日本はまだGDP(国内総生産)ではアメリカ、中国に次いで3位を維持しているが、足元は何とも心もとない。
1990年代初期のバブル破裂、そして少し立ち直りかけたところへ2008年のリーマンショックで、日本のリーダーたちはすっかりシュリンクしてしまった。
経済界ではリーダーたちの多くが「岸田タイプ」そして政界では「世襲型」になってしまったからだ。
岸田タイプというのは今回の総裁選以降の岸田文雄の行動パターンに良く表れている。
人の話はよく聞く(概して上司の)、形勢を見て分が悪くなるとすぐ主張を変える(長いものに巻かれる)などだ。
本来は会長など不必要だと思うが、社長退任後会長に居座り後任の社長に何でも言うことを聞く人間を配置する。
今の自民党は会長に安倍晋三が居座り、一応社長に岸田文雄を据えたが、お目付け役に甘利明と高市早苗を配置。
いま日本では「悪い円安」が進行しているが、政府はもとより日銀も手をこまねいている。
異次元の金融緩和などと称して「アベノミクス」をなんの反省もなく続けている日本への警告なのだ。
アメリカやヨーロッパでは消費者物価が折からの原油高もあって上昇している。
だから金融緩和の出口を模索している。
一方の日本は「バラマキ政策」しか念頭にない。
金融政策をどうするかという議論が吹っ飛んでいる。
円安は「国民生活の安定」という面から見たらよくないのだ。
安部・菅政権は企業を甘やかしすぎた。力のあるものに対してはそれなりの責任を求めるべきだ。
法人税を引き下げ種々の補助金で票を買う。それでは日本は強くならない。
内田樹は次のように言う、
日本人は「追いつく」ために欠点を発見し、修正するというときには結構知恵が出るんです。でもちょっと落ち目になってきて、「負け幅を減らす」とか「被害を最小化」するというような局面になると、もう全く知恵が出ない。
日本はもう一度謙虚になって、身の回りの問題点を総点検すべきだ。
反省無き処に前進なし。