【ビブリア古書堂の事件手帖】
「脅されているんです、異常な男から」
良く出来たドラマだ。
古書を愛する人たち、マニア、コレクターの習性を見事に描いているが、実際の人たちのビジュアルを忠実に再現しなかったのが大正解。(笑)
私が知るマニアやコレクターたちも、大概は本に対して異常な執着心を持ち、知人ではあっても絶対に友人にだけはなりたくないと思わせるビジュアルとルックスである。
最近では、独特のビジュアルだけでなく名前まで隠してブログをやっている奴もおり、私がブログを始める何年も前に、私の書いた本の悪口を発売後直ぐにわざわざブログに書いていてくれていたようだ。
そのコレクションにかける情熱の素晴らしさとは裏腹に、異常な執着心がブログの端々から伝わってくるのを本人も、交流している人たちもまだ誰も気付いてはいないようだ。
【少年画報大全】発売直後、少年画報社の編集部宛に、半分に引き裂かれ、意味の無い赤い線が多数書き込まれた【少年画報大全】が送られてきたことがある。
50代後半、定年退職間近だった添田善雄編集長は、編集者生活初めての体験に非常なショックを受けていたようだが、私は前述したように異常な行動をとるマニア、コレクターたちの生態を見聞、理解していたので、さほど驚くこともなかった。
古書業界では、『冒険活劇文庫』や絵物語、街頭紙芝居収集に対して、常軌を逸した行動をとるコレクターが存在するのが広く知られている。
だが、絵物語や戦後の少年少女雑誌における日本一のコレクターは、彼ではなく、銀座にある若山美術館のオーナー若山さんだろう。
若山さんには、私が【少年画報大全】を監修した際にも、快く資料協力していただけた。
前述の彼とは、当時から面識があり、協力依頼をしてみたのだが、真逆の対応独特の価値観に当時大変驚いた。
【少年画報大全】発売以降、私と彼との交流は一切ないのだが、ネット上では今も知人の如く彼のブログに私の著書の悪口まで書き込まれていたのだからたまらない。
マニア、コレクターの妬み、執着心、逆怨み恐るべし。(* ̄∇ ̄*)
先週の金曜日、読売新聞と朝日新聞の朝刊に記載された鳥越信さん、本郷功次郎さん、高野悦子さんの訃報記事を読み比べてみた。
掲載の大きさ順では、高野悦子さん死去が一番大きく、
世界各地の名作映画の紹介に尽力した、岩波ホール総支配人の高野悦子さんが9日、大腸がんのため、都内の病院で亡くなった。
83歳だった。
葬儀は近親者で済ませた。
喪主は、めいで岩波ホール支配人の岩波律子さん。
後日、お別れの会を開く予定
とある。
1997年から2007年まで東京国立近代美術館フィルムセンターの名誉館長を務めた。
2004年に文化功労賞。
本郷功次郎さん死去については、
テレビ朝日系の刑事ドラマ「特捜最前線」橘刑事などで知られる俳優の本郷功次郎さんが、14日、心不全のため亡くなった。
74歳だった。
後日、しのぶ会を開く予定。
喪主は妻で元宝塚歌劇団の古城都(本名・本郷都)さん。
私には「大魔神」や「ガメラ」シリーズの方が印象深い。
鳥越信さんの訃報記事は、読売新聞のみで、上記の二人と違い写真の掲載もない。
鳥越信氏 83歳(とりごえ・しん=児童文学評論家)14日、老衰で死去。
葬儀は近親者で行う。
喪主は長男、恭(きょう)氏。
早稲田大学教授として児童文学研究に取り組み、収集した12万点の資料「鳥越コレクション」を1979年、大阪府に寄贈した。
これを基に84年、吹田市に「府立国際児童文学館」が創設され、運営に当たった。
同館は2010年に廃止され、資料は東大阪市の府立中央図書館に移された。
「日本児童文学史年表」で1976年の日本児童文学者協会賞などを受賞した。
とある。
鳥越信さんの名前や著書など、漫画史研究家として、何度も目にしたことがあるし、一度だけ府立国際児童文学館も利用したのだが・・・。
せっかくの寄贈資料を、十分活用出来なかった施設と後進の研究者たち。
施設関係者たちと、漫画評論家たちは、大阪府知事時代の現・橋下市長に責任を転嫁し、糾弾したが、賢明なる一般世間の共感を得ることは出来なかった。
在野にいる漫画史研究家である私の施設に対する評価は、賢明なる一般世間と同じく廃止やむなしであったし、今も変わらない。
一度も面識のない鳥越信さんに対する私の評価は、研究者としてよりもコレクターとしての方が高い。
1978年に3万冊でオープン、有料で公開した現代マンガ図書館 内記コレクションよりも、1979年に12万点の資料を収集し無料で公開した鳥越コレクション。
府立国際児童文学館の存続を訴えていた漫画評論家たちの多くは、鳥越さんの追悼記事すら書いていないようだ。
故・二上洋一先生の師匠筋にあたる鳥越信さんの訃報に際し、せめて二上先生の弟子筋である私だけは、鳥越信さんのコレクターとしての功績を高く評価しておきたい。
鳥越さんの御冥福を祈ります。
鳥越さんが集められた貴重な鳥越コレクションについては、在野にいる漫画史研究家である私、本間正幸がいつの日にか必ず後世の研究者の礎として活用させていただきますから御安心下さい。
2013年2月17日
漫画史研究家
本間正幸
さて、15日(金)は新聞を読んだ後、午後から新富町の事務所へ。
夜には築地駅から清澄白河駅へ移動し、のらくろ館のある森下文化センターへ。
辻真先が案内するミステリの世界
講師:辻 真先
(作家・本格ミステリ作家クラブ 会長)
探偵たちの名推理、怪盗たちの鮮やかなトリック、崩されるアリバイ、密室の謎、不可能への挑戦・・・。
数々の魅力があふれるミステリの世界を堪能してみませんか?
講師にミステリ作家、辻真先を迎え、豪華なゲストをお招きして、色々な角度からバラエティに富んだミステリの世界をご案内いたします。
カリキュラム
第1回(10/19) 日本のミステリの歴史~戦前編~
第2回(11/16) 海外のミステリ~山前譲(ミステリ研究家)との対談~
第3回(12/21) 日本のミステリの歴史~戦後編~
第4回(1/18) マンガ・アニメの中のミステリ~唐沢俊一(作家・評論家)との対談~
第5回(2/15) ミステリの現在~東川篤哉(作家)との対談~
金曜日 全5回 19:00~20:30
定員25名
受講料:7500円(全五回分)
教材費:200円(全五回分・資料代など)
全五回共、受講料のわりに大変充実した内容、大満足の講座であった。
脚本家で知られる辻先生の推理作家としての顔も、今回の講座から少しは判るようになった気がする。
定員25名は、まさに参加者の情報収集力と、意識の高さをはかる目安となり得た。
漫画やアニメの評論家として知られる顔は、殆んど見あたらなかったのだから、やっぱりな、と言う印象である。
帰りに一階展示ロビーで行われている
おおやちきの世界展
~伝説の漫画家、『りぼん』『ぴあ』からイラスト、パズルまで~
2/14(木)~3/3(日)
を観てから帰る。
永遠の少女まんが展に比べ、今回は見応えを感じた。
一人の作家の足跡をきちんと掘り下げることが出来ていたからだ。
おおやちき先生について、故・米沢嘉博さんの本が展示されていた。
米沢さん以外、未だにきちんとおおやちき先生の作家性を、誰も把握出来た研究者が育っていない哀しい現実を痛感した。
三連休の中日である昨日、私は前から大変興味のあった三つの展示会を観に行きました。
その一つが、偶然にも今日の日本経済新聞の文化32面にも取り上げられています。
挿絵で描く人間の本性
◇新聞や週刊誌で作家と組み67年、今も現役◇
濱野彰親
挿絵画壇の重鎮
