【週刊ゲーム市場分析】化物語ポータブルがアニメディスクのような“化物”級の販売にならなかった理由は?

2012年09月02日 | 団長は断腸の思い
ゲームソフトの週間販売本数からゲーム市場を分析する記事の第60回。
毎週のゲームソフトの販売本数を予想するYSO3の参加型企画「Y1」もよそしく!

→ファミ通TOP30(ファミ通.com掲載データはログが残らないため、YSO3のメインBBSにコピペ)
※前作データ等はすべてゲームデータ博物館様(ファミ通データ)より転載。


■「New スーパーマリオブラザーズ2」が3週連続の首位、累計100万本突破

今週も首位は「New スーパーマリオブラザーズ2」(7.1万本)で、累計本数は100万本を突破。
3DSとしては4タイトル目のミリオンタイトルとなった。
そのうち3タイトルが「マリオ」シリーズであり、任天堂の看板キャラとしての存在感を改めて見せつけている。


■「化物語 ポータブル」は初週3.5万本、2位にランクイン

2位の「化物語 ポータブル」(初週3.5万本)は、アニメディスク(BD+DVD)が1巻平均7.9万枚を販売するという、まさに“化物”級の作品だった割には、ゲームの販売は比較的おとなしい本数となった。ここで、以前の分析記事で掲載した「アニメディスク販売枚数とゲーム販売本数の関係」のテーブルを更新してみた。

※以前の分析記事→【週刊ゲーム市場分析】「魔法少女まどか☆マギカ」がゲームで“覇権”をとれなかったワケは?



追加された3作品は実に分かりやすい結果となった。「パパのいうことを聞きなさい!」はアニメ終了から約2か月でゲームが発売され、初週本数はアニメディスク平均売上枚数の4倍以上を記録したが、約7か月かかった「青の祓魔師」は同程度。そして今回の「化物語」はアニメ終了から約3年が経過しており、ゲームの初週本数はアニメディスクの半数にも満たなかった。

「化物語」は2012年1-3月期に関連作「傷物語」のテレビアニメが放映されているが、今回のゲームにはその要素はほとんど入っていない。「傷物語」の要素がもう少し入っていれば、結果は変わっていた可能性もありそうだ。

「化物語 ポータブル」については、ゲーム内容が問題とする声もあるが、購入者のほとんどが限定版を事前に予約して購入していたというデータがある。(参考:メディアクリエイトデータ )つまりゲーム内容の評価によって販売本数が減少したとは考えにくい。アニメディスクの販売枚数の割にゲームが売れなかった理由としては、やはり作品自体の旬の時期が過ぎていたことが一番に挙げられるのではなかろうか。

また、今後も放映中、または放映終了したアニメがPSPでゲーム化される流れが続く。



これまでのデータを当てはめると、「アクセル・ワールド」や「ココロコネクト」のゲーム販売本数は、アニメディスクの販売枚数を大きく上回る結果が予想されるが、放映終了から日数が経過している「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」や「TIGER&BUNNY」は、“実力”どおりの結果とはならない可能性がありそうだ。


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