植田日銀総裁は、現状の大規模な金融緩和を続けると決めた。
今の物価高は秋口には収束するという見方のようで、
「しばらく様子見する」ようだ。
市場は見透かしたように円安、ドル高・ユーロー高で反応した。
しかし、どうだろう。この物価高は簡単に収束しない気がする。
4月の消費者物価指数は2020年を100とした場合、105.1で、対前年比では3.5%の上昇だ。
今後も食品を中心に値上げが続く。現状、肌感覚では10~20%位上がっている気がする。
さらに、恒常的に賃上げを進めるためには中小企業や零細企業まで値上げを認めて行かざるを得ない。
エネルギー価格はやや収束の兆しがあるが、日銀が動かないために円安が進みつつある。
いまや日本は貿易赤字国に転落しているので国民生活にとって円安は良くない。
7月に長期金利引き上げのタイミングを逃せば、9月以降解散総選挙が噂されているので機動的な金融政策がとれない。
そうするとズルズルと緊張感のない「異次元緩和」が続くことになる。
「拙速な引き締めで2%(物価上昇)を実現できなくなるリスクの方が大きい」 植田総裁
と語るが、本当にそれでよいのだろうか?
消費者物価指数は昨年4月から2%以上だ、何を躊躇しているのだろう?
金融政策はもっと機動的に動くべきだと思う。