濱野彰親展
モノクロームへの眼差し
ー人間の本性を暴くー
弥生美術館
2013年1月8日(火)~3月31日(日)
濱野先生に会えるチャンス!ギャラリートーク&サイン会
1.2月10日(日)14:00~
2.3月17日(日)14:00~
3.3月24日(日)14:00~
本日の画像は、記事が掲載されている新聞記事をベースに弥生美術館のチラシと、展示会に併せ株式会社ラピュータから発売され、サインを入れて貰った
濱野彰親挿絵原画集
モノクロームへの眼差し
松本品子・編。
定価(本体2800円+税)
私は、午後2時過ぎに弥生美術館に到着。
来館者でフロア一杯の会場の末席で、濱野先生を交えた学芸員のギャラリートークを聴いておりました。
老若男女、とても幅広い参加者。
小松崎茂先生門下の根本圭助先生にも、会場で久々に挨拶出来たし、2006年から『SFマガジン』(早川書房)連載の「SF挿絵画家の系譜」を【SF挿絵画家の時代】(本の雑誌社・2012年)として単行本にまとめて話題の大橋博之さんからは、消費税分をサービスしてもらい、著書を直接購入。
定価(本体1800円+税)。
この本については、私のお薦めの一冊なので、後日改めて紹介したい。
一時間弱のギャラリートークの後、始まったサイン会。
売店で本を購入し、濱野先生から本にサインを入れて貰った後、隣接する竹久夢二美術館で学芸員のギャラリートークに参加。
"見知らぬ世界"を求めて
旅人・竹久夢二
ー旅、恋、異国への憧れー
2013年1月8日(火)~3月31日(日)
◆学芸員によるギャラリートーク◆
1.1/13(日)午後3時より
2.2/10(日)午後3時より
3.3/10(日)午後3時より
弥生美術館と竹久夢二美術館は、二館併せて入館料一般900円、大・高生800円、中・小生400円でご覧頂けます。
*高畠華宵の常設ルームも併せてご覧いただけます。
竹久夢二美術館のギャラリートーク参加者は、いつも女性の方が多いイメージ。
テーマを決めて毎回展示内容を変えているため、何度観に行っても興味深い。
私が初めて竹久夢二美術館に行ったのは2000年以降。
その時から収蔵作品も増えているのだろうが、もうすっかり見慣れてしまった物もある。
企画展毎、年4回、12年だとすると48回弱は訪れた計算になる。
竹久夢二が、庄内酒田に滞在したことは知っているが、今回、私の父の故郷である庄内鶴岡にも滞在していたこと、同じく銚子でのエピソードが有名だが、私の母の故郷の隣町である潮来へも滞在していたことが興味深かった。
晩年、横浜から船に乗って外遊したりと、画家よりも旅人としての先人であった夢二に、私は寅さんにも似た親近感を憶えたのだ。
昨夜のBSフジの番組「名画と歩こう 竹久夢二・長崎十二景を巡る」では、夢二好きで知られる女優の緒川たまきさんと共に、竹久夢二美術館の学芸員の石川さんが解説のため、出ていたようだ。
近年、竹久夢二研究家として、学芸員である石川さんの外部での活躍もめざましい。
ギャラリートークを終えた後、濱野彰親先生夫妻を交えて、隣の喫茶港やで、日本出版美術研究会の会合と情報交換会。
私は、2002年からここのメンバー。
大橋博之さんには、2006年にこの会合で初めて会った。
年は私より八歳上だが、私のメジャーデビューが2001年なので、私の方が随分早くなる計算だ。
著書の中で小松崎茂先生や、濱野彰親先生、根本圭助先生など総勢七一名取り上げているが、小松崎茂先生に直接長時間インタビューするチャンスにだけは、残念ながら恵まれなかったようだ。
私は、【少年画報大全】監修後直ぐの2001年夏に、東京ドームホテルにて、初対面となる中一弥先生、伊勢田邦彦先生、濱野彰親先生、そして根本圭助先生と夕食を御一緒する幸運にも恵まれている。
探し続けている本を手に出来る幸運や、憧れ続けている作家さんに直接逢える幸運、共に一期一会の場合がある。
昭和時代を代表する300人弱の漫画家さん、絵物語作家さん、挿絵画家さんの図版を取り上げ、その中から小松崎茂先生を始め、上田トシコ先生など10人の作家さんのインタビューを収録した【少年画報大全】(2001年・少年画報社)を監修する幸運は、昭和時代の漫画史研究家として、これに勝るものは今も見当たらない。
さて、港やを後にした私は、一人のらくろ館のある森下文化センター
【永遠の少女マンガ展】
へ向かう。
今日が最終日なので、昨日のうちに観ておいたのだが、クオリティーが高くて評判の美術館の展示を立て続けに観た後のためだろうか?期待に反してどうしても見劣り感が否めない。
評判の高い名著を買って読んだ後、アクセス数の多い人気ブログを読んだような気分にさせられた。
プロとアマ、前座と真打ちの実力の違い、順番が逆だったらまだ良かったのかも知れない。
原画の展示と、原画ダッシュの展示素材については一級品なので文句無し。
無料で読める少女マンガも、下手な漫画喫茶より素晴らしい充実ぶり。
だが、今回の展示会のための美術館の図録や書籍にあたるもの、少女マンガに対する愛情や志が足りないような気がするのが残念で仕方ない。
私が学生だったなら、文句なしの内容だが、プロの漫画史研究家の視点からすると、泣いて馬謖を斬る、苦言を呈さざるを得ない展示内容だ。
無料の漫画喫茶に、ドリンク代わりに貴重な原画が展示されている贅沢で素敵な空間、それが私の印象の全てだ。
故・米沢嘉博さんの遺志を継ぐような正統な少女漫画史研究家の長き不在、及び、美術館、博物館の学芸員ではないスタッフのみしか展示に関わっていないことが、心から悔やまれる展示内容だ。
せっかくのチャンスだったのだから、今出来ることはもっと沢山あったはずなのに。(涙)
さて、この三連休が終わると・・。
マクドナルドのおいしいニュース、ハッピーセット
2/15(金)~スポンジ・ボブ、全8種類。
3/8(金)~ドラえもん、全6種類。
さらにもらえる!
3/9(土)10(日)ゆらゆらタイムマシーン
3/16(土)17(日)お風呂シール
私は、ドラえもんファンなので、毎年この時期は、少なくとも6回以上はマクドナルドに通わなければならない。(*´∀`)♪
2013年1月29日、文化庁は国立国会図書館の蔵書データを大日本印刷が電子書籍の形にして、紀伊国屋書店の電子書店を通して無料配信する実験を、2月1日から3月3日まで行うと発表した。
配信対象の13作品※かっこ内は出版年
浪花禿箒子著、石川豊信画「絵本江戸紫」(1765)
住吉内記写「平治物語絵巻 第一軸」(1798)
グリム著、上田万年訳「おほかみ」(1889)
竹久夢二「コドモのスケッチ帖 動物園にて」(1912)
芥川龍之介「羅生門」(1917)
芥川龍之介「河童」(1927)
酒井潔「エロエロ草紙」(1930)
柳田国男「遠野物語」(1910)
夏目漱石「硝子戸の中」(1915)
永井荷風「腕くらべ」(1918)
宮沢賢治「春と修羅」(1924)
宮沢賢治「四又の百合」(1948)
写真絵本「きしゃでんしゃ」(1953)
やはり、今年の出版界を読みとくキーワードは、温故知新と電子書籍のようだ。
著者が故人となった出版物の電子書籍化実現には、様々な困難が伴う。
近年では、今回のリストにも名前がある明治の大文豪・夏目漱石の遺族、親族同士による利権をめぐる確執と争いが、マスコミやネットを騒がし物議を醸したことも記憶に新しい。
作品の素晴らしさと、作家の人格は別であり、更に作家の遺族と出版交渉をすることは、非常な困難を伴うことがあるのが事実である。
その為だろうか?
