鳴ったという。
この時の菅直人の心情を推察すれば、
福島第1原発がコントロールできない状態になれば、その被害は関東一円に及ぶ。
そんなことは到底できない。ここはなんとしても死守しなければならない、という使命感が言わせた言葉だ。
当然、彼らと「生死を共にする」覚悟を持っていただろう。
一方翻って菅義偉首相を評価するならば、
新型コロナを抑え込んで「国民の暮らしと命」を守るよりは、自分がこだわる政策に固執する姿だ。
このまま手をこまぬいて佇んでいると「医療崩壊」が現実のものになる。
菅政権と自民党・公明党・維新はウイルス戦の最中に敵前逃亡したということになる。
あまりマスコミにも乗らなかったが、菅元首相は「脱原発勇敢賞」をドイツのヘッセン州ナツサウ・プロテスタント教会から贈られている。
授賞の理由を「日本で分散型の代替エネルギー普及に尽力している人々の代表として、首相の時に脱原発を決断したこと」としている。
平日道を踏まざる人は事に臨て狼狽し、処分のできぬもの也。 西郷南洲