行雲流水の如くに

「日本型組織」の強みを捨てた菅政権の惨状

山本七平によると、

民族の存亡というか、どれだけの持続力を持っているかというのは、自己の伝統的発想、およびその文化様式の上に、自己の組織というものを自ら築いている場合は非常に基礎がしっかりしていますから、潰れそうに見えて潰れません。

日本の社会構造および体制の歴史とは何であるかと言いますと、武家制度という答えを出していいのでは、と思うのであります。

 

そしてこの武家制度のいちばんの原則は「話し合い」だという。

戦国武将は、織田信長でも徳川家康でも、絶対に意見は初めに言わない。誰かに言わせる。いろんな人間に言わせる。

そして最終的にまとまった意見をとる。

 

戦後日本は、目覚ましい発展を遂げたのだが、その原動力になったのが「日本株式会社」スタイルである。

要するに「うちの会社」という一種の擬制化された家族関係と、下から上への「稟議書」方式。

ところが平成の初期にバブルが破裂するとともに、「日本株式会社」スタイルの反省が起き、急速な「アメリカ化」が起きた。

①株主第一主義②上級社員とその他大勢(派遣社員の拡大)③社外役員制の導入(グローバル化にのめり込む)

 

新自由主義的なアメリカ型資本主義のくびきから抜け出せない安倍・菅政権

安倍・菅政権が権威主義的方向に舵を切った最悪の選択ーー「官邸主導」

人事権を握って恣意的に官僚を支配する。

その結果委縮した官僚たちは、日光の猿軍団になってしまった。

「見ざる、言わざる、聞かざる」

安倍・菅政権のもう一つのおかしな選択ーー「特命担当大臣」

西村康稔(経済再生・コロナ担当)、河野太郎(行政改革・ワクチン担当)、平井卓也(デジタル担当)

このようなやり方は、会社経営で言えば秘書室や企画担当部門に前線の指揮をさせることになる。

指揮命令系統混乱でうまくいくわけがない。ラインとスタッフの意味が理解できていないのだろう。

 

伝統的なわれわれが持っている秩序という意識(下から積み上げる話し合い文化)を捨てて、アメリカから持ってきた組織論を振り回しても上手くいかない

看脚下(かんきゃっか)

足もとをみよ


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