昨今の出版不況に伴い、昭和時代の漫画史を代表する名作漫画の復刻については、現在、ごく一部の有名作家の作品を除き、大手出版社による商業出版の道は、ほぼ閉ざされた状態が続いている。
在野にいる数少ない漫画史研究家である私・本間正幸は、現状を憂い続けていました。
国会図書館や、膨大な蔵書量を誇る関西・関東にある有名マンガ図書館に比較すると、一個人の蔵書数二万冊というのは、蟷螂の斧のごとくあまりにも儚い僅かばかりの蔵書量に過ぎないのかも知れません。
けれども、日本の昭和の漫画史を代表する名作アーカイブの確立、復刻事業の礎となるために、粉骨砕身精一杯努力し、頑張っていきたいと常日頃から考え続けていました。
昨年の秋口、私は大日本印刷の電子書籍に対する真摯な姿勢に共感し、微力ながらも株式会社パインウッドカンパニーを通じて、慎重に作品の検討、選択をし、統一定価525円にて、2013年1月28日より一足早く次の作品の復刻、電子書籍化出来たことを正式に発表します。
配信対象の五作品※()内は連載年。
上田トシコ「フイチンさん1」(1957~1962年)
上田トシコ「フイチンさん2」(1957~1962年)
上田トシコ「フイチンさん3」(1957~1962年)
上田トシコ「ぼんこちゃん」(1955~1962年)
上田トシコ「お初ちゃん」(1958~1969年)
以下、続々と電子書籍化予定です。
田河水泡・のらくろ館特別展
「永遠の少女マンガ展」
会期:2013年1月19日(土)~2月11日(月・祝)※1月21日(月)2月4日(月)は休館
時間:午前9時~午後9時
会場:森下文化センター一階展示ロビー【入場無料】
東京都江東区森下3ー12ー17
TEL03(5600)8666
主催:公益財団法人江東区文化コミュニティ財団
江東区森下文化センター
■原画'(ダッシュ)
出展作家
松本かつち゛、上田としこ、わたなべまさこ、今村洋子、高橋真琴、巴里夫、水野英子、牧美也子、あすなひろし、北島洋子、上原きみ子、竹宮惠子、佐藤史生、花郁悠紀子
■三原順原画展示
■編集者・小長井信昌の仕事
小長井さんが、長年、編集者・編集長として関わってきた美内すずえさん、和田慎二さん、成田美名子さんのカラー原画や作品等も展示します。
■田河水泡と弟子たち
「のらくろ」の作者として有名な田河水泡は、戦前、『少女倶楽部』でも作品を発表しています。
本展では、水泡の作品を展示するとともに、弟子である、長谷川町子さん、倉金章介さん、永田竹丸さん、山根赤鬼さん、山根青鬼さんたちの少女マンガ作品を紹介します。
■おことわり
株式会社パインウッドカンパニーでは現在、昭和を代表する少女マンガのアーカイブ化事業に取り組んで来ました。
先ずは上田トシコ先生の代表作【フイチンさん】【お初ちゃん】【ぼんこちゃん】の三作品をコミックパークからオンデマンドで販売。
大好評につき、三作品全てを電子書籍化し、2013年1月28日より定価525円にて販売を開始致しましたので、併せて購入を御検討いただけましたら幸いです。
また、少女まんが史を理解する上において、私は二上洋一先生が残された【少女まんがの系譜】(ぺんぎん書房)の入手をお薦めしたい。
発売後、直ぐに出版社が倒産の憂き目に遇ってしまいましたが、二上洋一先生こと、集英社の名編集者であった倉持功さんの少女まんがに対する深い愛情が伝わってくる一冊です。
「西の新井善久(講談社)、東の山本順也(小学館)」と云われる少女まんがの名編集者の歴史において、第三の男とも言うべき集英社を代表する少女まんがの名編集者であった倉持功さんの少女まんがに対する考え方が理解出来る一級品の資料です。
今日的少女まんが史研究の視点からすると、別人の手による巻末のデータベースの不備、未成熟度は、その時代における少女まんが史研究最前線の遅れを顕著に示しています。
米澤嘉博さん亡き後の、正当な少女まんが史研究家の長き不在。
私共、株式会社パインウッドカンパニーでは、これからも絶版のため、長らく入手困難だった昭和の少女マンガ史を代表する名作群の電子書籍化に取り組んでまいります。
少女マンガ史を代表する名作群を、実際に読みこむことによって、一日も早い実証的な少女まんが史研究家の登場が待ち望まれます。
以下の文章は、今年の二上洋一先生の命日に際しての私の思いを再録しましたので、参考までに。
2009年1月16日、私が大変お世話になった二上洋一先生が亡くなられた。享年71歳。
鮎川哲也監修、芦辺拓編【少年探偵王】(2002年・光文社)の目次をみると、はじめに 芦辺拓、秋山憲司「回想の乱歩・洋一郎・峯太郎」、二上洋一「吸血魔」解説、山前譲 鮎川哲也氏の年少者向け推理小説、本間正幸「ビリーパック」解説、解説 僕らも少年探偵団!
とある。
私と二上先生の名前が一緒に出てくる最初の本だ。
【少年画報大全】(2001年・少年画報社)監修後、当時フリーの編集者だった中野晴行さんの紹介により、芦辺拓先生と御逢いできた私は、芦辺先生の依頼により、光栄にも漫画【ビリーパック】の解説者に大抜擢してもらった。
その後、【少年画報大全】監修の実績により、弥生美術館の日本出版美術研究会へ学芸員以外の研究者では、最年少で私の入会が認められ、会合の時に長老格の二上先生に初めて御逢いすることが出来た。
二上先生は、当時出版関係者の間でのみ高い評価を受けていた【少年画報大全】を発売と同時に購入していただいていた。
そして、親子ほど年の離れた漫画史研究家として、まだメジャーデビューしたての私の才能を、いち早く見極めてくれていた。(実際、二上先生は私の亡き父より一歳年下だったので、酒好きの父が生きていたなら二上先生と同じくらいの年頃になるんだろうな。)
プロの評論家として活動するには、文章が下手だが、新たな分野のパイオニアとなる漫画史の研究者としての才能なら突出していることを見抜いてくれていたのだ。
そして、現在の一億総評論家時代の到来に伴い評論家の肩書きや、大学教授、大学講師の地位待遇が今のように凋落してこそ初めて、在野にいる数少ない漫画史研究家としての私の稀少価値が認められるようになり、活躍する場も増える筈だが、その時が訪れるまではまだまだ時間が掛かることも予見されていた。
私は、二上先生から将来、漫画史研究家のパイオニアとして活動するための覚悟や心構え、人としてのあり方を学ぶようになり、少年小説研究について師事するのだが、師事した矢先に二上先生は急逝されてしまった。
だが、私の手元には、二上先生の残された著書がある。
スタッフとして関わられた【少年小説大系】の膨大な作品群(昨年やっと全巻購入出来た)がある。
私は、二上先生から直接、少年小説大系に懸けた情熱を何度も何度も繰り返し聞くことが出来た。
後は、私自身の才能と努力の問題である。
街頭紙芝居の研究や、無声映画時代の映画やアニメーションについては、マツダ映画社に、我が師匠である故・松田春翠先生が終生情熱を持って集められた膨大なフィルムが残されているので、毎月の無声映画鑑賞会に参加して、私は自分の才能と、独自の視点を持って研究を進めればよい。
漫画史研究家である私が、師事し最も影響を受けた人物は、マツダ映画社を創立し今日まで残る無声映画の発展普及に尽力し続けた故・松田春翠先生と、少年小説大系編纂に関わった故・二上洋一先生の二人である。
さて、昨晩は、江東区森下文化センターで、辻真先先生と唐沢俊一さんの対談を聴くことが出来た。
詳細は、又、後程。
大雪の日の出来事。
東京、横浜在住の新成人の皆さんは、成人式に参加されたでしょうか?
私が新成人の頃の横浜では、成人式に参加するのは、あまりお洒落ではないという考えが一部に根強くあり、私は参加しませんでした。
そのことが、今になって考えると高校時代の悪縁を全て断ち切ることに繋がり、その後の幸せな人生へのステップアップに繋がった気がします。
さて、大好評のうちに終了した第六回江東シネマフェスティバル。
12日(土)
13:00~【憧れのハワイ航路】
15:40~【川の底からこんにちは】
13日(日)
10:00~【運が良けりゃ】
13:30~無声映画特集 弁士・楽団(カラード・モノトーン)付フィルム上映
【争闘阿修羅街】弁士・松田貴久子
【雄呂血】弁士・澤登 翠
16:50~【お早よう】
14日(月・祝)
10:00~【ゴジラ】フィルム上映
13:30~【愛妻物語】フィルム上映
16:20~【晩春】フィルム上映
私は、3日間通し券を購入していたので、日曜日の朝【おしん】の再放送を観て、午後の無声映画特集から、3日目は朝から終日会場におりました。
無声映画特集には、脚本家の石森史郎先生夫妻が観にいらっしゃったので、新年の御挨拶。
今回の目玉は、何といっても【ゴジラ】のスクリーン上映とトークイベント。
前売りは完売で、会場も大雪なのに満員状態。
上映後のトークイベントは、「ゴジラ誕生秘話」で、俳優の宝田明さんと、本多猪四郎監督の長男、本多隆司さんが登場で満員の会場は大盛り上がり。
幾つも取材カメラがあるだけでなく、マスコミだけでなく観客も撮影OKのフォトセッションタイムがあり、ビックリ!
