河野太郎ワクチン担当大臣は、企業での「職域接種」の受付を25日から「一時休止する」と発表した。
自治体の大規模接種についても新規の受付を23日に休止している。
その理由は米モデルナ製の供給が追い付かない可能性があるためだとしている。
◉コロナ対応の大臣が複数いて権限の集中が図られていない。
目立ちたがり屋の大臣がそれぞれに飛び跳ねた行動をとるからこのようなことになる。
本来は加藤勝信官房長官がコントロールすべきだが、責任回避の能力は高いが調整能力はからっきしない。
河野太郎は発信力あるが、調整能力がないので(下でに出られない)他が協力しない。
◉ワクチン接種は「護送船団方式」でやるべき。
ーー船団の中で最も速度の遅い船に速度を合わせ、全体が統制を確保しつつ進んで行くことになぞらえ、特定の業界において経営体力・競争力に最も欠ける企業が落伍することなく存続していけるよう、行政官庁が業界全体をコントロールしていくことーー
ワクチン接種の場合は、対象は全国の都道府県や市町村だ。
計画通りに運べば問題ないが必ず遅れるところが出てくる。
コントロールタワーは、全体を細かく目配りして遅れたところに適宜有効な援助策をとる。
その結果全体として整斉とワクチン接種が進むのだ。
第二次世界大戦後から高度経済成長期までこの「護送船団方式」を取ったため、日本は先進国に素早くキャッチアップした。
「日本は、世界で最も(もしくは世界で唯一)成功した社会主義国家だ」という評価を生んだ。
しかしこの方式は「官民癒着」を生み、アメリカからも激しく非難された。
(中国はこの方式を見習っている気がする)
だが緊急時には有効な方策だ。地方自治体の業務遂行能力は、バラツキはあるが全体として高く評価してよいと思う。
◉大企業中心の「職域接種」は、船足の速い船はどんどん進んで良いという「新自由主義的発想」だ。
弱い者や遅れて来る者に対する「心配り」に欠けた自助思想に侵された菅政権の暗部がさらけ出された。
「1日100万件接種目標」とか「高齢者接種7月末完了」などという掛け声が、単なる根性論に堕していることに気が付かない愚かさ。
いずれまた数字の改ざんなどでつじつま合わせをするのであろう。
物事はキリギリスよりもアリの歩みのほうが最終的には勝利する。