みちのく童話会スタッフブログ

第3回を持ちまして、みちのく童話賞は終了ました。これからはみちのく童話会として、活動をしていきます。

みちのく童話会

 東日本大震災から10年のくぎりの2021年、東北地方の皆様から第1回みちのく童話賞を開催し、第3回まで、たくさんの作品、作家との出会いがありました。  童話賞終了後は、みちのく童話会として、活動を続けています。

「手のひらサイズのしあわせ」(『東北おいしい物語』創作裏話)吉田桃子

2024-10-15 | スタッフ便り

       

みなさん、こんにちは。みちのく童話会スタッフ、吉田桃子です。

みちのく童話会でつくった東北アンソロジーをお読みいただいて、本当にありがとうございます。

わたしは、地元、福島県を舞台にした物語を書きました。

題材にした食べ物は「お米」です。

実は、当初は「ラーメン」で書くことが決まっていました。

福島県には喜多方ラーメンをはじめ、おいしいラーメン屋さんがたくさんありますので、

旅行中、食べたという方もいらっしゃるかと思います。

わたしも、ラーメンを題材にどんなお話を書こうか、あれこれ考えはじめていました。

でも、ふとひらめいたのです。

「ラーメンもおいしいけれど、福島といったら、これだ!」

それが「お米」でした。

お米は、わたしたち日本に住むひとにとっては、空気のように当たり前の食べ物です。

だからこそ、見落としてしまっていました。

しかし、食卓になくてはならないたいせつな食べ物です。(というのも、「空気」と同じようですね。)

 

わたしは、福島県のお米はとてもおいしいと思います。

そのまま食べてみると、ほんのりやさしい甘みがあり、おかずがなくても

何杯でもおかわりしたくなります。特に、今頃の時期に出る新米は最高です。

 

2011年の東日本大震災、福島県では原発事故が起き、それにともなって

農業は大変な苦境に立たされました。

風評被害はいまだ完全になくなったとはいえません。

しかし、あきらめずに農作物をつくり続けてくださった農家さん、業務にかかわるみなさんの

おかげで今は「福島のお米はおいしいね」という声がたくさん聞けるようになりました。

 

「手のひらサイズのしあわせ」は、震災後の2012年に福島県へ遊びに来た女の子が、そこで出会ったひと、自然、そしてお米のおいしさに感動し、自分の将来の夢を決めるお話です。

本が出来上がり、「題材をお米に変更してよかった!」と思いました。

(ラーメンのお話も、いつか、また……!)