更に宝田さんは、会場にいるファンの希望者まで壇上に登壇OKの記念写真タイムを作ってくれたのだからそのお人柄に感心してしまいました。
その後、【ゴジラのトランク 夫・本多猪四郎の愛情、黒沢明の友情】本多きみ 著、取材・構成・文 西田みゆき(宝島社)定価1300円+税に、希望者は、本多隆司さんのサインを入れて貰える販売タイムがあり、私も勿論購入してサインを入れてもらいました。
その際、先日のNHKBSの番組で放映されたラストに、本多監督の生まれ故郷が、私の父の故郷である庄内地方鶴岡市にある地元の有名なお寺であり、少年時代に私は家族と一緒にそのお寺にお参りしたことがあるので、訊ねてみたらドンピシャリ。
せっかくの機会なので私が漫画やアニメ、特撮や映画を研究していること、父の実家が庄内鶴岡にある本間家の中でも指折りの旧家であり、庄内地方に将来漫画やアニメ、映画に関する総合的な観光施設を作ることが出来たらいいなと考えていることなど、簡単に自己紹介することが出来ました。
同行されていた株式会社本多フィルムの副社長からは名刺をいただき、やはり庄内地方に本多監督の記念館が出来たらいいのにと、話題になりました。
本多猪四郎監督と私の間には、不思議な縁があるようなので、これを機会に父の故郷出身の偉大な先人である本多監督の作品とその生涯についても今後はより一層研究を深めていきたいと考えています。
また、この三連休には漫画やアニメ、特撮や映画に関する様々なイベントが開催されていたようです。
各々のイベントにおいて、各々のイベントに関係する人達や、興味がある人達が集まる訳ですが、正に類は友を呼び朱に交われば赤くなるといいますが、まさにその通りだったのではないでしょうか?
マンガ評論家でなく漫画史研究家として活動を続ける私の場合、大正・昭和時代の漫画を中心とした映画やテレビ、アニメ、特撮、街頭紙芝居、絵物語、少年小説、挿絵など研究対象となる範囲が広く、交流する人々も多くなります。
漫画や映画などジャンルが異なるイベントが同じ日に重なることが日常茶飯事となるため、より良い縁である所に顔を出すように心掛けています。
不思議と良い縁のイベントに集まる人達は、良い人達が多いため居心地が良く段々と栄えてくるようになります。
ところが、栄枯盛衰とは大変不思議なもので、悪い人達が集まる縁やイベントには、内容はどうあれ、段々と人が集まらなくなってくるのですから驚くばかりです。
私のブログは、私と縁のある良い人達やイベントを中心に紹介しています。
かつて、私と縁があった人達や団体で、現在、私のブログで話題となったり、登場してこないものの殆んどは、私にとって悪縁と思われるから、敢えて話題から避けてます。
その人物が亡くなり、その人物と関係する著作権上、大問題がある書籍を数年前に出版した出版社が、その問題ある書籍を出版した後、大手からの資本提携を解除された上、再度別の問題を起こし、出版した本の回収騒ぎの後、昨年末にあえなく倒産。
三連休中に行われた追悼イベントは、大雪のため人が集まらなかったようなのに、世間的には肩書きのある著名人の関係者二人が「たくさんの人に集まっていただき」とTwitterし、人柄の良い善良な関係者の一人が、「最悪、スタッフだけのイベントになるかと思われたが、こじんまりとした集まりぐらいの人が来てくれたので良かった」と、同じくTwitter上で呟く別の関係者の矛盾に、故人と関わりの強い関係者三人の人間性まであからさまに露呈してしまったようです。
内容に自信さえあれば、イベントに人が集まっていなくても、たくさんの人が来たような嘘をつく必要はないと私は思うのですが・・・。
亡くなってからも、肩書きだけ立派な故人の悪い人間性が、(私は、漫画史研究家として、この人物の生き方や人柄を反面教師として肝に刻んでいる)謀らずも関係者によって鮮やかに受け継がれている負の遺産を垣間見た瞬間でした。
全ては因果応報であり、自業自得。
改心しない限りこれからも悪縁や、負の遺産は、故人の関係者の手により受け継がれていくことでしょう。
虚しくはないのかな?(笑)
さて、私は今、アニメと映画、漫画史を皆で語れるオフ会の設立を考えています。
題して【アニメと映画、マンガ史研究会】(笑)。
参加資格は、アニメor映画orマンガが好きな人。
私がブログなどで紹介するアニメ、映画、マンガが好きだというのなら、誰でも参加OK。
イベントの前後、会場などで御会いしましょう。
入会希望者は、会場で一声かけて下さいね。
会員証は【少年画報大全】ということでよろしく。
漫画史研究家である私、本間正幸の今年の年賀状は
臥薪嘗胆の時を経て、2013年は温故知新の志で
「ことしも元気でいこう!!福井英一・画」
『冒険王』(秋田書店)1954年新年号付録【イガグリくん】年賀状を発掘!!
故・上田トシコ先生の【フイチンさん】を始め、昭和時代の名作漫画を続々と電子書籍化します!
【まぼろし探偵】【月光仮面】(原作・川内康範)【8マン】(原作・平井和正)で知られる桑田次郎先生、少女漫画の名作で知られる故・東浦美津夫先生、【ゆうひが丘の総理大臣】【サインはV!】(原作・神保史郎)で知られる望月あきら先生作品版権管理窓口
株式会社 パインウッドカンパニー
郵便番号104-0044
東京都中央区明石町1-3-404
Tel:03-5939-6991
『漫画の匠』
http://www.manganotakumi.com
漫画史研究家 本間正幸
今年も、私が大ファンである漫画家の先生方を始めその遺族の方たち、アニメーション業界の方、作家の先生、児童文学の研究者の先生、編集者など出版業界の人たち、女優さんに至るまで、様々な業種の方たちから、沢山の年賀状の返事をいただいております。
毎年恒例となっております漫画家さんからの年賀状の返事をいくつか紹介してみますね!
先ずは、スタジオ・ゼロのアニメーターであり、ラーメン大好き小池さんのモデルとしてもあまりにも有名な杉並アニメーションミュージアムの鈴木伸一館長からの年賀状を紹介させて貰いましたが、鈴木伸一館長とは、毎年、東京国際アニメフェアの功労賞でのパーティ会場や、手塚治虫文化賞で御一緒させていただいております。
次の年賀状は、手塚治虫先生作品の版権管理をされている手塚プロダクションさんからのもの。
2013年は【リボンの騎士】連載60周年。
【鉄腕アトム】放送50周年。
【ブラック・ジャック】連載40周年を迎えます。
【リボンの騎士】は、虫プロのテレビアニメの再放送から、音楽、漫画と全て私好み。
【鉄腕アトム】は、漫画からリバイバルのカラー放送を見て。
【ブラック・ジャック】は、『週刊少年チャンピオン』の連載時からリアルタイムで、初出のカラー扉も楽しむことが出来ました。
「沈む女」の二色ページは美しく、ストーリーはあまりにも物悲し過ぎて・・・。
手塚先生の作品やアニメは、私より上の世代に圧倒的にファンが多く、私の世代では好きな人が意外に少なく、石森ファン、豪ちゃんファン、松本ファンが圧倒的に多かったものです。
藤子ファンや、宮崎駿ファンも、私より少し下の世代に圧倒的に多いような気がします。
私は、多くの手塚治虫作品の中でも初期SF三部作の【メトロポリス】が大好きで、アニメ化され再評価される前に漫画喫茶の店名をメトロポリスと名付けたほど。
漫画と映画、アニメ好きの私が、漫画史研究家としてメトロポリス漫画総合研究所を主宰しているのは、大の手塚ファンの証でもあるのです。
今年の元旦の朝に私は、定期購読している読売新聞だけでなく東京新聞、朝日新聞、毎日新聞の三紙を自宅近くのコンビニで購入。
私が政治や宗教、思想、スポーツについてブログで滅多に話題にしないのは、自分の考えを他人に押し付けることが嫌いだからです。
脚本家の石森史郎先生は、毎年元旦の朝になると新聞の朝刊各紙を購入し、その年の動向についての情報を得ているとのことなので、弟子筋となる私も今年は真似をしてみました。
