日本維新の会は昨年の夏ごろの勢いは無いが、大阪を地盤に侮りがたい力を持っている。
大阪の気風は、体裁を気にしないところ(実質主義)と強烈なアンチ東京にある。
「身を切る改革」などと言うスローガンは極めて大阪人に受ける。
維新を強く支持する50代以下の世代から見れば、維新は「古い政治」の打破を主張する点で「リベラル」と映るようだ。
ところがこれはまさに「羊頭を掲げて狗肉を売る」で、看板に偽りありなのだ。
維新快進撃の原動力は、①徹底した上意下達②自民党仕込みのどぶ板選挙、にある。
ここから見えてくるのは、リベラルとは程遠い「男性優位主義」のナショナリズムが原点。
維新の防衛政策は、「防衛費の増額」、「敵基地攻撃能力の保有」、「自衛隊憲法明記」であるが、自民党よりもさらに過激である。
先日も「戦闘機の海外輸出」について公明党が渋っているのを横目にみて賛成すべく自民党へ協議を申し込んだ。
慌てた公明党は「戦闘機の海外輸出」に賛成せざるを得なくなった。
維新の弱みはこの強みが過剰に出てしまうことだ。
だから維新の議員によるセクハラやパワハラが頻繁に起こる。
さらには公明党を排除して自民党とくっつけば、かなり右寄りのナショナリズムを煽ることになりやすい。
最近の例で言えば「高齢者の医療費をすべて3割負担」という政策を打ち出した。
少子化の財源にするということだが、「身を切る改革」は何処へ行った。
そんな事より大阪万博を中止するか延期すべきであろう。