中国経済を苦しめている最大の要因は、不動産バブルの崩壊であろう。
中国のGDPは日本の4倍程度だ。約2400兆円になる。
このGDPの2~3割程度(480~720兆円)が不良債権ではないかと言われている。
とてつもない数字だ。
30年前にバブル崩壊した日本の不良債権処理に要した金額は約100兆円だ。
この処理は銀行の内部留保吐出しと国からの支援で何とか乗り切った。
中国は日本のバブル崩壊の過程を十分勉強していたのだろうが、「他山の石」にはならなかったようだ。
おそらく今後の展開は、地方政府の破綻と金融機関(ノンバンクを含めて)の混乱が発生するだろう。
ズルズルと先送りすれば、日本と同様の「失われた30年」になる。
習近平の頭の中は経済立て直しよりも「国家の安全」のほうに重心がかかっているようだ。
「反スパイ法」などを強化するようでは、外資はますます逃げていく。
習近平は「荀子」(中国の戦国時代の思想家)を信奉しているという。
荀子は、「性悪説」を説き法と礼による統治を主張した。
何を信じるかは自由だが、
他国民の犠牲(自国民も犠牲にしているかもしれない)の上に乗って、
「覇権国家」の道を歩んで欲しくない。