元東映の名プロデューサー平山亨さんは、付き合いで赤旗を取ったところ、知らないうちに共産党の党員に登録されていたことがあり、吃驚したとのこと。
東京新聞が一番偏りがなく、芸能面なども充実しているので、業界内の友人などに意外と講読者が多いと話してくれたことがあります。
今回、東京新聞には「アニメ50年いつもそばに」と題する記事がカラー画像付きでありました。
朝日新聞では、「アトムからコナン、その先へ」50年の厳選50本ー脚本家・辻真先さんと歩く
と言う記事がありました。
辻先生へのインタビューは、正に我が意を得たりという感じで、今年の元旦は石森先生の真似をして、四紙読み比べて大正解だったといえるでしょう。
漫画史研究家であり、アニメーション史研究家でもある私は、在野にいる数少ない研究者の立場から、なるべく偏った思想でなく独自の社会学的視点から漫画やアニメの歴史について実証的な資料を踏まえて今年も皆さんに紹介していきたいと考えています。
「脅されているんです、異常な男から」
良く出来たドラマだ。
古書を愛する人たち、マニア、コレクターの習性を見事に描いているが、実際の人たちのビジュアルを忠実に再現しなかったのが大正解。(笑)
私が知るマニアやコレクターたちも、大概は本に対して異常な執着心を持ち、知人ではあっても絶対に友人にだけはなりたくないと思わせるビジュアルとルックスである。
最近では、独特のビジュアルだけでなく名前まで隠してブログをやっている奴もおり、私がブログを始める何年も前に、私の書いた本の悪口を発売後直ぐにわざわざブログに書いていてくれていたようだ。
そのコレクションにかける情熱の素晴らしさとは裏腹に、異常な執着心がブログの端々から伝わってくるのを本人も、交流している人たちもまだ誰も気付いてはいないようだ。
【少年画報大全】発売直後、少年画報社の編集部宛に、半分に引き裂かれ、意味の無い赤い線が多数書き込まれた【少年画報大全】が送られてきたことがある。
50代後半、定年退職間近だった添田善雄編集長は、編集者生活初めての体験に非常なショックを受けていたようだが、私は前述したように異常な行動をとるマニア、コレクターたちの生態を見聞、理解していたので、さほど驚くこともなかった。
古書業界では、『冒険活劇文庫』や絵物語、街頭紙芝居収集に対して、常軌を逸した行動をとるコレクターが存在するのが広く知られている。
だが、絵物語や戦後の少年少女雑誌における日本一のコレクターは、彼ではなく、銀座にある若山美術館のオーナー若山さんだろう。
若山さんには、私が【少年画報大全】を監修した際にも、快く資料協力していただけた。
前述の彼とは、当時から面識があり、協力依頼をしてみたのだが、真逆の対応独特の価値観に当時大変驚いた。
【少年画報大全】発売以降、私と彼との交流は一切ないのだが、ネット上では今も知人の如く彼のブログに私の著書の悪口まで書き込まれていたのだからたまらない。
マニア、コレクターの妬み、執着心、逆怨み恐るべし。(* ̄∇ ̄*)
先週の金曜日、読売新聞と朝日新聞の朝刊に記載された鳥越信さん、本郷功次郎さん、高野悦子さんの訃報記事を読み比べてみた。
掲載の大きさ順では、高野悦子さん死去が一番大きく、
世界各地の名作映画の紹介に尽力した、岩波ホール総支配人の高野悦子さんが9日、大腸がんのため、都内の病院で亡くなった。
83歳だった。
葬儀は近親者で済ませた。
喪主は、めいで岩波ホール支配人の岩波律子さん。
後日、お別れの会を開く予定
とある。
1997年から2007年まで東京国立近代美術館フィルムセンターの名誉館長を務めた。
2004年に文化功労賞。
本郷功次郎さん死去については、
テレビ朝日系の刑事ドラマ「特捜最前線」橘刑事などで知られる俳優の本郷功次郎さんが、14日、心不全のため亡くなった。
74歳だった。
後日、しのぶ会を開く予定。
喪主は妻で元宝塚歌劇団の古城都(本名・本郷都)さん。
私には「大魔神」や「ガメラ」シリーズの方が印象深い。
鳥越信さんの訃報記事は、読売新聞のみで、上記の二人と違い写真の掲載もない。
鳥越信氏 83歳(とりごえ・しん=児童文学評論家)14日、老衰で死去。
葬儀は近親者で行う。
喪主は長男、恭(きょう)氏。
早稲田大学教授として児童文学研究に取り組み、収集した12万点の資料「鳥越コレクション」を1979年、大阪府に寄贈した。
これを基に84年、吹田市に「府立国際児童文学館」が創設され、運営に当たった。
同館は2010年に廃止され、資料は東大阪市の府立中央図書館に移された。
「日本児童文学史年表」で1976年の日本児童文学者協会賞などを受賞した。
とある。
鳥越信さんの名前や著書など、漫画史研究家として、何度も目にしたことがあるし、一度だけ府立国際児童文学館も利用したのだが・・・。
せっかくの寄贈資料を、十分活用出来なかった施設と後進の研究者たち。
施設関係者たちと、漫画評論家たちは、大阪府知事時代の現・橋下市長に責任を転嫁し、糾弾したが、賢明なる一般世間の共感を得ることは出来なかった。
在野にいる漫画史研究家である私の施設に対する評価は、賢明なる一般世間と同じく廃止やむなしであったし、今も変わらない。
一度も面識のない鳥越信さんに対する私の評価は、研究者としてよりもコレクターとしての方が高い。
1978年に3万冊でオープン、有料で公開した現代マンガ図書館 内記コレクションよりも、1979年に12万点の資料を収集し無料で公開した鳥越コレクション。
府立国際児童文学館の存続を訴えていた漫画評論家たちの多くは、鳥越さんの追悼記事すら書いていないようだ。
故・二上洋一先生の師匠筋にあたる鳥越信さんの訃報に際し、せめて二上先生の弟子筋である私だけは、鳥越信さんのコレクターとしての功績を高く評価しておきたい。
鳥越さんの御冥福を祈ります。
鳥越さんが集められた貴重な鳥越コレクションについては、在野にいる漫画史研究家である私、本間正幸がいつの日にか必ず後世の研究者の礎として活用させていただきますから御安心下さい。
2013年2月17日
漫画史研究家
本間正幸
さて、15日(金)は新聞を読んだ後、午後から新富町の事務所へ。
夜には築地駅から清澄白河駅へ移動し、のらくろ館のある森下文化センターへ。
辻真先が案内するミステリの世界
講師:辻 真先
(作家・本格ミステリ作家クラブ 会長)
探偵たちの名推理、怪盗たちの鮮やかなトリック、崩されるアリバイ、密室の謎、不可能への挑戦・・・。
数々の魅力があふれるミステリの世界を堪能してみませんか?
講師にミステリ作家、辻真先を迎え、豪華なゲストをお招きして、色々な角度からバラエティに富んだミステリの世界をご案内いたします。
カリキュラム
第1回(10/19) 日本のミステリの歴史~戦前編~
第2回(11/16) 海外のミステリ~山前譲(ミステリ研究家)との対談~
第3回(12/21) 日本のミステリの歴史~戦後編~
第4回(1/18) マンガ・アニメの中のミステリ~唐沢俊一(作家・評論家)との対談~
第5回(2/15) ミステリの現在~東川篤哉(作家)との対談~
金曜日 全5回 19:00~20:30
定員25名
受講料:7500円(全五回分)
教材費:200円(全五回分・資料代など)
全五回共、受講料のわりに大変充実した内容、大満足の講座であった。
脚本家で知られる辻先生の推理作家としての顔も、今回の講座から少しは判るようになった気がする。
定員25名は、まさに参加者の情報収集力と、意識の高さをはかる目安となり得た。
漫画やアニメの評論家として知られる顔は、殆んど見あたらなかったのだから、やっぱりな、と言う印象である。
帰りに一階展示ロビーで行われている
おおやちきの世界展
~伝説の漫画家、『りぼん』『ぴあ』からイラスト、パズルまで~
2/14(木)~3/3(日)
を観てから帰る。
永遠の少女まんが展に比べ、今回は見応えを感じた。
一人の作家の足跡をきちんと掘り下げることが出来ていたからだ。
おおやちき先生について、故・米沢嘉博さんの本が展示されていた。
