みなさん、こんにちは。みちのく童話会スタッフ、吉田桃子です。
みちのく童話会でつくった東北アンソロジーをお読みいただいて、本当にありがとうございます。
わたしは、地元、福島県を舞台にした物語を書きました。
題材にした食べ物は「お米」です。
実は、当初は「ラーメン」で書くことが決まっていました。
福島県には喜多方ラーメンをはじめ、おいしいラーメン屋さんがたくさんありますので、
旅行中、食べたという方もいらっしゃるかと思います。
わたしも、ラーメンを題材にどんなお話を書こうか、あれこれ考えはじめていました。
でも、ふとひらめいたのです。
「ラーメンもおいしいけれど、福島といったら、これだ!」
それが「お米」でした。
お米は、わたしたち日本に住むひとにとっては、空気のように当たり前の食べ物です。
だからこそ、見落としてしまっていました。
しかし、食卓になくてはならないたいせつな食べ物です。(というのも、「空気」と同じようですね。)
わたしは、福島県のお米はとてもおいしいと思います。
そのまま食べてみると、ほんのりやさしい甘みがあり、おかずがなくても
何杯でもおかわりしたくなります。特に、今頃の時期に出る新米は最高です。
2011年の東日本大震災、福島県では原発事故が起き、それにともなって
農業は大変な苦境に立たされました。
風評被害はいまだ完全になくなったとはいえません。
しかし、あきらめずに農作物をつくり続けてくださった農家さん、業務にかかわるみなさんの
おかげで今は「福島のお米はおいしいね」という声がたくさん聞けるようになりました。
「手のひらサイズのしあわせ」は、震災後の2012年に福島県へ遊びに来た女の子が、そこで出会ったひと、自然、そしてお米のおいしさに感動し、自分の将来の夢を決めるお話です。
本が出来上がり、「題材をお米に変更してよかった!」と思いました。
(ラーメンのお話も、いつか、また……!)