みちのく童話会スタッフブログ

第3回を持ちまして、みちのく童話賞は終了ました。これからはみちのく童話会として、活動をしていきます。

みちのく童話会

 東日本大震災から10年のくぎりの2021年、東北地方の皆様から第1回みちのく童話賞を開催し、第3回まで、たくさんの作品、作家との出会いがありました。  童話賞終了後は、みちのく童話会として、活動を続けています。

「はじめての芋煮会」野泉マヤ(『東北おいしい物語』執筆裏話)

2024-10-16 | 日記

 こんにちは。みちのく童話会スタッフの野泉マヤです。

『東北おいしい物語』では、山形の芋煮会をテーマに書きました。

       

山形の芋煮は、本当に美味しいんです!取材をすればするほど(芋煮を食べれば食べるほど)、ハマります。

私が住む宮城県でも芋煮会はするのですが、毎年必ずするものではなく、バーベキューのかたわらで汁ものを作るくらいのわき役です。

それが山形では、芋煮が主役なんです。芋煮を作るところから楽しむんです。なんでも、正月、お盆、芋煮会という年中行事レベルらしいです。取材をしていて、芋煮愛も感じました。

すっかり有名になった「日本一の芋煮フェスティバル」は、毎年9月に山形市内の河川敷で行われます。巨大な鍋で、大量の肉と野菜を入れて、パワーショベルでかき回して……。パフォーマンス的には、すごいけど味は期待できないなと思いつつ、取材のために参加してみました。

ところが、予想を大幅に超える美味しさでした!

そりゃそうなんです。材料は砂糖以外、全て山形産。美味しい山形牛、美味しいしょう油、美味しい日本酒、美味しいネギにこんにゃく。里芋なんて、この芋煮のために特別な畑で作るそうです。そしてそれらを、山形市内の一流の料理人たちが味付けするんです。とても贅沢な一杯なんですよ。

このイベントは、心から芋煮を愛する人たちでなければ、決してできないだろうなと思いました。

日本一ではなくても、秋は、山形県内のあちこちの市町村で芋煮イベントをしています。地域によって具材が微妙に違い、「おらほが一番美味しいんだ」という芋煮論争も起こるとか。

とにかく、百聞はひと味に如かずで、食べてみてください。

でも、食堂やレストランのは、イマイチですよ。やっぱり、芋煮は川原で食べないと。

澄みきった青空の下、白い雲と遠くの山々、そして飛び交う赤とんぼを眺めながら味わう。

それが、芋煮です!

    

(画像は、芋煮発祥の地と言われる中山町の、鍋かけの松。江戸時代は、こうして芋煮をしたと伝えられる)