米沢さん以外、未だにきちんとおおやちき先生の作家性を、誰も把握出来た研究者が育っていない哀しい現実を痛感した。
三連休の中日である昨日、私は前から大変興味のあった三つの展示会を観に行きました。
その一つが、偶然にも今日の日本経済新聞の文化32面にも取り上げられています。
挿絵で描く人間の本性
◇新聞や週刊誌で作家と組み67年、今も現役◇
濱野彰親
挿絵画壇の重鎮
濱野彰親展
モノクロームへの眼差し
ー人間の本性を暴くー
弥生美術館
2013年1月8日(火)~3月31日(日)
濱野先生に会えるチャンス!ギャラリートーク&サイン会
1.2月10日(日)14:00~
2.3月17日(日)14:00~
3.3月24日(日)14:00~
本日の画像は、記事が掲載されている新聞記事をベースに弥生美術館のチラシと、展示会に併せ株式会社ラピュータから発売され、サインを入れて貰った
濱野彰親挿絵原画集
モノクロームへの眼差し
松本品子・編。
定価(本体2800円+税)
私は、午後2時過ぎに弥生美術館に到着。
来館者でフロア一杯の会場の末席で、濱野先生を交えた学芸員のギャラリートークを聴いておりました。
老若男女、とても幅広い参加者。
小松崎茂先生門下の根本圭助先生にも、会場で久々に挨拶出来たし、2006年から『SFマガジン』(早川書房)連載の「SF挿絵画家の系譜」を【SF挿絵画家の時代】(本の雑誌社・2012年)として単行本にまとめて話題の大橋博之さんからは、消費税分をサービスしてもらい、著書を直接購入。
定価(本体1800円+税)。
この本については、私のお薦めの一冊なので、後日改めて紹介したい。
一時間弱のギャラリートークの後、始まったサイン会。
売店で本を購入し、濱野先生から本にサインを入れて貰った後、隣接する竹久夢二美術館で学芸員のギャラリートークに参加。
"見知らぬ世界"を求めて
旅人・竹久夢二
ー旅、恋、異国への憧れー
2013年1月8日(火)~3月31日(日)
◆学芸員によるギャラリートーク◆
1.1/13(日)午後3時より
2.2/10(日)午後3時より
3.3/10(日)午後3時より
弥生美術館と竹久夢二美術館は、二館併せて入館料一般900円、大・高生800円、中・小生400円でご覧頂けます。
*高畠華宵の常設ルームも併せてご覧いただけます。
竹久夢二美術館のギャラリートーク参加者は、いつも女性の方が多いイメージ。
テーマを決めて毎回展示内容を変えているため、何度観に行っても興味深い。
私が初めて竹久夢二美術館に行ったのは2000年以降。
その時から収蔵作品も増えているのだろうが、もうすっかり見慣れてしまった物もある。
企画展毎、年4回、12年だとすると48回弱は訪れた計算になる。
竹久夢二が、庄内酒田に滞在したことは知っているが、今回、私の父の故郷である庄内鶴岡にも滞在していたこと、同じく銚子でのエピソードが有名だが、私の母の故郷の隣町である潮来へも滞在していたことが興味深かった。
晩年、横浜から船に乗って外遊したりと、画家よりも旅人としての先人であった夢二に、私は寅さんにも似た親近感を憶えたのだ。
昨夜のBSフジの番組「名画と歩こう 竹久夢二・長崎十二景を巡る」では、夢二好きで知られる女優の緒川たまきさんと共に、竹久夢二美術館の学芸員の石川さんが解説のため、出ていたようだ。
近年、竹久夢二研究家として、学芸員である石川さんの外部での活躍もめざましい。
ギャラリートークを終えた後、濱野彰親先生夫妻を交えて、隣の喫茶港やで、日本出版美術研究会の会合と情報交換会。
私は、2002年からここのメンバー。
大橋博之さんには、2006年にこの会合で初めて会った。
年は私より八歳上だが、私のメジャーデビューが2001年なので、私の方が随分早くなる計算だ。
著書の中で小松崎茂先生や、濱野彰親先生、根本圭助先生など総勢七一名取り上げているが、小松崎茂先生に直接長時間インタビューするチャンスにだけは、残念ながら恵まれなかったようだ。
私は、【少年画報大全】監修後直ぐの2001年夏に、東京ドームホテルにて、初対面となる中一弥先生、伊勢田邦彦先生、濱野彰親先生、そして根本圭助先生と夕食を御一緒する幸運にも恵まれている。
探し続けている本を手に出来る幸運や、憧れ続けている作家さんに直接逢える幸運、共に一期一会の場合がある。
昭和時代を代表する300人弱の漫画家さん、絵物語作家さん、挿絵画家さんの図版を取り上げ、その中から小松崎茂先生を始め、上田トシコ先生など10人の作家さんのインタビューを収録した【少年画報大全】(2001年・少年画報社)を監修する幸運は、昭和時代の漫画史研究家として、これに勝るものは今も見当たらない。
さて、港やを後にした私は、一人のらくろ館のある森下文化センター
【永遠の少女マンガ展】
へ向かう。
今日が最終日なので、昨日のうちに観ておいたのだが、クオリティーが高くて評判の美術館の展示を立て続けに観た後のためだろうか?期待に反してどうしても見劣り感が否めない。
評判の高い名著を買って読んだ後、アクセス数の多い人気ブログを読んだような気分にさせられた。
プロとアマ、前座と真打ちの実力の違い、順番が逆だったらまだ良かったのかも知れない。
原画の展示と、原画ダッシュの展示素材については一級品なので文句無し。
無料で読める少女マンガも、下手な漫画喫茶より素晴らしい充実ぶり。
だが、今回の展示会のための美術館の図録や書籍にあたるもの、少女マンガに対する愛情や志が足りないような気がするのが残念で仕方ない。
私が学生だったなら、文句なしの内容だが、プロの漫画史研究家の視点からすると、泣いて馬謖を斬る、苦言を呈さざるを得ない展示内容だ。
無料の漫画喫茶に、ドリンク代わりに貴重な原画が展示されている贅沢で素敵な空間、それが私の印象の全てだ。
故・米沢嘉博さんの遺志を継ぐような正統な少女漫画史研究家の長き不在、及び、美術館、博物館の学芸員ではないスタッフのみしか展示に関わっていないことが、心から悔やまれる展示内容だ。
せっかくのチャンスだったのだから、今出来ることはもっと沢山あったはずなのに。(涙)
さて、この三連休が終わると・・。
マクドナルドのおいしいニュース、ハッピーセット
2/15(金)~スポンジ・ボブ、全8種類。
3/8(金)~ドラえもん、全6種類。
さらにもらえる!
3/9(土)10(日)ゆらゆらタイムマシーン
3/16(土)17(日)お風呂シール
私は、ドラえもんファンなので、毎年この時期は、少なくとも6回以上はマクドナルドに通わなければならない。(*´∀`)♪
2013年1月29日、文化庁は国立国会図書館の蔵書データを大日本印刷が電子書籍の形にして、紀伊国屋書店の電子書店を通して無料配信する実験を、2月1日から3月3日まで行うと発表した。
配信対象の13作品※かっこ内は出版年
浪花禿箒子著、石川豊信画「絵本江戸紫」(1765)
住吉内記写「平治物語絵巻 第一軸」(1798)
グリム著、上田万年訳「おほかみ」(1889)
竹久夢二「コドモのスケッチ帖 動物園にて」(1912)
芥川龍之介「羅生門」(1917)
芥川龍之介「河童」(1927)
酒井潔「エロエロ草紙」(1930)
柳田国男「遠野物語」(1910)
夏目漱石「硝子戸の中」(1915)
永井荷風「腕くらべ」(1918)
宮沢賢治「春と修羅」(1924)
宮沢賢治「四又の百合」(1948)
写真絵本「きしゃでんしゃ」(1953)
やはり、今年の出版界を読みとくキーワードは、温故知新と電子書籍のようだ。
著者が故人となった出版物の電子書籍化実現には、様々な困難が伴う。
近年では、今回のリストにも名前がある明治の大文豪・夏目漱石の遺族、親族同士による利権をめぐる確執と争いが、マスコミやネットを騒がし物議を醸したことも記憶に新しい。
作品の素晴らしさと、作家の人格は別であり、更に作家の遺族と出版交渉をすることは、非常な困難を伴うことがあるのが事実である。
その為だろうか?
