トヨタ自動車グループで相次いで大規模な認証不正が発覚した。
緊急の記者会見に臨んだ豊田章男会長は、
「認証制度の根底を揺るがすもので、自動車メーカーとして絶対にやってはいけないことだ」と述べた。
しかしこの後の言葉が良くない。
「残念であり、ブルータスお前もか、という感じじゃないか」
この言葉を言いたいのはトヨタの車を買ったユーザーだ。
「あんたが言うことじゃないだろう」ということ。
利益のみを追求してきた経営者の生きざまが垣間見える。
社員の不始末は会長たる本人の責任。
いかにも社員に押し付けるような発言は不適切。
ここに見られるのは「倫理観の喪失」だ。
戦後の代表的な経営者である松下幸之助、本田宗一郎、井深大、稲盛和夫のいずれも高い倫理観の持ち主だ。
松下幸之助は、「利益と社会正義との調和」を表明している。
私の現役時代(主に若いころ)、上記の経営者の書いたものはよく読んだ。
松下幸之助
◎現在与えられた今の仕事に打ち込めないような心構えでは、どこの職場に変わっても決していい仕事はできない。
◎たとえ平凡で小さなことでも、それを自分なりに深く噛みしめ味わえば大きな体験に匹敵します。
トヨタの経営理念は、
内外の法およびその精神を遵守し、オープンでフェアな企業活動を通じて、国際社会から信頼される企業市民を目指す。
原点に立ち返ってもらいたいものだ。