昨今の出版不況に伴い、昭和時代の漫画史を代表する名作漫画の復刻については、現在、ごく一部の有名作家の作品を除き、大手出版社による商業出版の道は、ほぼ閉ざされた状態が続いている。
在野にいる数少ない漫画史研究家である私・本間正幸は、現状を憂い続けていました。
国会図書館や、膨大な蔵書量を誇る関西・関東にある有名マンガ図書館に比較すると、一個人の蔵書数二万冊というのは、蟷螂の斧のごとくあまりにも儚い僅かばかりの蔵書量に過ぎないのかも知れません。
けれども、日本の昭和の漫画史を代表する名作アーカイブの確立、復刻事業の礎となるために、粉骨砕身精一杯努力し、頑張っていきたいと常日頃から考え続けていました。
昨年の秋口、私は大日本印刷の電子書籍に対する真摯な姿勢に共感し、微力ながらも株式会社パインウッドカンパニーを通じて、慎重に作品の検討、選択をし、統一定価525円にて、2013年1月28日より一足早く次の作品の復刻、電子書籍化出来たことを正式に発表します。
配信対象の五作品※()内は連載年。
上田トシコ「フイチンさん1」(1957~1962年)
上田トシコ「フイチンさん2」(1957~1962年)
上田トシコ「フイチンさん3」(1957~1962年)
上田トシコ「ぼんこちゃん」(1955~1962年)
上田トシコ「お初ちゃん」(1958~1969年)
以下、続々と電子書籍化予定です。
田河水泡・のらくろ館特別展
「永遠の少女マンガ展」
会期:2013年1月19日(土)~2月11日(月・祝)※1月21日(月)2月4日(月)は休館
時間:午前9時~午後9時
会場:森下文化センター一階展示ロビー【入場無料】
東京都江東区森下3ー12ー17
TEL03(5600)8666
主催:公益財団法人江東区文化コミュニティ財団
江東区森下文化センター
■原画'(ダッシュ)
出展作家
松本かつち゛、上田としこ、わたなべまさこ、今村洋子、高橋真琴、巴里夫、水野英子、牧美也子、あすなひろし、北島洋子、上原きみ子、竹宮惠子、佐藤史生、花郁悠紀子
■三原順原画展示
■編集者・小長井信昌の仕事
小長井さんが、長年、編集者・編集長として関わってきた美内すずえさん、和田慎二さん、成田美名子さんのカラー原画や作品等も展示します。
■田河水泡と弟子たち
「のらくろ」の作者として有名な田河水泡は、戦前、『少女倶楽部』でも作品を発表しています。
本展では、水泡の作品を展示するとともに、弟子である、長谷川町子さん、倉金章介さん、永田竹丸さん、山根赤鬼さん、山根青鬼さんたちの少女マンガ作品を紹介します。
■おことわり
株式会社パインウッドカンパニーでは現在、昭和を代表する少女マンガのアーカイブ化事業に取り組んで来ました。
先ずは上田トシコ先生の代表作【フイチンさん】【お初ちゃん】【ぼんこちゃん】の三作品をコミックパークからオンデマンドで販売。
大好評につき、三作品全てを電子書籍化し、2013年1月28日より定価525円にて販売を開始致しましたので、併せて購入を御検討いただけましたら幸いです。
また、少女まんが史を理解する上において、私は二上洋一先生が残された【少女まんがの系譜】(ぺんぎん書房)の入手をお薦めしたい。
発売後、直ぐに出版社が倒産の憂き目に遇ってしまいましたが、二上洋一先生こと、集英社の名編集者であった倉持功さんの少女まんがに対する深い愛情が伝わってくる一冊です。
「西の新井善久(講談社)、東の山本順也(小学館)」と云われる少女まんがの名編集者の歴史において、第三の男とも言うべき集英社を代表する少女まんがの名編集者であった倉持功さんの少女まんがに対する考え方が理解出来る一級品の資料です。
今日的少女まんが史研究の視点からすると、別人の手による巻末のデータベースの不備、未成熟度は、その時代における少女まんが史研究最前線の遅れを顕著に示しています。
米澤嘉博さん亡き後の、正当な少女まんが史研究家の長き不在。
私共、株式会社パインウッドカンパニーでは、これからも絶版のため、長らく入手困難だった昭和の少女マンガ史を代表する名作群の電子書籍化に取り組んでまいります。
少女マンガ史を代表する名作群を、実際に読みこむことによって、一日も早い実証的な少女まんが史研究家の登場が待ち望まれます。
以下の文章は、今年の二上洋一先生の命日に際しての私の思いを再録しましたので、参考までに。
2009年1月16日、私が大変お世話になった二上洋一先生が亡くなられた。享年71歳。
鮎川哲也監修、芦辺拓編【少年探偵王】(2002年・光文社)の目次をみると、はじめに 芦辺拓、秋山憲司「回想の乱歩・洋一郎・峯太郎」、二上洋一「吸血魔」解説、山前譲 鮎川哲也氏の年少者向け推理小説、本間正幸「ビリーパック」解説、解説 僕らも少年探偵団!
とある。
私と二上先生の名前が一緒に出てくる最初の本だ。
【少年画報大全】(2001年・少年画報社)監修後、当時フリーの編集者だった中野晴行さんの紹介により、芦辺拓先生と御逢いできた私は、芦辺先生の依頼により、光栄にも漫画【ビリーパック】の解説者に大抜擢してもらった。
その後、【少年画報大全】監修の実績により、弥生美術館の日本出版美術研究会へ学芸員以外の研究者では、最年少で私の入会が認められ、会合の時に長老格の二上先生に初めて御逢いすることが出来た。
二上先生は、当時出版関係者の間でのみ高い評価を受けていた【少年画報大全】を発売と同時に購入していただいていた。
そして、親子ほど年の離れた漫画史研究家として、まだメジャーデビューしたての私の才能を、いち早く見極めてくれていた。(実際、二上先生は私の亡き父より一歳年下だったので、酒好きの父が生きていたなら二上先生と同じくらいの年頃になるんだろうな。)
プロの評論家として活動するには、文章が下手だが、新たな分野のパイオニアとなる漫画史の研究者としての才能なら突出していることを見抜いてくれていたのだ。
そして、現在の一億総評論家時代の到来に伴い評論家の肩書きや、大学教授、大学講師の地位待遇が今のように凋落してこそ初めて、在野にいる数少ない漫画史研究家としての私の稀少価値が認められるようになり、活躍する場も増える筈だが、その時が訪れるまではまだまだ時間が掛かることも予見されていた。
私は、二上先生から将来、漫画史研究家のパイオニアとして活動するための覚悟や心構え、人としてのあり方を学ぶようになり、少年小説研究について師事するのだが、師事した矢先に二上先生は急逝されてしまった。
だが、私の手元には、二上先生の残された著書がある。
スタッフとして関わられた【少年小説大系】の膨大な作品群(昨年やっと全巻購入出来た)がある。
私は、二上先生から直接、少年小説大系に懸けた情熱を何度も何度も繰り返し聞くことが出来た。
後は、私自身の才能と努力の問題である。
街頭紙芝居の研究や、無声映画時代の映画やアニメーションについては、マツダ映画社に、我が師匠である故・松田春翠先生が終生情熱を持って集められた膨大なフィルムが残されているので、毎月の無声映画鑑賞会に参加して、私は自分の才能と、独自の視点を持って研究を進めればよい。
漫画史研究家である私が、師事し最も影響を受けた人物は、マツダ映画社を創立し今日まで残る無声映画の発展普及に尽力し続けた故・松田春翠先生と、少年小説大系編纂に関わった故・二上洋一先生の二人である。
さて、昨晩は、江東区森下文化センターで、辻真先先生と唐沢俊一さんの対談を聴くことが出来た。
詳細は、又、後程。
大雪の日の出来事。
東京、横浜在住の新成人の皆さんは、成人式に参加されたでしょうか?
私が新成人の頃の横浜では、成人式に参加するのは、あまりお洒落ではないという考えが一部に根強くあり、私は参加しませんでした。
そのことが、今になって考えると高校時代の悪縁を全て断ち切ることに繋がり、その後の幸せな人生へのステップアップに繋がった気がします。
さて、大好評のうちに終了した第六回江東シネマフェスティバル。
12日(土)
13:00~【憧れのハワイ航路】
15:40~【川の底からこんにちは】
13日(日)
10:00~【運が良けりゃ】
13:30~無声映画特集 弁士・楽団(カラード・モノトーン)付フィルム上映
【争闘阿修羅街】弁士・松田貴久子
【雄呂血】弁士・澤登 翠
16:50~【お早よう】
14日(月・祝)
10:00~【ゴジラ】フィルム上映
13:30~【愛妻物語】フィルム上映
16:20~【晩春】フィルム上映
私は、3日間通し券を購入していたので、日曜日の朝【おしん】の再放送を観て、午後の無声映画特集から、3日目は朝から終日会場におりました。
無声映画特集には、脚本家の石森史郎先生夫妻が観にいらっしゃったので、新年の御挨拶。
今回の目玉は、何といっても【ゴジラ】のスクリーン上映とトークイベント。
前売りは完売で、会場も大雪なのに満員状態。
上映後のトークイベントは、「ゴジラ誕生秘話」で、俳優の宝田明さんと、本多猪四郎監督の長男、本多隆司さんが登場で満員の会場は大盛り上がり。
幾つも取材カメラがあるだけでなく、マスコミだけでなく観客も撮影OKのフォトセッションタイムがあり、ビックリ!
更に宝田さんは、会場にいるファンの希望者まで壇上に登壇OKの記念写真タイムを作ってくれたのだからそのお人柄に感心してしまいました。
その後、【ゴジラのトランク 夫・本多猪四郎の愛情、黒沢明の友情】本多きみ 著、取材・構成・文 西田みゆき(宝島社)定価1300円+税に、希望者は、本多隆司さんのサインを入れて貰える販売タイムがあり、私も勿論購入してサインを入れてもらいました。
その際、先日のNHKBSの番組で放映されたラストに、本多監督の生まれ故郷が、私の父の故郷である庄内地方鶴岡市にある地元の有名なお寺であり、少年時代に私は家族と一緒にそのお寺にお参りしたことがあるので、訊ねてみたらドンピシャリ。
せっかくの機会なので私が漫画やアニメ、特撮や映画を研究していること、父の実家が庄内鶴岡にある本間家の中でも指折りの旧家であり、庄内地方に将来漫画やアニメ、映画に関する総合的な観光施設を作ることが出来たらいいなと考えていることなど、簡単に自己紹介することが出来ました。
同行されていた株式会社本多フィルムの副社長からは名刺をいただき、やはり庄内地方に本多監督の記念館が出来たらいいのにと、話題になりました。
本多猪四郎監督と私の間には、不思議な縁があるようなので、これを機会に父の故郷出身の偉大な先人である本多監督の作品とその生涯についても今後はより一層研究を深めていきたいと考えています。
また、この三連休には漫画やアニメ、特撮や映画に関する様々なイベントが開催されていたようです。
各々のイベントにおいて、各々のイベントに関係する人達や、興味がある人達が集まる訳ですが、正に類は友を呼び朱に交われば赤くなるといいますが、まさにその通りだったのではないでしょうか?
マンガ評論家でなく漫画史研究家として活動を続ける私の場合、大正・昭和時代の漫画を中心とした映画やテレビ、アニメ、特撮、街頭紙芝居、絵物語、少年小説、挿絵など研究対象となる範囲が広く、交流する人々も多くなります。
漫画や映画などジャンルが異なるイベントが同じ日に重なることが日常茶飯事となるため、より良い縁である所に顔を出すように心掛けています。
不思議と良い縁のイベントに集まる人達は、良い人達が多いため居心地が良く段々と栄えてくるようになります。
ところが、栄枯盛衰とは大変不思議なもので、悪い人達が集まる縁やイベントには、内容はどうあれ、段々と人が集まらなくなってくるのですから驚くばかりです。
私のブログは、私と縁のある良い人達やイベントを中心に紹介しています。
かつて、私と縁があった人達や団体で、現在、私のブログで話題となったり、登場してこないものの殆んどは、私にとって悪縁と思われるから、敢えて話題から避けてます。
その人物が亡くなり、その人物と関係する著作権上、大問題がある書籍を数年前に出版した出版社が、その問題ある書籍を出版した後、大手からの資本提携を解除された上、再度別の問題を起こし、出版した本の回収騒ぎの後、昨年末にあえなく倒産。
三連休中に行われた追悼イベントは、大雪のため人が集まらなかったようなのに、世間的には肩書きのある著名人の関係者二人が「たくさんの人に集まっていただき」とTwitterし、人柄の良い善良な関係者の一人が、「最悪、スタッフだけのイベントになるかと思われたが、こじんまりとした集まりぐらいの人が来てくれたので良かった」と、同じくTwitter上で呟く別の関係者の矛盾に、故人と関わりの強い関係者三人の人間性まであからさまに露呈してしまったようです。
内容に自信さえあれば、イベントに人が集まっていなくても、たくさんの人が来たような嘘をつく必要はないと私は思うのですが・・・。
亡くなってからも、肩書きだけ立派な故人の悪い人間性が、(私は、漫画史研究家として、この人物の生き方や人柄を反面教師として肝に刻んでいる)謀らずも関係者によって鮮やかに受け継がれている負の遺産を垣間見た瞬間でした。
全ては因果応報であり、自業自得。
改心しない限りこれからも悪縁や、負の遺産は、故人の関係者の手により受け継がれていくことでしょう。
虚しくはないのかな?(笑)
さて、私は今、アニメと映画、漫画史を皆で語れるオフ会の設立を考えています。
題して【アニメと映画、マンガ史研究会】(笑)。
参加資格は、アニメor映画orマンガが好きな人。
私がブログなどで紹介するアニメ、映画、マンガが好きだというのなら、誰でも参加OK。
イベントの前後、会場などで御会いしましょう。
入会希望者は、会場で一声かけて下さいね。
会員証は【少年画報大全】ということでよろしく。
漫画史研究家である私、本間正幸の今年の年賀状は
臥薪嘗胆の時を経て、2013年は温故知新の志で
「ことしも元気でいこう!!福井英一・画」
『冒険王』(秋田書店)1954年新年号付録【イガグリくん】年賀状を発掘!!
故・上田トシコ先生の【フイチンさん】を始め、昭和時代の名作漫画を続々と電子書籍化します!
【まぼろし探偵】【月光仮面】(原作・川内康範)【8マン】(原作・平井和正)で知られる桑田次郎先生、少女漫画の名作で知られる故・東浦美津夫先生、【ゆうひが丘の総理大臣】【サインはV!】(原作・神保史郎)で知られる望月あきら先生作品版権管理窓口
株式会社 パインウッドカンパニー
郵便番号104-0044
東京都中央区明石町1-3-404
Tel:03-5939-6991
『漫画の匠』
http://www.manganotakumi.com
漫画史研究家 本間正幸
今年も、私が大ファンである漫画家の先生方を始めその遺族の方たち、アニメーション業界の方、作家の先生、児童文学の研究者の先生、編集者など出版業界の人たち、女優さんに至るまで、様々な業種の方たちから、沢山の年賀状の返事をいただいております。
毎年恒例となっております漫画家さんからの年賀状の返事をいくつか紹介してみますね!
先ずは、スタジオ・ゼロのアニメーターであり、ラーメン大好き小池さんのモデルとしてもあまりにも有名な杉並アニメーションミュージアムの鈴木伸一館長からの年賀状を紹介させて貰いましたが、鈴木伸一館長とは、毎年、東京国際アニメフェアの功労賞でのパーティ会場や、手塚治虫文化賞で御一緒させていただいております。
次の年賀状は、手塚治虫先生作品の版権管理をされている手塚プロダクションさんからのもの。
2013年は【リボンの騎士】連載60周年。
【鉄腕アトム】放送50周年。
【ブラック・ジャック】連載40周年を迎えます。
【リボンの騎士】は、虫プロのテレビアニメの再放送から、音楽、漫画と全て私好み。
【鉄腕アトム】は、漫画からリバイバルのカラー放送を見て。
【ブラック・ジャック】は、『週刊少年チャンピオン』の連載時からリアルタイムで、初出のカラー扉も楽しむことが出来ました。
「沈む女」の二色ページは美しく、ストーリーはあまりにも物悲し過ぎて・・・。
手塚先生の作品やアニメは、私より上の世代に圧倒的にファンが多く、私の世代では好きな人が意外に少なく、石森ファン、豪ちゃんファン、松本ファンが圧倒的に多かったものです。
藤子ファンや、宮崎駿ファンも、私より少し下の世代に圧倒的に多いような気がします。
私は、多くの手塚治虫作品の中でも初期SF三部作の【メトロポリス】が大好きで、アニメ化され再評価される前に漫画喫茶の店名をメトロポリスと名付けたほど。
漫画と映画、アニメ好きの私が、漫画史研究家としてメトロポリス漫画総合研究所を主宰しているのは、大の手塚ファンの証でもあるのです。
今年の元旦の朝に私は、定期購読している読売新聞だけでなく東京新聞、朝日新聞、毎日新聞の三紙を自宅近くのコンビニで購入。
私が政治や宗教、思想、スポーツについてブログで滅多に話題にしないのは、自分の考えを他人に押し付けることが嫌いだからです。
脚本家の石森史郎先生は、毎年元旦の朝になると新聞の朝刊各紙を購入し、その年の動向についての情報を得ているとのことなので、弟子筋となる私も今年は真似をしてみました。
元東映の名プロデューサー平山亨さんは、付き合いで赤旗を取ったところ、知らないうちに共産党の党員に登録されていたことがあり、吃驚したとのこと。
東京新聞が一番偏りがなく、芸能面なども充実しているので、業界内の友人などに意外と講読者が多いと話してくれたことがあります。
今回、東京新聞には「アニメ50年いつもそばに」と題する記事がカラー画像付きでありました。
朝日新聞では、「アトムからコナン、その先へ」50年の厳選50本ー脚本家・辻真先さんと歩く
と言う記事がありました。
辻先生へのインタビューは、正に我が意を得たりという感じで、今年の元旦は石森先生の真似をして、四紙読み比べて大正解だったといえるでしょう。
漫画史研究家であり、アニメーション史研究家でもある私は、在野にいる数少ない研究者の立場から、なるべく偏った思想でなく独自の社会学的視点から漫画やアニメの歴史について実証的な資料を踏まえて今年も皆さんに紹介していきたいと考えています。
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